卓話時間

　私がロータリークラブに入会したのは五年余り前のことです。その時、うちのクラブ(東南RC)はもちろん、在広ロータリークラブのどのクラブにも女性会員がいませんでしたので、相当話題になったと聞いています。つまり「ロータリークラブに女が入る」というようなことですね。その意味では、先駆者と言えるんでしょうが、女性が私一人だからといって、別段心細いことはなかったですね。なんていいますか　私自身の性格が男勝り、上手く言えば些細なことに頓着しない、そういう性格なんです。男性ばかりの会合でも平気ですし、男女を殊更意識することなく付き合っていけるんです
　私は高知の土佐高校の出身です。同高校は、もともと男子高校だけあって圧倒的に男性が多いんですね。クラス六十人のうち、五十人は男性だったと思います。それから大学は医学部に進みますが、ここも男性の比率が高いところでした。ですから、周囲を見渡せば男性ばかり、そういう環境に馴染んできたこともあって、男性に対する違和感が最初から薄いのです。それより、ロータリーに女が入ってくるというので、男性の方々が意識していたのではないでしょうか。クラブに女性が入ってくるが、どのように付き合っていけばいいのか‥、期待と恐怖を抱いて見守っておられたんじゃないでしょうか。ところが、入ってきたのが私。実にサバサバした性格と物言いで、どちらかというと男性的。お酒を飲むことにかけても男性と伍してひけをとらない、ある意味、安心もし、がっかりもされたのではないでしょうか。
　私は、ロータリーに入れていただいて、多くのことに感謝しています。これまでとは違ったお付き合いができるようになりましたし、当然、視野も広がりました。メリットを簡単に申しあげるなら、ロータリークラブは目的意識がはっきりしているのがいいですね。さまざまな形で奉仕をしていく、ここに最も共感して入会しました。いずれ、子どもたちに係わるボランティアを生活の中心にしたいと考えている私にとって、ロータリーはいい機会と刺激を与えていただいています。また、会議のあり方も学びました。何かを決める時は、真剣に討議を行う。
　時には意見のぶつかりあいがあってもOK。しかし、一端決まった後は誠意をもって従い、実行していく。ごく当然のことが、ロータリーでは見事に実践されています。これは勉強になりましたね。
　次はデメリットでしょうが、それはともかく、女性との付き合い方をお話させていただきましょう。ひと言で言うなら、女性を意識しないことです。意識すると不自然になるし、双方ともに肩が凝ってしまいます。ロータリーは長い付き合いですし、裃を脱いだ付き合いも必要ですから、家族のように、同性のように、自然に付き合っていくことが肝要だと思います。　　
　広島中央RCさんも、近く女性会員が誕生すると聞いています。大変に結構なことだと思います。垣根のない付き合いをされればいいと思いますし、女性会員もそれを望んでいると思います。ロータリーに入会してくる女性は、多分に積極的な人でしょうし、社会的な経験も豊富な方がいます。だからこそフランクな付き合いでなければならないのです。もし、女性ということで、何がしかの意識をお持ちの方がいらっしゃいましたら、今日を限りに捨てていただくことをお薦めしたいですね。
　中央さんに、多くの女性会員が誕生することを楽しみにして、私の話しとさせていただきます。

卓 話 者 : 広島東RC会員　瀬川志保美氏
タイトル : 女性会員入会の賛否

皆さん、こんにちは。広島東R.Cの瀬川と申します。
　私の職業分類はアウトソーシングです。
人材のアウトソーシングがメインですのでわかりやすく言えば人材派遣会社の様な会社です。その他には人材開発やコンサルタント、本を出版しております。サービス業のアウトソーシングが主ですので、取引先はゴルフ場でキャディ、フロント、ウェイトレスなど直接お客様と接する仕事がほとんどです。18～35才位までの女性ばかりのスタッフが100名位おります。
　ロータリーに入会致しまして丸2年が経ちます。広島東R.Cは、女性会員が私を含めて2名です。2人ともさっぱり(?)とした性格であまり女性らしくない(?)女性会員ですが、他の会員の皆様にとてもかわいがって頂き、楽しいロータリーライフを過ごしています。
　幸いなことにメンバーも知り合いの方が多くすぐに馴染めましたが、特に同好会に入ると更に人となりも分かり親しく皆さんとお付き合いできるようになりました。私はゴルフ同好会(歯車会)に入会しており、世話人もしておりますので多くの方と早くお付き合いができるようになりました。もし広島中央R.Cも女性の方が入会されたらぜひ同好会に入るようお勧めするとよいと思います。
　今年度はプログラム委員長もさせて頂き、女性ならではの風を吹き込めたのではないかと思います。伝統を大切にしながらも新しいことにも挑戦させて頂きました。
　ロータリーに入会するまでは活動もよく分からず、皆さんホテルで何をなさっているのだろうというのが素朴な疑問でした。中国新聞社の山本一隆さんにご推薦を頂き、ロータリーの事を学ばせて頂きましたが、私にとっては多くのロータリアンとの出会いもでき、新入会員ですがいろいろなポジションも与えて頂き、大変ですが本当に良かったと思います。男社会でビジネスをしてきた私にとっては殊更、女性ロータリアンの入会の是非を議論することそのものが全く理解できません。今時そんな社会があるのかと思うととても不思議です。
　ただ、伝統を破って私たち女性ロータリアンが2名入会したことによって皆さんは、とても気を遣って下さっていながらも自然に振舞って受け入れてくれることに感謝しています。
もし女性会員が入会されたらぜひ一言お声をかけてあげられれば、すぐに馴染めて例会も楽しくなると思います。本日はありがとうございました。