卓話時間

第1747例会
2017年04月17日 (月曜日) 12:30
広島原爆障害対策協議会 平松恵一会長(RC会員)
同協議会健康管理・増進センター 藤原佐枝子所長(RC会員)
広島市医師会臨床検査センター  谷敷圭美センター長
第1746例会
2017年04月10日 (月曜日) 12:30
アメリカンドリーム代表 吉川浩司氏
第1745例会
2017年04月03日 (月曜日) 12:30
脚本家 鴨 義信氏

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第1418例会

2009年06月03日 (水曜日)

タイトル :
広島県方式「みんなで子育て応援」にかける思い
卓話者 :
広島県健康福祉局 総務管理部 
こども家庭課 課長 棚多里美 氏

棚多里美 氏

みんなで子育て応援とは,今,子育て中のパパママに、みんなのまなざしがやさしくなった,町のあちこちに子育てにやさしいちょっとした配慮があってうれしいね、町に出かけようという気持ちになる、社会全体で子育てを応援してもらっている、子育てが楽しくなったと実感してもらい、次代の子どもたちも自分よりも幼い子どもと接することにより、楽しそうに子育てしているパパママを間近で見て、自分達も大人になったら家庭を持ちたい、子どもを持ちたいと思う、そして子育てするなら広島県でと願う・・・そんな広島県をめざした取組みです。企業やまちのお店のみなさん,NPOや地域のみなさんと一緒に,社会全体で子育てを応援する機運醸成や、親子で出かけやすい環境づくり、その地域に合った地域ぐるみの子育て応援に取組むことにより、メッセージをキチンと届けることができ、実感していただけるものと考えています。
児童相談所時代に痛感したこと
どうしてそのように考えているのか、少しお話したいと思います。私は若い頃,まだ昭和の時代に児童相談所でケースワーカーとして7年間、子どものことならなんでも相談を受けていました。その頃はシンナー吸引や夜になると八丁左回りといって暴走族として八丁堀を左回りにバイクで走らせる時だけが生きていることを実感できるという子どもたち、校内暴力で学校では手が付けられないのに親の前ではいい子、不登校で親子ともどもどうしていいかわからない・・・こんな相談が多くありました。平成17・18年とふたたび児童相談所(こども家庭センター)に異動したわけですが、すっかり様変わりしていました。児童虐待相談がメインとなっており、24時間対応で子どもの身の安全に不安がある場合は夜中であろうと出かけて行って48時間以内に子どもの安全確認を行っていました。母親一人で子育てを密室状態の中で手探りで行っている,相談相手もいない、親自身のストレスやイライラを子どもに向けている。そんな子育て環境となっていました。  
かつて、児童相談所の初心者だった頃、非行でどうしようもなく施設入所しかなかったケースで、中学校の生徒指導のベテランの先生に「絶対お父ちゃんはでてきませんから、逃げまくってますから。」と言われていたおとうちゃんがすんなり施設入所の判を押すといったことがたびたびあり,「どんな魔法を使ったんですか?」と聞かれ、「よく頑張ってこられましたねとねぎらい、困っていることはないですかと尋ね、一緒に考えていきましょうと話しただけです。」とよく答えたものです。実は子どもが問題を起こしたときも子育てに悩んでいる親と接するときも同じで、親を責めても何も生まれない、手助けすることが大切だと思っています。
思春期の頃の非行の子どもだと「この子のことを赤ん坊の頃から知っていて○○ちゃんと呼んでくれるおじちゃんおばちゃんはいませんかと尋ねます。そしてこの子のことを少しでも気にかけてくれる人を探して増やして、どうしたらいいかを考えます。立ち止まったり暴走したりしている子どもとその家族,そしてそのまわりを取り巻く大人たちと一緒になって悩み、苦しみ、行動することによって,必ず子どもは立ち直っていきます。
そうした中で痛感したことは,人は抱っこされたり,褒められたり、叱られたりといった,人との関わりの中で育っていくということで、そんな世の中にしたかったのです。

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待ったなしの少子化対策
 私にはもうすぐ30歳の息子と27歳、25歳の娘がいます。私は昭和30年生まれですから、男性と付き合うイクオール結婚、結婚すると子どもを産む,それが当たり前のように思っていました。けれど30年の間に随分変わってきました。
若者が結婚しない、子どもを産まないという現実が厳然としてあります。一人の女性が一生の間に産む子どもの数の平均である合計特殊出生率は,昭和50年は2.05(広島県数値)でした。ちょうど私が20歳のころです。それが私が50歳となった平成17年は1.34に下がってます。それもそのはず,昭和50年は平均初婚年齢が男27歳、女25歳、生涯未婚率は男性2%,女性4%でしたが、平成17年は平均初婚年齢が男性30歳,女性28歳、生涯未婚率は男性16%、女性7%となっています。晩婚化と非婚化が急速に進んでいます。そして昔も今も独身男女の9割は結婚意思を持っており、2人以上の子どもを持ちたいと思っているにもかかわらず、結婚しない、そしてかつては結婚すれば夫婦間で2人以上の子どもが生まれていましたが、今は2人を切る状態で理想と現実との乖離が生じています。
要因として、一つ目は15~24歳までの約半数が非正規という若者の非正規雇用の増加により、25~34歳までの男性の8割が年収400万以下ですが、女性の7割が年収400万以上を望んでいるため結婚できないことです。二つ目は依然として女性の7割が出産を機に退職しており、女性の就業継続が困難な現状にあることです。三つ目は子育て世代の男性4人に1人が週60時間の長時間労働しているため、家事・育児時間が諸外国に比べて際立って少ないことです。四つ目はこうした中で母親の子育ての孤立化と負担感が増加し、育児不安が高まっていることです。特に,母親が24時間子どもと二人だけで過ごす中で,相談相手もいない、困ったときに子どもを預けられる人もいない,社会全体が子育てに無関心・冷たいと感じ,ストレスをためているといった状況にあります。
このままの状態が続いて手立てを加えなければ広島県の30年後の姿は,おおよそbb現在の福山市の人口である48万人が減少し、人口構成のバランスが極端に悪くなります。3人に1人が65歳以上となり、10人に1人しか子ども(0~14歳)がいない、子どもの姿をみることがまれになります。そんな広島県にしてはならないと思うわけです。
「広島県方式・みんなで子育て応援」って?
広島県方式として,6つの経済団体で構成する「こども未来づくり・ひろしま応援隊」を中心に、(財)ひろしまこども夢財団と広島県が一体となって、企業が主体的に進める子育て応援に取り組んでいます。
「安心して子育てができるまち、企業との協働による取組み」として、子育て中の親子がまちに出かけやすい環境づくりとして、県内2,787店舗で子育てにやさしいサービスを提供する「子育て応援イクちゃんサービス」を行っています。ミルク用お湯の提供,キッズコーナー、託児つきの料理教室、子育てタクシー、自社製品にイクちゃんマークなど。子育て中のパパママがこんなサービスがあったらいいなというサービスをカタチにする、ちょっとしたうれしいサービスですので、知恵と工夫でなんでもありのわがまちの子育て応援です。イクちゃん企業・店舗の登録も募集していますので、よろしくお願いします。それから、お祭りやイベント時に「イクちゃんベビールーム」として授乳やオムツ替えのできるスペースを設置しています。
地域に合った子育て応援を、NPOや企業、行政、子育て当事者など、さまざまな主体が協働で行う「子育てするならわがまちで!」の取組を進めています。たとえば、事例(1)広島では商店街と子育て中のパパママによるお出かけ隊が一緒になって商店   
街の子どもと子育てにやさしいところを点検し,マップをつくることにより気付きや再発見あり、そして提案し一緒に貸し出しベビーカーの商店街への設置などを実現
事例(2)合併市である尾道で,御調⇒因島⇒尾道とリレーで地域に合ったイベントを開催し,最後は合流版で「子育てするならおのみちYO」
事例(3)世羅のまちでは「世羅町で楽しい子育てを考える会」を発足させ,世羅中の親子が参加して楽しむ手作りのイベント・大型マップづくり、こちらのマップは○○にいつごろ行けばホタルが見れるよといったわがまち再発見バージョン
今後とも子育て応援の輪を県内全域に広げたいと思っています。
「生命・家庭を大切にするまち」として、小学生が夏休みに5日間朝ごはんを作って応募する「つくってみようよ!自分の朝ごはん」は、3年前から行っており昨年度は187名の参加がありました。食品会社と協働で実施していますが、家族ぐるみで子どものごはんづくりをハラハラドキドキしながら応援し、感動の5日間が応募作品の中から伝わってきます。昨年度は夢財団が作った「早寝 早起 朝ごはん」の歌にふりつけを募集し、最優秀作品をDVDに作成して保育所や幼稚園に配布したところです。
「必要な情報がいつでも確実に届くまち」として、パパママがいつでも持っている携帯に情報を届ける「Kids情報送信サービス」を行っています。全国に先駆けて平成14年から始めたわけですが、通常情報は取りに行かないと得られませんが、これはセレクトした情報をこちらから携帯に送信するもので、最近では新型インフルの感染予防、保育所の園庭開放、イベント・講座情報、そしてありがたがられるのが不審者情報です。現在会員数が2万1千人でアンケート機能もありますので、子育て中のパパママからの意見を吸い上げながら、本当に必要とされる取組みを行っています。
そして、子どもの急な発熱にあわてなくてすむように、こんな症状だと朝まで様子を見て大丈夫、こんな症状だとすぐに病院に、電話で相談したいときはこちらに、救急病院はこちらですと携帯で導く「パパママ応援おうちの看護」を、パパママの意見を聞きながら県医師会と協働で提供しています。
今年1月23日・24日、「みんなで子育て応援フォーラム」を開催し、子育て中のパパママ、NPO、企業、地域、マスコミ、医療関係者などさまざまな主体が、それぞれの持ち味を発揮して、お互いを尊重しながら協働で取組めるよう、行政がコーディネートする「広島県方式・みんなで子育て応援」のさまざまなカタチを全国に発信しました。
ぜひ、ご一緒に子育て応援を
子どもの声が街のあちこちにあふれている社会が活気のあるまちだと思いますし、私達は子どもと接する時、笑顔になります。30年後、3人に1人が65歳以上、10人に1人しか子どもがいない、子どもの声どころか子どもの姿をみることもめったにない社会にしてはならないと思っています。だからこそ、みなさんとご一緒に子育て応援ができればと願っています。お声をかけていただければすぐにお伺いいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

Posted by 事務局 at 12時30分

2016-2017年度

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2017 6/30Friday

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