卓話時間

第1747例会
2017年04月17日 (月曜日) 12:30
広島原爆障害対策協議会 平松恵一会長(RC会員)
同協議会健康管理・増進センター 藤原佐枝子所長(RC会員)
広島市医師会臨床検査センター  谷敷圭美センター長
第1746例会
2017年04月10日 (月曜日) 12:30
アメリカンドリーム代表 吉川浩司氏
第1745例会
2017年04月03日 (月曜日) 12:30
脚本家 鴨 義信氏

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第1136例会

2002年10月28日 (月曜日)

タイトル :
川妻二郎ガバナー
卓話者 :
川妻二郎ガバナー

皆さんこんにちは。この中央ロータリークラグには古くからお世話になっている方々がたくさんおられますが、役目柄と思ってお許しください。このクラブからガバナー補佐を出していただきまして、本当にありがとうございました。それから田原会長さんにはご縁がありまして、米山奨学生の試験をする時などに何年にも渡り試験委員をお務めいただきました。田原会長さんが「クラグは自己研鑽の場だ」と言われましたが、私もそう思います。人生道場と申しますか、そういう役割をロータリーは果たしているので、例会で何を持ち帰るかが会長さんの言われる答えではないかと思っております。
今年1月末から2月にかけて、ロサンゼルス郊外のアナハイムで国際協議会が開かれました。世界中の530人のガバナーエレクトを教育するのが目的で、非常にタイトなスケジュールが組まれております。昔のガバナーはこれを全部英語でこなしたというのですから大変なことだったろうと思いますね。私どもは大きなホールでは同時通訳のレシーバーをつけ、フォーラムでは35人のメンバーも先生もリーダーも日本人だったので気軽に過ごすことができました。私にとって、この10日間は大きな財産になったなと思うのです。見ず知らずの日本中のガバナーエレクトが急速に仲良くなり、帰国後も困ったことがあればメールでやりとりをしています。会う密度が非常に高い、利害関係が全くない。これがロータリーの集まりの原点だろうと思う次第でございます。だからこそ例会出席を大事にすべきだと思うわけです。
RI会長ビチャイ・ラタクル氏は謙虚で素晴らしい人でした。10日間で3回壇上に立たれましたが3回とも、一斉に立ち上がって拍手で迎えるフロアーの人に向かって両手を広げ、腰をかがめて「皆さん、お座りになって」という姿勢をされるんです。下院議長や副総理までされた方とは思えないほど謙虚な方で胸を打たれました。静かに説き聞かせるような、なおかつ底に力があるお話です。
最初の話はトンブリロータリークラブでの体験談でした。入会1年のころ、母子家庭の子を週末に集めてロータリアンが海岸で一日遊んでやる奉仕活動があり、お世話する人数が足りなくなったので参加してほしいと会長さんから頼まれてOKしたそうです。その時、じっと私を見つめる仲間はずれの子が一人いて、帰り際に「あなたが僕のお父さんだったらよかったのに」と抱きついてきた。あの子が自分を求めていたのに応えてやることができなかったと気付き、以後、アクティブなロータリアンに変わったのだと。「あの時あの子どもに会わなかったら、今の自分はないだろう」と、非常に感銘深いお話でした。“SOW THE SEED OF LOVE”(慈愛の種を蒔きましょう)という考え方の根源がここにあるのかなと思う次第です。
ロータリーについての考え方もいろいろと話されました。「ロータリーは近年、いろんなプログラムを開発して多くの人のために提供してきたけれど、ここらで歩みをしばらく止めて原点に立ち戻ることが必要だ。職業分類と職業奉仕をもっと大事にしよう。ロータリー活動は、それぞれのクラブが、クラブを構成するロータリアンがやることだ」と。
私は2年4ヶ月前にガバナーノミニーの指名を受けました。企画段階が大事だと思い、例年よりも早くガバナー補佐を決めさせていただいて、9つのグループ全部に出席して、そこで皆さんと双方向でいろんな話をしながら私の考え方を伝えました。その中で二つ申し上げております。
第一番は「魅力あるクラブづくりに徹しよう」。会員増強と寄付の問題は後回しにして、とにかく魅力あるクラブづくりをすることが大事。魅力あるクラブとは、魅力のないクラブを考えてみることだ。派閥争いがあるとか、理事会の決めたことをひっくり返すボスがいるクラブ。あるいは、会員減少になす術がないクラブ。そのような魅力のないクラブの対極に、魅力あるクラブがあるわけです。具体的には、まず自分のクラブの「棚卸し」をしてください。得手、ウイークポイント、アキレス腱は何かを探し出して、クラブの年度の目玉を2つ、3つ定めて進むことを是非してほしい。「棚卸しと目玉づくり」を何度も言ったような記憶があります。
二番目の提案は「ロータリーにもっと誇りを持とうではないか」。ロータリーがこれまで何をしてきたかを分かった上で、ロータリアンとしてもっと誇りを持とうではないか。1942年(昭和17年)、RIが22カ国の文部大臣を招いてロンドンで国際協議会を開き、戦後の世界の教育と文化について論じ合っています。戦争が終わって、それがユネスコという形に変わっていきます。ロータリーが火をつけて世界を動かした証左でしょう。二つ目は、フィリピンでのポリオ撲滅です。1979年当時、年間35万人とか50万人が感染するほどポリオが多発。この撲滅に日本のロータリアンも参加し、3年余りで600万人の子どもにワクチンを投与して見事に鎮圧しました。この成功体験をもとに1982年、地球上からポリオを撲滅する運動を展開。1985年から約4年間、世界中のロータリアンから募金し、日本のロータリアンも一人4万円を出して48億円を集めた実績があります。RIは1985年~2005年までの20年計画を立てて進めており、ポリオ発生は今年1月には150例くらい。99%完成するところまで追い詰めました。発生している国はアフガニスタンやパキスタンなど。極貧で教育レベルも低く衛生組織もない、内戦が勃発している中でのポリオ撲滅ですから大変な手間隙とお金と労力がかかる仕事です。多分、今年度が終わるころにはゼロに近いところまで持っていけるでしょう。これに投じられたお金は総額28億ドル。ロータリーは22~23%を搬出しています。しかも、1979年から97年までにお金を出しているのはロータリーだけです。
現在、世界中のロータリアンに一人70ドルの募金を呼び掛けています。ぜひこのプログラムに参加することを第三番目の提案として今お話しておきます。ところで昨今の外務省をはじめとする、さまざまな問題を見ていくと、今の日本で欠けているのは規範ではないかと思います。規範とは法律のさらに上にあるもので、規範こそロータリーが追い求め続けているものです。考えてみれば、100年前のシカゴは人口が爆発的に増え、各地から流入する人が非常に多いために犯罪が多発し、道徳が低下した。そんな中でロータリーが誕生し、その後に職業倫理をいろんな業界へ伝えていく役割を果たしてきました。
今、あのシカゴの風潮が世界中に薄く広く蔓延しているように見えなくもない。その中で我々ロータリーが一体どういう役割を果たしていくべきなのか、考えなくてはいけない時代にきていると思います。現在、会員数は1243000人いますが、中身の問題として着目しながら、これからのロータリーライフを考えていかなくてはいけないなぁと考えております。ご清聴ありがとうございました。(了)

Posted by 管理者 at 12時30分

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2017 6/30Friday

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