卓話時間

第1747例会
2017年04月17日 (月曜日) 12:30
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同協議会健康管理・増進センター 藤原佐枝子所長(RC会員)
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2017年04月10日 (月曜日) 12:30
アメリカンドリーム代表 吉川浩司氏
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2017年04月03日 (月曜日) 12:30
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第1467例会

2010年08月09日 (月曜日)

タイトル :
新会員卓話「印刷業と私」
卓話者 :
田河内秀子君

田河内秀子君

私は30歳のとき、それまで勤めていた日赤病院を辞め、主人が起業した印刷という仕事を手伝い始め、以後もうかれこれ30年間印刷業を続けています。
30年前の印刷の仕事というのは、丁度活版からオフセット印刷への移行期で名刺は活版でチラシはオフセットで印刷するという時代でした。寅さんの映画の中でいつも「労働者諸君!」と呼ばれるのは印刷工で、そこのたこ社長はいつもお金がないってグチっていました。同じく30年位前の映画で、松本清張の「鬼畜」という映画の中で、岩下志摩と緒方拳の夫婦が、夫と愛人の間にできた3人の子供を虐待するという、普通の人が状況によって悪魔のようになるという怖い映画だったのですが、最近のニュースはもっと悲惨で悲しいことばかりです。その夫婦の仕事がなんと小さな印刷工場です。印刷の町工場って、暗くて、貧しくて、いつもカッチャンカチャンと音がしていてというイメージが出来上がっていて、映画の中でよく使われています。
これも根拠があって、印刷産業の事業所数は全製造業の中で4番目の規模で、製造業としては結構数の多い産業になりです。街中で割と皆さんの目に触れて、イメージしやすい職業だから良く映画に使われるのではないかと思います。ちなみに印刷及び印刷関連業の出荷額は昨年は約7兆円で、その98.6%は従業員100人未満の中小企業です。残り1.4%の100人以上の企業が出荷額の44.3%のシェアを占めています。またほぼ半数の事業所が3人以下の規模となっています。
ここで少し印刷の歴史をひもときますと、印刷は紀元前4000頃から現在に至る6000年の歴史があります。今回ネットでいろいろ調べてまとめてみました。詳細は別表をご覧ください。今年は電子書籍元年と言われ、2015年には教科書を電子書籍にするという総務省のビジョンがあります。これも急に出てきた話のような気がしていましたが、もう1990年ごろから準備がされていて、2001年にはe-Japan戦略が、2005年にu-Japan戦略と、政府主導で取り組みがされてきています。いつでもだれでもネットにつながる社会になることを目指して、来年7月地デジがはじまると通信に使える電波が一挙に増えるということで、世の中が大きく変動するのではないかと思います。
以前から、印刷業は製造業ではなく情報サービス業としてという位置づけで、物事を考えていきなさいというふうに、全国印刷組合のトップの人は言っておられたのですが、本気で取り組まないと、今まで活版屋がなくなり、製版屋がなくなり、今はオフセットの印刷屋も淘汰されるというように、なっていくのではないかと思います。
次に我が社の取り組みですが、お手元の表の右側が我が社の歴史になっています。丁度活版印刷からオフセット印刷が一般的になる頃に創業し、会社設立の頃にはマイクロソフト社やアップル社が出来て、版下をタイプや写植機でなくパソコンで作るという流れの中で仕事をしてきたわけでス。
我が社は、一般にパソコンが出回る15年くらい前から、パソコンでの版下に移行してきて、1990年に完成しました。2000年に高性能のカラーコピー機を導入して、校正に使うだけではなくて、小部数の印刷物はカラーコピー機を使い作るようになりました。昨年はもう一台より高性能のカラーコピー機を入れて、オフセット印刷と比べても遜色ないものがプリントできるようになりました。オンデマンド印刷という呼び方で、皆さんも良く聞かれることと思います。設備としては、我が社としては、時代の変化に遅れないようにいろいろな取り組みをしてきて、何とか生き残ってきたのではないかと思います。
しかしだれでも印刷屋になれる時代に、我が社はどうして行くのかというのが、大きな課題です。今年電子書籍元年と言うことで、その中でどうやっていくのかも課題です。でも人間の5感は、画面の中で文字を読むだけでは絶対満足しないと思います。情報をとりに行くのは絶対インターネットが有利ですが、小説を読んだり、絵画や写真は絶対紙のものですし、視覚、触覚、臭覚とか5感を刺激する印刷物つくりが必要とされるのではないかと思っています。著作権の問題がありますが、これからは紙に印刷したものをネットでも見られる、携帯でも見られるという状態にしていくことが大事だと思います。
30年間の中で、20年は印刷の中のいろいろな業務をこなしてきて、どんな印刷物でもどうやって作るかとか、どうやって見積もりをするかとか、自分のところで出来なかったらどこに頼むといいかとか、いろいろ経験をつんできて、ひととおりの事はわかるようになってきました。あとの10年は主人のリリーフで会社経営をしているのですが、そのお陰でこのようにロータリーに入れていただくという名誉もいただけているので、主人に感謝しないといけないなあと最近つくづく思っています。この会社経営をするというのが、本当に勉強になります。主人の下で専務をしていた時と比べるとまるで責任の度合いが違いますし、やりがいも違います。資金繰りを心配しなように仕事をするにはどうすればいいかとか、売り上げを上げるにはどうすればいいかとか、社員さんに喜んで働いて頂き、そのもてる能力を発揮してもらうにはどうしたらいいかとか、考える事がたくさんあって、社長業は、やってみようと思ったことはすぐできて、結果もすぐでるので面白いなあと思います。看護師をしていた時と比べると、失敗しても人の命に関わらないので、気が楽ですし。だから、新入社員が失敗しても、イノチに関わる仕事じゃないから、少々の失敗は大丈夫、大丈夫 と言っています。この広島中央ロータリーにはたくさんのお医者さんがいらっしゃいますが、ほんとうに大変なお仕事をされていると思います。
しかし看護師の経験があったお陰で、介護保険制度が出来たときケアマネジャーの資格をとり、その中から介護事業所向けの商品開発をし、丁度時代的にインターネット環境があったので、通販で売ることができて、我が社の場合は受注産業プラス、情報サービス業として会社のあり方を変えていくことが出来ました。本当にラッキーだったと思います。
さて、あと4年で65歳ですので、息子に事業承継をする予定です。その息子が再来月やっと結婚してくれるので、まず一安心です。今年の夢を書くときに「息子の結婚」と書いたのですが、書いておいてよかったと思います。夢は書くと実現するっていいますので、今度は自分の65歳からの夢をどう書こうかと思案しています。もうちょっと時間がありますので、しっかり考えてみようと思います。
以上で、私の卓話を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

Posted by 事務局 at 12時30分

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