卓話時間
第1456例会
2010年05月17日 (月曜日)
- タイトル :
- 会員リレー卓話 No.15
- 卓話者 :
- ・柳川寿子君
・村上恒二君
・出崎邦彦君
・浜田逸郎君
「私の仕事・今取り組んでいること」
柳川寿子君
新入会員卓話で、自己紹介のスピーチをして、3年がたちました。人前で話すのが苦手な私には30分は重荷でしたが今回は10分、私の生活の中心にあります「私の仕事と今、取り組んでいること」を話したいと思います。
私が社長を務めています株式会社五興は、主人の父が昭和9年に創業して今年で76年になります。3つの事業の柱を持っています。1つ目は、創業のもと木工部です。木工といっても皆様にはなじみが無いとおもいますが、建具、造作・・鴨居とか敷居等マンション工事の内部の木製品の製造・施工です。2つ目は、今の主たる業務で、オカムラを中心としたオフィス家具の販売、そして3つ目がアスクルのエージェント業です。
アスクルと言っても、ご存知ない方もいらっしゃるかも知れません。このようなカタログ、ネットを利用した通販です。今日頼んだら明日来るからアスクルです。
実は今、取り組んでいることが、このアスクルの伸張です。
思いがけず、2年半前に私が社長に就任しましたが、私の中では、息子が三代目の社長を担うまでの、2.5代目と自覚していまして、スムースにバトンタッチすることが、目下の大きな課題となっています。
バトンタッチに当たって、当然ながら、出来るたけ強固な経営基盤を構築しておきたいと思っています。
経営理念に関しては、長い時間の積み重ねで、伝承できていると思います。経営資源すなわち人、もの、金の三つの要素について心を砕いています。
人、金については、それなりに 形を作れています。もの、すなわち売り上げの基盤強化に、ここ数年アスクルの伸張に力を入れています。先に話しました木工にしても、オフィス家具にしても、耐久消費財ですから、物件対応の営業になり、情報の収集と、良い人間関係を築くことで商売が成立します。
このフェイス・トゥ・フェイスを大切にするスタンスは当社の最も重要な要素です。ただ物件対応で、リピート性が無いので、売り上げの安定は、大きなテーマでした。
5~6年前、河野副会長さまの共栄経営センターにコンサルタントをお願いして、それまで片手間の扱いであったアスクルをのばすべく取り掛かりました。
試行錯誤の期間もありましたが、売り上げは、ここ数年かなりの勢いで右肩上がりに伸びています。
アスクルの受注金額は、3000円4000円、大きくても数万円と小額なのですが、消耗品なので、継続の受注があることがとても重要です。
もうひとつの特色は、アスクルの拡販には人件費が、かからないのです。アスクルのビジネスモデルには、ネットが大きな役割を果たしています。ネットに広告を出す費用と、アスクルのプロモーションに参加する費用は発生しますが、当社にとって、人件費をかけないで ビジネスを伸ばすというのは、とても新鮮です。
ここ数年で、全売り上げの25%を占めるまでになりました。
これを30%にまで伸ばすことで、売り上げの基盤として大きな力になります。
さらに今年からアスクルアリーナを取り扱えるエージェントになりました。
広島では、2軒だけだそうです。アスクルアリーナというのは、半年で50万以上のご利用のある企業さま向けの、マイレージ値引きと、管理者さま購買管理ができるシステムです。
企業さまの経費節減に寄与するシステムです。このアリーナに関しては、ネットではなくて、企業の管理者の方に、説明してPRしなくてはなりません。このアリーナを伸ばすことで、いっそうの飛躍を図りたいと思っています。
このことが テーマの「今、私が取り組んでいること」です。
最後にお願いがあります。
直接アスクルに頼んでいるよと、よく言われますが、このようにお手元のカタログの後ろに、社名が記載されています。これが取り扱いエージェント名です。
もし、この企業と何のご縁もないようでしたら、ぜひ当社に鞍替えをお願いしたいところです。私がとても喜びます。
「新インフルエンザ、まだまだ怖い」
村上恒二君
1. 新型インフルエンザ流行の経過(日付は現地時間)
09.4.24 米国とメキシコでインフルエンザ発生、メキシコで60人死亡
.27 フェーズ(警戒レベル)4に引き上げ(WHO)
.28 日本政府が新型インフルエンザ発生を宣言、対策本部を設置
成田、中部、関西の3空港で機内検疫を開始
.29 フェーズ5を宣言(WHO)
5. 9 成田空港でカナダから帰国した大阪府立高校の教諭と生徒計3人の国内初感染を確認
16 海外渡航歴のない神戸市の高校生の集団感染を確認、市民生活は大混乱
6.11 パンデミック(世界的大流行)のフェーズ6を宣言(WHO)
8.15 感染患者の沖縄県の57歳男性が死亡
10.19 10月19日 医療従事者のワクチン接種開始
11.下旬 患者数はピークを迎えた後、減少傾向
10.1.15 厚労省が海外2社のワクチン販売を承認
3.12 定点医療機関からの患者報告数が流行水準を下回る
長野県で20代男性が死亡
3. 末 新型インフルエンザ終息宣言(厚労省)
5. 7 札幌で40代男性が死亡。死因は新型インフルエンザ肺炎。
2. 新型インフルエンザ対策の総括と問題点
(1) 情報不足が不安をあおる
(1)「厚生労働省の会見が先行し、自治体への通知は後からファックスだけ。テレビを見た市民からの問い合わせが殺到」「分かりませんと答えるしかなかった」。国内初の新型インフルエンザ患者、厚生労働相の会見後に患者本人に診断結果が告げられ患者は置き去り。
(2) 国が画一的に「あるべき対応」を求めてきたことが、各地域の混乱を招いた。
新型インフルエンザの予防方法や感染した疑いがある場合に受診する方法について、政府が発表するたびに市民から質問がよせられても、肝心の自治体に政府から届いた情報はわずかだった。情報の不備が住民の不安を膨らませる結果となった。
画一的な対策を求められ、現場は対応に苦慮。国からの通知がでないと動けないことがあった。地域で柔軟な対応が取れるようにすべき。
(3) 平成21年5月に北米から帰国した教諭と生徒が国内で初めて感染確認された大阪府立高校は、抗議電話の嵐に悩まされた。「近所に住んでいるが不安」「子供の通学路に高校がある」。電話は2週間ふさがった。
(4) 海外では、早くからウイルスは弱毒性との認識が示されていたが、日本ではなかなか周知されず、結果的に集団パニックを招いた。
(5) 発熱相談センターと発熱外来について有効性を疑問視
小児や高齢者の場合、発熱相談センターを通じた受診という流れが、受診の遅れ、重症化につながる可能性があった。電話による聞き取りだけで感染の有無を判断するのは困難。
(6) 医療従事者の二次感染に対する補償制度が必要
病床があっても医師、看護師など医療スタッフが確保できなかったケースがあった。人材確保のための仕組み作りが必要。
(2) 低い致死率、「日本のミステリ-」と注目
(1) 新型ウイルスによる国内の死者は199人(5月11日現在)。米国の推計1万2千人と比べると格段に少なく、国内対策は「成功した」とも言える。WHOでも、日本の死者数の少なさに注目が集まる。
(2) 低い致死率
日本での致死率は10万人当たり0.15人。米国は3.96人、カナダ1.32人、メキシコ1.05人、オーストラリア0.93人、英国0.76人、ニュージーランド0.48人と比べも極めて低い。
(3) 重症化や死亡のリスクが高いとされた妊婦も、国内では死亡者がゼロ。
(4) 死亡率が低かった理由は、患者が若年層に集中し、死亡リスクが高い高齢者が比較少なかったことが要因。広範囲な学校閉鎖、タミフルなど治療薬の幅広い投与、医療へのアクセスの良さなどが功を奏した。
(5) 小児の入院患者や重症者の多さ。
入院患者1万7646人(3月31日現在)のうち14歳以下が1万3981人(79.2%)。重症肺炎を起こしたり、集中治療室に入院した重症患者は1-14歳で目立った。
急性脳症などの重症患者数1557人(5月11日現在)
(6) 小児では、喘息など重症化しやすいとされる基礎疾患がない患者の死亡率が高くなった。全年齢での基礎疾患のある患者の死亡率は全体の69.7%であったのに対して、9歳以下は死者では24.2%にとどまっていた。
(3) 新型インフルエンザの今後―南半球で拡大の可能性
(1) 今回の新型インフルエンザでは、WHOが昨年6月11日、1968年の香港風邪以来41年ぶりとなる世界的大流行(パンデミック)を意味するフェーズ6を宣言。
(2) これまでに感染者は214カ国・地域で確認され、死者は1万7798人(4月11日現在)。
(3) 現在は北半球の流行は収まっているが、西アフリカで新たな発生が報告されるなど、南半球で感染拡大の可能性がある。このためWHOは「最悪期を超えた(ポスト・ピーク)」宣言を先送りしたままである。
(4)日本での新型インフルエンザの問題点
(1) ワクチン争奪戦
ワクチン接種開始の優先順位―医師、看護師等医療従事者10月中旬、妊婦や重い持病の患者は11月、高齢者は今年1月。1月29日健康成人接種開始、健康成人接種の頃は誰もワクチン接種する人はなし(「すでに周りには誰もマスクをしていなかったし、今更いいかと考えた」)。
冬場の流行期を前に、ワクチン不足を心配する声が高まり、鳥取県内の病院では昨年11月、医師らに限定されていたワクチンを病院職員の孫らに接種していたことが発覚。「身内優遇」と批判が集中。
(2) 日本は世界中からワクチンを買い占めたと言われかねないーワクチンの接種回数や時期の変更で現場が混乱
輸入ワクチン約9900万回分のほとんどすべてが廃棄される見通しになっており、疑問の声が出ている。「多くの専門家は、安全性や需要見通しの点でワクチン輸入には消極的だった。いつ誰が輸入を決めたのか。厚労省は海外メーカーが多額の利益を得る不利な条件で契約させられてしまった」(田代真人・国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長)。使用期限後(半年-1年)は廃棄せざるを得ず、医療機関の負担。
(3) 発生初期に空港で実施された機内検疫などの水際対策は実効性に疑問あり
インフル機内検疫、北米便が多数到着する成田では昨年4月28日から52日間、延べ約2500人の検疫官が計約1万機、乗客計50万人に対し機内検疫を実施、見つかった感染者は10人。厚労省は「水際ですべてを止めるのは不可能だが、水際作戦でウイルスの国内侵入をどれだけ遅らせたかわからない」。国内対策の遅れにつながったとの意見あり。
(4) 厚労省には、流行状況や海外の研究成果のデータを分析できる人材がいない。
ワクチン接種回数の方針は二転三転、誰に優先接種するかの決定にも時間がかかり、医療現場は翻弄された。ぶれのない政策を実現するために、専門家による常設的な助言組織の必要性が指摘される。国産ワクチンは1月末時点で全体の約14%にあたる約737万回分が余っており、輸入したワクチンもほとんど使用されず保管されている。
(5) 新型インフルエンザの流行―2010年はどうなるか
(1)秋には第2波が必ず来る
過去の世界的大流行(パンデミック)でも、第1波の数ヶ月後に次の流行が起きている。人口の半分程度が免疫を持てば大規模な流行に結びつかず、パンデミックは終息する(慶友病院、菅谷憲夫小児科部長)。
(2) 国内の推定感染者数2千万人を超えたが、まだ感染していない人が多く、終息にはもう一度大きな流行を経験しなくてはならない。
(3) 第1波では子どもが多く罹ったが、第2波では中高年が相当気を付けなければならない
(4) 第2波の到来とともに鳥インフルエンザの動向にも注意する必要がある。
新型とは別に、海外では病原性の高い鳥インフルエンザH5N1型の人への感染が続き、状況は変わっていない。まだ感染していない成人での流行が考えられる来シーズン、毒性が強い別の新型インフルエンザの流行への備えも急ぐ必要がある。
「私の仕事」 出崎邦彦君
私の職業分類は医術の中の歯科となっております。
平成17年歯科医の供給が需要を上回ったと報告され、現在コンビニエンスストアの約1.6倍の開業医が存在します。
本来の国家試験の受験者は3,465人、合格者は2,408人、合格率は69.5%で1,000人以上の国家試験浪人が出るに至りました。更に合格率を50%にまで下げても歯科医師の減少を図るという方法がとられると云うことで、受験者が減少し、今年度11校(29校中)が定員に届きませんでした。
今後、早急に根本的な対策が必要と思われます。
「思うこと」 浜田逸郎君
私は、昭和59年に、俵さんと高石さんのご紹介で栄えある我が中央ロータリークラブに入会させていただき、以来約26年間(途中、平成17年から2年余り、休会しましたが)、皆様の「好意と友情」に支えられながらロータリーライフを楽しんできました。
ロータリーを通して得られた多くの出会いと感動、そして皆様から得られた知識と教訓は、私にとって人生の大きな糧となりました。ロータリーは本当に素晴らしいと思います。
中国新聞の連載「生きて」(3月分)に、松本卓臣氏の回想記事があり、そこに次のような一節がありましたので(お読みなった方も居られるでしょうが)、茲に紹介して結びといたします。
「米国で生まれたロータリーの精神も、茶の心と同じなんよ。 人に対する思いやりや心を込めたサービスを身に付ける。僕にとってはお茶もロータリーも同じ勉強の場であり、人間を育てる場だと思っている。」