卓話時間

第1747例会
2017年04月17日 (月曜日) 12:30
広島原爆障害対策協議会 平松恵一会長(RC会員)
同協議会健康管理・増進センター 藤原佐枝子所長(RC会員)
広島市医師会臨床検査センター  谷敷圭美センター長
第1746例会
2017年04月10日 (月曜日) 12:30
アメリカンドリーム代表 吉川浩司氏
第1745例会
2017年04月03日 (月曜日) 12:30
脚本家 鴨 義信氏

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第1235例会

2005年02月14日 (月曜日)

タイトル :
血液サラサラ」の話
卓話者 :
会員卓話 藤村 欣吾君

日本人の3大死因はがん、脳卒中、心臓病で、このうち脳卒中と心臓病は血管病変すなわち、血管の動脈硬化が原因で発症します。
動脈硬化病変部を基盤とした血管の閉鎖によるいわゆる血栓症、例えば心筋梗塞、脳梗塞、或いは動脈硬化病変部からの小さな血栓が剥離し末梢血管へ遊出し、これら血管の支配領域の虚血による組織障害を引き起こし、例えば脳塞栓を発症することになります。
動脈硬化による血栓症は全身性に起こる可能性があり、例えば心筋梗塞を起こした患者さんでは脳梗塞を起こす頻度は正常人に比べ3~4倍高く、逆に脳梗塞を起こした人では心筋梗塞の発症頻度は2~3倍高く、末梢血管動脈の閉塞症の人では心血管障害や脳血管障害の発症がそれぞれ4倍、或いは2~3倍高いといわれています。また心筋梗塞を起こした人や脳卒中を起こしたことのある人の平均余命は健常人に比し9~12年短いと報告されています。このような疫学的解析結果は日本人の死因に血管障害が上位を占めていることが容易に理解できるでしょう。
これら血栓の形成に重要な働きをする細胞が血小板で、この細胞の機能が損なわれた状態では血液が固まりにくく、出血を起こしやすくなります。血小板は最も小さな細胞で赤血球の半分から3分の1、白血球の4分の1から5分の1の大きさであるためにいつも血管の中ではこれら大きな細胞に弾き飛ばされ血管の壁に追いやられて流れています。実はこのことが私たちが日常容易に出血起こさないで生活を送ることができている訳です。すなわち血小板は血管の壁を覆うようにして流れているためにいつ血管壁の細胞が障害を受けてもすぐその部位を塞ぎ出血が増悪することを防いでおり、健康な生活を送ることが可能となっています。しかしこれが逆に動脈硬化部位の血栓症発症、或いは塞栓の主役ともなり一躍文明国では標的とされるようになってきました。
すなわち心筋梗塞や脳梗塞を発症した人、或いはこれらの予備軍である強い動脈硬化を有する人、またこれらを起こす危険因子を有する人(例えば糖尿病、高血圧)に対して、血栓症の再発予防や発症予防が質の高い日常生活を約束するための重要な課題となります。この中心として血小板機能抑制療法(抗血小板療法)が、いわゆる「血液サラサラ」にする一つの治療法として日常的になっています。血小板の止血機能を抑え血栓を出来にくくし、滞りなく血液を流すことを目的とした治療法ということになります。動脈硬化による血管障害が常に死因のトップグループを占める欧米ではこの治療法はすでに20数年前から試行錯誤を繰り返しながら行われ、長期間の臨床経過を踏まえた臨床データが蓄積されています。
実際の大規模な臨床研究によると血小板の機能を抑えるお薬(血液をサラサラにする薬)の服用により脳、心血管のイベントのリスクが約30%減少したと報告されています。またこのようなお薬の長期の服用により今まで血栓症を起こしたことのない人の血栓症発症リスク(1次予防)、およびすでに心筋梗塞など血栓症を発症した人が再発するリスク(2次予防)は同様に20~30%減少するとされています。血小板の機能を抑えるお薬にはいくつかの種類がありますが、この中で代表的な薬は100年以上の歴史を持つアスピリンです。鎮痛、解熱薬として現在ではスーパーでも手に入る薬剤ですが、この薬が血小板機能を抑えることがわかり抗血小板薬として使用され始めたのは20数年前です。現在もなおその安全性と的確な作用により「血液サラサラ」薬の中心的役割を担っています。しかし逆に出血を起こしやすくなることも事実で、出血時間は確実に延長します。従ってこのような血液サラサラ薬を使用しておられる方は、皮下出血(紫斑)や鼻血など出血しやすくなります。この様な場合や、抜歯など外科的処置時には主治医にご相談いただくか、服用しているお薬をあらかじめ主治医にお知らせください。
一方薬に頼るのみでは脳、心血管イベントの予防には限界があることも判ってきました。これら「血液サラサラ」薬物療法に加え高血圧、肥満、高血糖、高脂血症、といったいわゆる「死の四重奏」に対する管理、予防をあわせ行うことが血液サラサラ療法の効果をさらに高めることが長期の疫学的研究で示されました。これら「死の四重奏」を構成する危険因子が3つ以上存在すると危険因子を持たない人に比べ心臓病の発症リスクが31倍も高いとするデーターがあります。従ってたちまちこれら4つの危険因子に対する対策が必要で本邦では一次健診で4つの危険因子を抱えていることが明らかになった方に対しては労災保険による2次健診給付が受けられ、健診で明らかになった異常に対する日常生活の改善策など個別の対応を受けることが可能になっています。このように国を挙げて血管障害による日常生活の質の低下を防ぐ努力がなされています。我々もこれに鑑み心当たりのある方もない方も自分の将来を考え日常生活の見直しを行っていただきたいと思います。色々と注意点はありますが今回は自分でしか出来ない肥満度に注目しましょう。以下の計算式で御自分の肥満度(BMI)を計算し普通体重になるように目標を立てていただければと思います。そのためには標準体重をまず目指してください。目標の達成ができたらニコニコへーーー。
標準体重=身長(m)2×22
肥満度(肥満指数)(Body Mass Index, BMI といいます)
BMI=体重(kg)÷身長(m)2  
BMI:18.5~25  
普通体重――目標としましょう。
25~30 肥満 1度 30~35 肥満 2度
35~40 肥満 3度 40~  肥満 4度

Posted by 事務局 at 12時30分

2016-2017年度

本日の広島中央RCの予定

2017 6/30Friday

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予定更新までもうしばらくお待ちください。

今月の予定と例会変更

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