卓話時間
第1385例会
2008年08月11日 (月曜日)
- タイトル :
- ゲスト卓話
「多角的な観光農園経営によって周年集客を目指す実践」
- 卓話者 :
- (有)平田観光農園代表取締役会長(三次RC所属)
平田克明(ヒラタカツカキ)氏
ブログラム委員会福田委員長の紹介で、三次にある平田観光農園から代表取締役会長 平田克明氏がゲスト卓話者として新しい農業を経営者の立場でお話し頂いた。平田氏は三次RCの会長経験者で、三次を中心とする備北地区の観光スポットの中心人物。現在25ポイントある観光施設を50ポイントまで増やすのが目標という。
1. 自己紹介
私は24年前、44歳で公務員を中途退職してUターンで就職した。農業経営は初めての経験であり、台風による果実の落果、降雪によるブドウ棚の崩壊など、何度か辛酸を経験した。
集落の人々や家族の心温まる支援のお陰で難しい局面を乗り越えることが出来た。私自身の日常生活は、豊かな自然に囲まれ、四季の美しい景観は目を楽しませてくれ、野鳥の鳴く声で目覚め、澄みわたる夜空の星を眺めるなど、私の心を癒すものは充分すぎるほどある。
とりわけ、至福を感じるのは、自家栽培の有機、無農薬野菜をふんだんに食べられることである。それ以外にも、日々の果樹の生育を観察しながらの農作業は、子育て同様の悦びに溢れている。
2. 観光農園を始めた動機
私は、23年間ブドウの研究に従事して、
1)長野県の3000haの巨峰産地の育成 2)世界で始めてのストレプトマイシンによる「種なしブドウ」生産技術の確立 3)三次ピオーネ産地育成を発端とした、全国ピオーネ栽培の普及など、日本のブドウ産業発展に貢献したと自負している。
1984年に私の故郷にある10haのブドウ園が解散になり、私が継承することになった。
3. 平田観光農園の経営理念
農業経営を始めるに当たり、次の点に配慮した取組みを行った。
1) 利益が確保できる
2) 技術革新による所得向上
3) 環境に配慮した農業
4) 若者に魅力ある農業
5) 農村に賑わいをつくる
6) 果物のテーマパークつくり
7) 担い手の道場づくり
8) 地域活性化の先導役を担う
4. 地域及び施設の連携
就農当時の備北の観光施設は、県立歴史民族資料館のみであった。その後「広島三次ワイナリー」を皮切りに、逐次観光施設が増え、入込観光客も、当時の380万人から現在は約1500万人と約4倍となった。
世羅台地のフラワービレッジ、温泉施設、備北丘陵公園、奥田天宗、小由女美術館等の連携が魅力向上に繋がった結果である。
5. 日本農業再生の力になりたい
日本の食料自給率は39%である。先進国で自給できない国は、日本のみである。異常気象、人口増加、発展途上国の経済発展、穀物のエタノール生産等で、輸入が難しい状況になってきた。
しかし、農村は高齢化や耕作放棄地の増加等で、食料生産能力は年々急減している。
最近の農業経営は、大型機械やパソコンが駆使できる若者でないと出来ない。私の農園では年間約50名の研修生を受け入れ、これまでに約20名の就農した若者を輩出している。
6. 私が描く農村社会
整備された山があり、その裾野の里山に和牛が放牧され、野菜畑や田園が続く昔の農村風景は、日本の文化であり、持続可能な循環型社会の理想的な姿でもある。費用対効果のみを優先させる社会から、人間尊重の社会の創造が必要である。
7. 農村は子育て揺籃の地
自然豊かな環境で、多様な生物と共存し、三世代が共に生活する中で、命の大切さや弱者に対する慈しみの心が醸成される。また、苛酷な環境や、苦しさに耐える、不屈の精神も涵養される。特に幼少期の子育ては、田舎が最適と考えている。
8. 私の経営哲学
1) 神からの最高のプレゼントは・・失敗
2) 為せば成る 成らざるは・・為さざるなり
3) 私の宝は・・・・人材(師・友人・知人)
4) 成功の最短の道は・・・・捨てること
5) 人生の目的は・・・・幸せになること
9. 21世紀は食料・農業・農村の時代