卓話時間
第1697例会
2016年02月15日 (月曜日)
- タイトル :
- ゲスト卓話
「バスケットから学んだリーダーシップ論」
- 卓話者 :
- 広島ドラゴンフライズ ヘッドコーチ 佐古賢一氏
出身は岩国で、6歳まで過ごしましたので、自分と広島の接点についてお話します。
本日のテーマは「バスケットから学んだリーダーシップ」ですが、リーダーシップは何なのか答えはありません。
私は兄弟3人の長男ですが、祖母に4年間育てられた故、両親に認めてもらいたい、嫌われたくない、そういった事から人一倍負けず嫌いでした。
小学校時代は学業も優秀で、中学も一番良い学校を受験しましたが、初めての挫折を味わいました。本番に弱い自分と、親の期待に添えられなかったことが残念でした。
挫折を味わい、親に反発して、中学の3年間は、学業も手につかずスポーツも中途半端でした。
救われたのは、神奈川でも有数なバスケトの強い学校の先輩から誘われたことでした。しかし、1年生の終わりにトラブルを起こして、バスケットを諦めかけた時、バスケットの道にひき戻していただいたのが、今でも交流がある中学の時の顧問でした。
熱いパワーのある先生が、自分の事を一生懸命見てくれて、バスケットに戻って来い、人間何か一つ一生懸命になれるものを見つけないといけない、その為の学校だと教わり、またバスケットに戻ることになりました。
これが人生最初の分岐点でした。現在、様々な所で講演をしていますが、人と言うのは何かのきっかけで変わるタイミングがある、そのタイミングに自分で気が付かないと変われないし、人を大切にしないとタイミングを逃してしまうと、いろんなところで伝えています。
バスケットを続けていたから高校に行くチャンスもあり、また高校で日本一になるチャンスをいただきました。そして今、自分がリーダーシップとは何なのか心がけていることは、人を大切にして責任を全うすることが、リーダーシップの一つだと思います。
広島ドラゴンフライズと言う新しいチームの初代の監督として迎えられ、現役時代は2つのチームを渡り歩き、その中で日本一を22回経験しました。二十歳のころから日本代表に入り、5回のオリンピック予選を経験したことから、今の広島ドラゴンフライズの若い選手に伝えていることは、まず戦うという責任を自分で理解しなさいと言うことです。
戦うという責任は、どういうとことなのか、支えてくれている人の為に、逃げずに戦うこと。今のドラゴンフライズの選手たちにいつも言っていることは「知っている事とできる事は全く違う」毎日同じ練習して、自分が知っている事を出来るようにする為に努力をし続けていく事、これもまた一つの責任です。
広島に高校時代の親友がいました。3年間同じ釜の飯を食べ、初めての日本一を同じコートに立っていた仲間が、高校卒業する時に言いました。「お前と出会った事が幸なのか不幸なのかわからない、俺は日本代表の選手を目指す為にわざわざ広島から福井県まで来た。だけど俺はこの先10年20年やってもお前を抜けないだろう、俺は高校卒業したら大学に行く道ももちろんあるが、将来アメリカでバスケットを勉強して日本に帰り、その時日本代表の監督になって選手の一人としてお前を使う」と、しかし彼は夢半ばで、病気で亡くなりました。その時に自分に声をかけてくれたのが彼の兄でした。
今の広島ドラゴンフライズのメンバーを、何かを成し遂げるために決断ができる人間として育てています。
私が思うリーダーシップ論と言うものが正しいか間違っているかわかりませんが、バスケットをやりながらリーダーシップをとるというのは、人が僕を育ててくれたから、僕も育てます。今ドラゴンフライズは育成の時期です。必ず結果を出すことが私の責任です。 本日、皆様との出会いを導いてくれた事を感謝し、広島でバスケットを認知してもらう為にも、ぜひ皆さんのお力をお貸していただきたいと思っております。皆さまご清聴ありがとうございました。