卓話時間

第1747例会
2017年04月17日 (月曜日) 12:30
広島原爆障害対策協議会 平松恵一会長(RC会員)
同協議会健康管理・増進センター 藤原佐枝子所長(RC会員)
広島市医師会臨床検査センター  谷敷圭美センター長
第1746例会
2017年04月10日 (月曜日) 12:30
アメリカンドリーム代表 吉川浩司氏
第1745例会
2017年04月03日 (月曜日) 12:30
脚本家 鴨 義信氏

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第1452例会

2010年04月11日 (日曜日)

タイトル :
会員リレー卓話
・地上デジタルテレビについて
・病名の告知
卓話者 :
・徳光国弘君
・藤村欣吾君

徳光国弘君

地上波アナログテレビ放送の終了について
徳光国弘君
皆さんの中で家にはアナログのテレビが一台もない。全部、デジタルテレビに買い換えた、というお宅はどのくらいあるでしょうか?
たぶん半分くらい?でしょうか。
全部デジタル、という人はきょう関係ありません。
それでは、家に一台でもデジタルテレビがあると言う方はどれくらいいらっしゃいますか?たぶん多いでしょうね。

こちらは昨年9月現在の、家にデジタルテレビがある人の割合です。
全国平均は、69.5%です。広島県は、74.1%です。
図でみると広島は全国5番目で。この時、一番高かったのが奈良県で、低いのは岩手県で55.2%でした。
デジタルテレビの普及台数は、2009年10月実績で6085万台。
2010年3月の目標が、6085万台。
年末の12月目標が、8630万台。
完全デジタル化の2011年7月には1億台が目標となっています。
この2月の数字で既に7000万台を突破してますから、
目標達成は大丈夫でしょう。

こちらの図で見ても、毎月のデジタルテレビの出荷台数は、
去年6月から100万台以上になってますし、1月、2月は、前年同期比で170%以上、3月のデータが先日発表されましたが、前年の同じ時期に比べてなんと2.5倍の売れ行きだそうです。
それは、エコポイントがずいぶんあと押ししているようです。
それでは何故テレビをデジタル化しなくてはならないか。
できればこれは省略・・・、ですが、
総務省の資料では、外国ではこの色の変わった部分、
アメリカやドイツなどが既にデジタル化していまして、イギリスや、韓国など
が作業を進めています。
こちらが総務省が示す「デジタル化の意義」です。
●より豊かな放送サービス
●周波数の有効利用
●各分野への波及効果などで、
こうして、HPでは図にまとめてありますので、ご自分でゆっくりご覧下さい。

わかりやすいのは、電波の有効利用という点でして、かつての1~12チャンネルの部分が新しい移動体のメディアに利用されることになっています。

さて広島では、2006年10月から広島市内を中心にデジタルテレビの放送が開始されています。ごらんの送信所、これはRCCのものですが、各局と協力、共同でたてています。
広島県、特にRCCの例でいいますと、今県内にデジタル送信所が68ありま
す。アナログテレビの中継局が96ありますので、その同じエリアを100%
カバーしろと言われています。いま県内のデジタルカバー率は、92.4%で
す。来年までにあと11作って限りなく100%に近づける計画です。

さきほども出ましたが、一方のデジタルテレビの普及率は全国平均69.
5%です。でも2台目、3台目のテレビ゛を計算にいれるとどうなるでしょうか。家の全部のテレビに対する、デジタルテレビの普及率をみると、
これは、違う組織がとったデータではありますが、去年12月のデータで約4
割となっています。もっとテレビを買ってもらわなければなりません。

そうしたことからデジタル化を進めるのに、何を準備しているか。
国(総務省)は、広報や支援、地デジセンター、説明会などの対応をしていま
す。広報はというと。ご存知、地デジカ。次は、草薙さんです。
支援、という点は、生活保護世帯などに簡易チューナーの無償給付などがあり
ます。
地デジセンターでは、デジタルサポートセンター、デジサポ、を47都道府県
に設置して、相談に応じています。デジサポの活動は、総務省のHPで確認し
てみて下さい。
説明会については、さてどれだけ理解されているか・・・。

一方、放送局は何を準備しているか。まず、さきほども出ました、送信所の
建設です。広島は全国でもトップクラスの難視聴地区です。大変なのです。
次に「デジタル番組を増やす」ようにしています。
そして、アナログ放送の終了準備です。
このアナログ放送を終了する・・・、は次の4つを説明します。
●アナログの字幕放送
●レターボックス化
●黒い部分に字幕
●停波実験(正確には青い画面を放送するわけですが)
アナログの字幕は、ごらんのように、右上に「アナログ」という字が出るもの
です。
レターボックス化は、4対3の画面のテレビに、上下黒い部分をだして、番組
を16対9の形で送りだすというものです。
そして、このレターボックス化をこの4月からNHKや日本テレビなどがかな
りすすめています。
7月からは、アナログテレビ全てが「レターボックス」放送になる予定です。
黒い部分に字幕、というのは、黒いところに「あなたの見ている放送は201
1年7月から見れなくなります」と知らせる字を入れるものです。
停波は、(正確にはブルーバックに字が出るお知らせ放送ですが)、石川県珠
洲市で実験が行なわれています。
珠洲市の中継局がカバーしている5300世帯を中心に、去年7月に1時間、
ことし1月22日~24日まで48時間、ブルーバックの文字を出した放送を
アナログテレビのみ行いました。
これによって、1月は49件の問い合わせがあったそうですが、
そのうち30件は、実際に家を訪ねて技術的な対応をしたそうです。
その割合を広島県の121万世帯にあてはめると、単純計算で6848件の
「自宅訪問対応」が予想されるという割合です。大変なわけです。

ですから視聴者のみなさんには
●デジタルTVへの買い換えかチューナー設置を。
●ビルなど共聴施設でデジタル対応を。
● 不明な点は地デジコールセンターへの連絡をお願いしたいと思います。
連絡先は、0570-07-0101です。

藤村欣吾君

講義「病名の告知」から
藤村欣吾君
医師の義務の一つに病名の告知という患者、医師両者にとって重大な作業がある。
日常的には、耳慣れた、或いは生命予後に影響を及ぼさないような病名については「告知」といったような改まった感覚で医師の方も、病名を告げてはいない。また患者さんの側からも特に深刻さを感じずに病名を受け入れていることが殆どであろう。
ここでお話しする「病名の告知」は生命予後にかかわる重大な疾病について患者さんへ説明する場合である。
これには告知する側(医師)の立場と受ける側(患者)の立場があり、相反する感情が行ったり来たりする、お互いに精神的に多大なエネルギーを要する場面となる。
ここでは生命を左右する病名の告知をされた場合の患者さんの心の葛藤を紹介し、また実際に「余命6ヶ月」と告知された場合に現在の20歳前後の若者はどのような事を考え行動するか記した作文から読み取れる死への立ち向かい方を披露したいと思います。
死を認識しなければならない状況下に置かれた患者さんの心の揺れ、心理状態を研究した研究者の一人にエリザベス・キュブラー・ロスという精神科医がいます。
彼は約200名の患者さんの心理状態を研究し、死が避けられないと告知されてからの心理状態を次の5段階モデルで表現しました。
第一段階: 「否認」の時期~誤診だと思いこむ、事実を認めない
第二段階: 「怒り」の時期~何故自分が死ななければならないのか?死にたくない、
       もっと生きたい、怒りを周囲へ向ける
第三段階: 「取引」の時期(人生の見通しと再評価の時期)~自分の人生上の目的を達成したいから治療を受けるなど、協調的、になりコミュニケーションが取りやすくなる時期。
第四段階: 「抑うつ」期~気が滅入る時期で、周囲の人がなるべく寄り添うことが必要な時期
第五段階: 「受容」期~自分自身の運命を平静に受け入れるようになる時期
が示されています。(単行本「死ぬ瞬間」エリザベス・キュブラー・ロス著 より)
一方小生が教鞭を執っている広島国際大学の学生約120名に「余命6ヶ月と宣告されたら貴方は何をしたいですか?」について書かせた作文から全体として以下の事が伺えました。
まず病気に対する自分の感情を紛らわすために自己中心的な欲望が起きてくる。すなわちブランド商品を買いまくる、好きなものを食べる、旅行に行く、恋愛をするなどーー。
その後段々と周囲が見えてきて家族、友人への感謝の気持ちが芽生え、親孝行や育ててくれた周囲の人への恩返しをする、或いは家族との思いで作るための旅行をするなど生きていた証を家族と共に残したい気持ちの変化が記載されているものが多くなる。
その後生まれてきたからには社会に何かを残したい、貢献したい等、例えばドナーカードへの登録し臓器提供など出来る範囲での社会貢献を記載した学生も一部ではあるがいる。ヒトはヒトのために何かためになることを行いたい気持ちが本能的に現れてくる生き物なのであろう。
そして最後は家族と安らかに過ごし人生を全うしたい。すなわちヒトは一人では充実した生活を送れない、ヒトとの繋がりが人生を実りあるものにしてくれる。
とまとめることが出来た。
これらの過程はキュブラー・ロスの5段階プロセスと一部類似していることが判る。
以上は現在小生が広島国際大学で行っている講義の一つ「臨床医学概論」での一コマである。
学生には「病名の告知」を通して、また「死」を念頭に置いた作文を書かせることによって現在の自分の置かれている立場、生きていることの貴重さ、生きる事の意味、さらには命の大切さを心に呼び戻す事を目的にしている。20歳前後の若者が想像した以上にヒトのために尽くし、或いはヒトとの繋がりを大切にし、家族を思いやる心が強いことにホットすると共にこれからの日本の明るさを感じた時間となりました。

Posted by 事務局 at 12時30分

2016-2017年度

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2017 6/30Friday

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