卓話時間

第1747例会
2017年04月17日 (月曜日) 12:30
広島原爆障害対策協議会 平松恵一会長(RC会員)
同協議会健康管理・増進センター 藤原佐枝子所長(RC会員)
広島市医師会臨床検査センター  谷敷圭美センター長
第1746例会
2017年04月10日 (月曜日) 12:30
アメリカンドリーム代表 吉川浩司氏
第1745例会
2017年04月03日 (月曜日) 12:30
脚本家 鴨 義信氏

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第1580例会

2013年04月15日 (月曜日)

タイトル :
新会員卓話「自己紹介」
卓話者 :
山肩俊晴君

山肩俊晴君

今から340年前のことです。
江戸時代です。田沼意次が筆頭老中になり、やわらかい文化が江戸市中に漂いはじめていました。
丁度その頃、初老の男が江戸にやってきて、小さな呉服店を開業しました。伊勢の国、松坂からやってきた三井高利でした。
満を持していた彼は、独特の商法で、江戸庶民の人気を呼び、またたく間に江戸随一の大商人となりました。
成功の秘密は何だったのでしょうか。
それは人々が求めているものを、求めやすい方法で販売し、そのニーズに応え貫いたことです。
既存の大店が考えもつかなかったことを、横並びの思想から抜け出して、大胆に実行したことです。
彼は新規参入組ですから、従来の商習慣にとらわれることなく自由にその手腕が発揮できたのです。
勿論、同業者からの嫌がらせや迫害もありましたが、それらをはねのけて、事業をすすめたのです。
当時の52歳という年齢から考えると、背水の陣で事に当たったと思われます。余命をカウントしながら退くに退けない覚悟だったのでしょう。
商取引を現金決済とし、掛金なしで端切れ1枚からでも商いをする、という革新的な手法は従来に無いものでした。行商人にも品物を販売して、全国の販路も足かかりを得たのでした。
旧来の商人の人たちは、新商法になじむことができませんでした。追随することもできず、新旧の交代がおこったのです。
社員教育をとっても、新参者でも有能な人間は抜擢し要職に就け、勤勉な人間には報償を与えるという当時の常識としては、破格の待遇を与えています。
さらに、一族の中で最も優秀な者をトップリーダーに据えることで、長男(長子)相続を否定しています。
その後の取り組みとしては、身内だけでなく使用人の中から有能な人をお店の経営にあたらせ、家族はその収益の中から配当を得るという方針を取りました。現代で言う、資本と経営の分離です。さらに相続でお店を分割せず、持ち分に応じて配当をするという考え方も新しいものでした。
幕府の信頼を得て、今の銀行にあたる両替店の開設を許され、66歳で京都に本拠を移し、江戸、大阪を指揮しています。
さらに、年貢の収納代行業(68歳)、御用金の送金請負業(70歳)も受命するに至りました。
これらの業務で上った収益を本店に集め、それを必要に応じて再配分して、効率化をすすめています。
現在で言う、ホールディングカンパニーの原形でしょう。

江戸中期から後期、幕末にかけて、江戸で消費経済に浸かっていた大名は、経営的に行き詰まり、大商人から莫大な額の借入金をせざるを得なくなりました。いわゆる大名貸しですが、これの対応が大商人の明暗を分けました。大名からの返済がままならないからです。
三井高利は次のような対策をしました。
大名からの借り入れ金申しこみに対して、大名とは領地から年貢米が大阪の蔵屋敷に運ばれて運用を任されている手前、無下に断れませんでした。
そのため、一旦貸したお金は、本会計とは分離して、別会計とし、本体経営にリスクが発生しないようにしています。今で言う貸倒れ引当金として計上していました。
さらに、高額な借入要請に対しては、仲間うちで分散して貸し出しています。(一種のシンジケートローン)リスクの分散と考えられます。
たび重なる借り入れに対しては、要求額の5%から10%を無償で差し出して、融資要請を免除してもらうという方法を取っています。
加賀の豪商銭屋五兵衛のように、対応を誤れば大名と対立して、一族が誅殺されることもあったのです。
高利は72歳でその生涯を閉じましたが、あの窮屈な封建身分制度の中で20年の間に、その名を日本中にとどろかせた功績は大きいものでした。時代背景も、元禄の町人文化が隆盛を極めた人口100万人の一大消費文化都市であったことや、大名家の台所経済を預かっていたという幸運があったのでしょうが、多くの人はその運をつかみきれないでいました。

幕末維新の時、京都にあっては薩長と、江戸にあっては幕府と取引があり、無事に混乱を乗り切っています。両者に保険を掛けるという発想も考え抜いたものでした。
それにしても企業の寿命三十年と言われている中で、今に至るまでの会社永続をなし得たことは、現代の企業にとっても参考になることではないでしょうか。

Posted by IT at 12時30分

2016-2017年度

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2017 6/30Friday

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