卓話時間
第1543例会
2012年05月28日 (月曜日)
- タイトル :
- 新会員卓話「白磁の人」
- 卓話者 :
- 姜 慧 君
① 私の自己紹介という事も考えましたが、ちょうど時期的に来月6月9日より東宝系列で上映されます白磁の人という映画のご紹介をしたいと思います。今では朝鮮白磁は非常にポピュラーになっておりますが、実はそれを「素晴らしい芸術品だ」と認めてくださったのは、今から100年前に実在した日本の方です。この方は韓国では非常に有名な人物で、韓国の教科書にも掲載されております。
淺川巧さんは100年前に生まれ、当時、朝鮮半島が植民地時代、朝鮮総督府で植林という課におられ、42歳で亡くなるまで、朝鮮の山々に木を埋める仕事をされておりました。亡くなった後も、多くの朝鮮の方から支持され、今もなお、淺川巧さんのお墓は韓国の地にあります。その墓碑に書いてある言葉には、「朝鮮の山と人間を愛し 韓国人の心の中に生きた日本人 ここに韓国の土となる」と、書かれております。
日本での民芸運動の中心となっていた柳宗悦と、淺川巧兄弟の支援のもと創立された朝鮮民族美術館が基となり、今は韓国中央美術館という名に変わり、韓国を代表する美術館にとなっております。
現在、様々な“韓流”という言葉もありますが、あの苦しい時代に、朝鮮白磁というもの、そして、朝鮮民族の心の支えとなり、民族の誇りを取り戻してくれた淺川巧兄弟をVTR で紹介します。
② VTR
③ 1934年 日本の旧制中学校の教科書に抜粋されている淺川巧さんに関する一文をご紹介致します。
「巧さんは官位にも学歴にも強制にも富貴にもよることなく、その人間の力だけで堂々と生き抜いていった。こういう人は良い人というばかりではなく、偉い人である。
こういう人の存在は人間の生活を頼もしくもする。こういう人の喪失は、朝鮮のために大きくなる喪失である事は言うまでもないが、私はさらにこれを、大きく“人間の喪失だ”ということを躊躇しない。人類にとって、人間の道を正しく勇敢に歩んだ人の喪失ぐらい大きな損失はないからである。」こういった日本の素晴らしい方々は、まだまだいらっしゃいます。
美術、芸術、描いたりすることが下手なため、何もできませんが、これらの歴史を通して、人間の真髄を学ぶことが、私はとても好きです。
最後に東宝からお借りしている映画の予告編を流したいと思います。
④ No.2 VTR
⑤ お時間をいただきまして、ありがとうございました。
私の新会員卓話を終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございました。