卓話時間

第1747例会
2017年04月17日 (月曜日) 12:30
広島原爆障害対策協議会 平松恵一会長(RC会員)
同協議会健康管理・増進センター 藤原佐枝子所長(RC会員)
広島市医師会臨床検査センター  谷敷圭美センター長
第1746例会
2017年04月10日 (月曜日) 12:30
アメリカンドリーム代表 吉川浩司氏
第1745例会
2017年04月03日 (月曜日) 12:30
脚本家 鴨 義信氏

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第1419例会

2009年06月08日 (月曜日)

タイトル :
新会員卓話
「運動は体に良いか悪いか・トップアスリートの光と影」
卓話者 :
村上恒二君

村上恒二君

 プロ野球選手は、天賦の才はもちろんであるが、激しいトレーニングを積んで素晴らしい肉体を作り、そのプレーにより人々に感動と夢を与えている。しかしながら、肉体を強化したがゆえの「影の部分」が必ず見られる。プロ野球選手の手術症例から「陰の部分」にフォーカスをあてて述べてみたい。
1. パワーを必要とする運動をしていると骨が大きくなる。骨が大きくなると関節の中で
周りと激しく衝突して骨折を引き起こす。
 投球動作のボールリリース後においては、肘は伸展位となって投球動作を終えるため関節の中で上腕骨側と尺骨側が強く接触する。この動作をより効率的に行うために、生体は「機能的適応」として尺骨肘頭のまわりなどに新たな骨を作り面積を大きくして対応している。この大きくなった部分は、繰り返される衝突によりやがては部分的に骨折することとなり、痛みのために十分な投球動作ができなくなる。投手として再生のためには手術が必要となる。
2.筋肉を大きくしないとパワーを出せない。筋肉が大きくなると周りの血管や神経が圧迫される。
 投球動作は肘の伸展動作であり、上腕三頭筋の強化を必要とする。強化により肥大した上腕三頭筋内側頭などにより尺骨神経が圧迫と絞扼を受け、痺れや痛みを引き起こして手術が必要となる。
 投手の肩では、肥大した小胸筋と胸郭の間で腋窩動脈が圧迫と伸展の外力を受け、動脈壁が損傷されて血栓による閉塞のため投手生命を奪われる一大事となる。 また、投手の示指、中指では指尖部にいわゆる「血まめ(皮膚潰瘍)」を作り投球動作の妨げとなる。原因は、ボールリリース時に示指、中指を強く過伸展するため靭帯により動脈が圧迫されることによる。また、投球時に指の付け根を曲げる手掌部の小さな筋肉が肥大したことにより動脈が圧迫される。
3.あまりにパワーが強いためバットからの衝撃により骨が折れる。
 手関節には、小指側に有鉤骨という骨があり、この骨から鉤状突起という小さな骨が手のひら側に突き出している。この鉤状突起は、バッティングで空振りやファウルチップをするとグリップエンドからの強い衝撃により骨折を起こす。厄介なことに、この骨折は骨折部がたとえ癒合しても再び骨折することが多いいため、骨折した骨を摘出して早期にプレーへの復帰を図っている。
4. 関節には繰り返して強い力と伸長力がかかる。ついには、関節の靭帯は引き伸ばされるか断裂する。
 肘内側の靭帯あるいは肩関節周囲の靭帯や腱板は、繰り返される投球時の牽引力により断裂や伸長を引き起こし、いわゆる「ゆるい肘」あるいは「ゆるい肩」となり、不安定となる。肘では靭帯を移植する手術により投球が可能となるが、肩では複雑な構造のため復帰は難しい。
まとめ
運動は体に良いか悪いかといえば、「過度の運動は体に悪い。されど無事これ名馬なり」と結論づけることができる。過去には「故障しない大選手」がいたことも事実であり、まさに名馬にはそれなりの秘密があるに違いない。


Posted by 事務局 at 12時30分

2016-2017年度

本日の広島中央RCの予定

2017 6/30Friday

12:30 PM
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18:00 PM
次年度理事役員会
18:30 PM
新旧理事役員引継会

これからの広島中央RCの予定

今月の予定更新中!!
予定更新までもうしばらくお待ちください。

今月の予定と例会変更

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