卓話時間
第1376例会
2008年06月02日 (月曜日)
- タイトル :
- ゲスト卓話 「保護司から見た親子関係」
- 卓話者 :
- 更生保護司 熊谷佳己(くまがやよしみ) 様
保護司として感じたこと、児童相談所に勤務していた時に見た、親子関係などの実態をお話ししたいと思いますので宜しくお願いします。
一番最初に小さい子の事からお話ししますと、20数年以前から子供に対する虐待が始まったような気がします。この子達は、両親に見放されて育ち、中学生の親になった今、同じことの繰り返しをしている様な気がします。親の姿を見て育ったのです。
この子達は母親の作る食事をしていないようです。買った物だけ食べているのではないかと思います。自分の好きなものを好きな時に一人で食べています。
又、離婚家庭では、本人らは生活費とアパートが与えられ、姉、弟の二人暮らしのとても寂しい環境にいます。こんな寂しい不安そうなお顔を見ると、親の責任はどうなっているのか、子供達には何の罪もないのです。可愛そうです。かと思うと、我が家はグルメと称する家庭があります。レストランで食事が運ばれてくるまでゲームをしている子供達。そこには親子の会話はありません。そして食事が終わったら又ゲームをして、ほとんど会話が無い家庭があります。そんな子供達が大きくなった時をご想像して頂くと判ると思います。
そういった子供さんには、胸の内を相談する相手が居ないのです。親に相談すると、「あとで」「今忙しいから」子供にとってはこの言葉が一番自分を否定され続ける言葉のようです。
親が、子供のした事に対して対処する方法を知らないし、聞いてやることさえしないようです。話をしてやる、聞いてやることをしなくなると、友人の「面倒見」へ相談に行くことになります。困っている時は何でも聞いてくれるし、お金も貸してくれる。でも必ず、無理な命令を聞かなければならない時が来ます。
広島西ロータリークラブの協力で白ポストを設置して「悪書追放運動」をやっています。最初は成人女性の写真集でしたが、今は子供の写真集になっています。親が連れて行かないと撮れないと思うのですが、親のモラルはどうなっているのでしょうか。本当に児童ポルノの問題が現実になっています。
しだいに明らかになる現実に、言葉もでない空気が例会場を流れます。
これ以上は、記事にできないと、IT委員会として判断し、ここまでとしましたが、青少年問題は、大人の責任として、日本の将来を心配せずにはおれない様子で、会員は唖然として卓話を聴かせて頂きました。
30周年の記念事業を成功させるのが、我々の任務の様な気がした卓話でした。
近年で、一番ショッキングな卓話内容に、更正保護事業、特に保護司の仕事がどんなに大変か思い知った30分間でした。