卓話時間
第1487例会
2011年02月14日 (月曜日)
- タイトル :
- 新会員卓話「過去の金融危機、経済危機と過剰流動性」
- 卓話者 :
- 箕輪 猛君
箕輪 猛君
金融は経済の血液です。2007~2008のサブプライムショック、リーマンショックは100年に一度の金融危機と言われました。今回ほどの規模ではなかったにしても過去幾度となく金融危機、経済危機は起きてます。その度に、世界中の中央銀行が血流を高めようと
金利を低め誘導し、一方で量的緩和という輸血政策を取ってきました。
結果、世の中が落ち着いてくると低金利下の金余りの状況から過剰流動性が高まり、バブルが発生するという歴史が繰り返されてきています。
過去を振り返ると、ニクソンショック、ブラックマンデー、アジア通貨危機・ロシア危機、日本独自の金融危機等がありました。いずれも世界中の中央銀行は低金利政策と量的緩和政策という二大金融緩和政策をとり、著しい過剰流動性(バブル)を生み出しています。
ニクソンショックの翌年、日本の株式は時価総額が倍になりました。ブラックマンデーの後、日本の不動産や株式は高騰しバブル経済を生みました。アジア通貨危機後はITバブルを生み、山一證券が廃業し拓銀が破綻した日本独自の金融危機の後も日本の株式は、3年間で2倍以上に上昇しています。
今回は100年に一度の金融危機だっただけに100年に一度の金余りと低金利の状況です。
先進国の政策金利は、日本とアメリカが実質ゼロ、英国が0.5%、ユーロ1%と戦後最低の低金利という状況です。戦後最高の金余りと戦後最低の低金利という環境から戦後最大の過剰流動性(バブル)が来るとの予想は容易に出来るのではないでしょうか?
歴史は必ず繰り返します。
すでに中国を中心に不動産バブルとの声も聞かれますが、中国を中心とした新興国には
実需があります。過熱感から調整することはあってもバブルがはじける事は当面ないと
考えています。少し前に中国は「家電下郷」という政策により中国全土に白物家電を一気に普及させました。その後、「汽車(自動車)下郷」政策により自動車の普及を加速させ、新車の販売台数は日本を抜いて世界第2位となっています。現在、中国が行っている政策は「建材下郷」です。住宅事情の悪い中国全土に安価な鉄筋住宅を普及させようとしています。実態が伴っている限りは、加熱はしてもバブルではありません。
ここで予言をしたいと思いますが、数ヶ月すると日本のメディアは中国の不動産バブル崩壊か!?といった報道を一斉にすると思います。今は中国も歴史的な厳冬によりセメントが凍ってしまう事から、住宅建設も止まってます。春以降、中国全土に安い公共住宅を普及させる結果、1件当たりの取得価格は下がります。決して値下がりで価格が下がっている訳では無いにも関らず、それを捉えてバブル崩壊と騒ぐのです。逆に、住宅を取得したら同時に車も家電も購入し、カーテンもカーペットも買い換えます。相乗効果により消費は加速するのです。惑わされてはいけません・・・。
単純な、統計、指標、報道を鵜呑みにすることの無い様に、『森を見ずして木を見る目』で100年に一度のチャンスをビジネスもプライベートでも活かして頂きたいと思います。
万年強気の皮膚病患者につける薬はありませんか?