卓話時間
第1678例会
2015年08月24日 (月曜日)
- タイトル :
- ガバナー公式訪問
- 卓話者 :
- 国際ロータリー第2710地区 東 良輝ガバナー
ロータリークラブ公式訪問 卓話
国際ロータリー第2710地区
2015-16年度ガバナー 東 良輝
2015-16年度の第2710地区ガバナーを仰せつかりました東でございます。所属は宇部西ロータリークラブです。今年度微力ながら、皆様とともにロータリー活動の普及に全力を捧げて参りたいと思いますので、ご支援、ご協力の程よろしくお願い申し上げます。
また、本日は公式訪問に際しまして温かい歓迎を賜り、感激をしているところでございます。これこそが、ロータリーが創立時から大切にしてきた友愛の証であると思い、深く感謝申し上げます。
さて、今年度のRI組織でございますが、既に、「ロータリーの友」7月号に掲載され、皆様よくご存じのことと思いますが、ここで改めて紹介します。今年度のRI会長はK.R.ラビンドラン氏(コロンボRC、スリランカ)です。彼の下に、ジョンF.ジャーム会長エレクト(チャタヌーガRC、アメリカ・テネシー州)、グレッグE.ポッド副会長(エバーグリーンRC、アメリカ・コロラド州)、以下17人の理事で構成されており、日本からは杉谷卓紀氏(玉名RC、熊本)が昨年度に引き続き選任されております。また、事務総長は昨年度に引き続きジョン・ヒューコ氏(キエフRC、ウクライナ)が就かれておられます。
ロータリーの組織につきましては、RIの下に直接各ロータリークラブが所属しており、ガバナーはRIの役員として所属し、地区では会員の研修が主な役割となっております。また、ガバナーはRIからの通達を各クラブに伝えると同時に、各クラブからの意見をRIに伝えるメッセンジャーの役割も担っております。
そこで、本日の公式訪問では、今年1月にアメリカ・サンディエゴで開催されました国際協議会で提示されたRIテーマおよびラビンドランRI会長のメッセージをお伝えし、その「テーマ」に沿って、私が立てました地区運営方針についてご説明したいと思います。
この度、ラビンドランRI会長が示されたテーマは「Be a gift to the world」「世界への贈り物になろう」です。その意図するところについて、ラビンドランRI会長は講演の中で「生まれると同時に、私たちはいろいろなものを授かります。最初に授かるものは命です。そして、愛、思いやり、家族を授かり、教育、健康を授かり、学びを通じて才能と能力を授かります。人生において、親、友人、伴侶、子ども、生計手段、物質的な豊かさなどは、どれも私たちに授けられたプレゼントです。(中略)皆さんはこう思いでしょうか。この様な有り難いプレゼントに、一体いくつ恵まれてきただろうか、と。私は自分に、そして皆さんに、次のように問います。どうしたらその恩返しができるでしょうか?」と語られています。
また、私たちが今やるべき最重要課題は「ポリオの撲滅」であると強調されました。その理由として「25年以上前に私たちがポリオ撲滅の誓いを立てたとき、125か国にポリオが常在し、毎日1,000人以上の子どもがポリオによる麻痺障害を患っていました。現在、ポリオ常在国は3か国、昨年の統計ではポリオ症例数はわずか333名となりました。そのほとんどがパキスタン一国からの報告です。この国で私たちが闘う相手はポリオウイルスだけではありません。無知、残忍さ、抑圧の力です。私たちの課題はワクチンを子供たちの口に届けるだけでなく、殺戮者たちから予防接種従事者を守ることにあります。(中略)私たちは闘い続け、必ず勝利します。なぜなら私たちは、ポリオのない未来をプレゼントすると世界の子どもたちに約束したからです。私たちは必ずこのプレゼントを子供たちに贈ります」と強い口調で強調されました。
さらにロータリーの現状についても厳しく指摘されており、「ロータリーは膨大な可能性を秘めています。しかし、多くのクラブや地区の現状に目を向けるとロータリーのあるべき姿が映し出されていません。当組織を形作った基本に立ち返る方法を見つける必要があります。それは人生のあらゆる場で倫理基準、そして、各クラブに会員の多様性をもたらす職業分類です」と職業倫理の確立と職業分類の重要性を強調され、さらに「今日ロータリーを一世紀前と同じように語りながら、それと同時にロータリーの成長を期待することはできません。私たちは、今、新しい現実に生きています。プランディングの新たな取り組みは、確かに必要なことです。世界の多くの地域で薄れつつあるロータリーのイメージをあらためて明確に打ち出す必要があります」とロータリーの改革と公共イメージの向上についても述べられました。
ロータリー財団に対しても「ロータリー財団への寄付をもっと奨励し、もっと多くの善いことを行いたいと考える一方で、しつこくお願いをしたり、あまりの高額な寄付をお願いすれば会員は離れてしまいます」とその在り方にも言及され、贈り物についても、高価なものでなく、思いやりのある、心のこもった贈り物の方が貴重であるとも強調されています。
以上より、ラビンドランRI会長の演説の意味するところは ①ポリオ撲滅 ②ロータリー誕生時の基本に立ち返る(特に職業倫理、職業分類) さらに、③ロータリーが更なる発展を遂げるためには現状に合った変革も必要 ④財団への協力 ⑤公共イメージ向上等であると思われます。
私はこれらのRI会長の強調事項を踏まえて、2015-16年度の第2710地区の運営に際しまして、その基本方針として「ロータリーの基本に戻ろう」とし、ガバナー信条を「ロータリーの原点に立ち戻り、輝かしい未来の礎を築こう」と致しました。
ロータリーの原点とはどのようなものでしょうか。私が察するところでは、ロータリー創立の精神、即ちロータリーの心ともいえるもので ①友情(友愛)と親睦 ②寛容の精神と奉仕 ③職業奉仕と職業分類 と思っています。このロータリーの心を肝に命じながら、地区運営に邁進したいと思います。よろしくお願いします。
◎2015-16年度 地区運営の重点項目
① 会員基盤の充実(例会の充実、出席率の向上、退会防止、会員増強 特に女性、若い人への勧誘)
② 充実した奉仕プロジェクト(クラブ、職業、社会、国際、青少年奉仕等)
③ 公共イメージと認知度の向上
④ 財団への寄付と地区補助金の積極的な活用(ポリオプラス基金、年次基金、恒久基金への寄付、地区補助金、グローバル補助金の活用等)
⑤ 米山奨学会事業への理解と支援(米山奨学会への寄付、奨学生の受け入れ等)
⑥ 地区とクラブ、クラブ間の円滑な情報伝達(MY ROTARYへの登録、Webの活用等)
⑦ リーダーの育成(RLIへの参加等)
◎2015-16年度 地区・クラブにおいて達成して頂きたい数値目標
① 会員増強 純増1人以上/クラブ
② ロータリー財団への支援
ポリオプラス基金 35ドル/一人、 年次基金 150ドル/1人
恒久基金 ベネファクター1名以上、または1,000ドル以上/1クラブ
ロータリーカードへの理解と支援
③ 米山奨学会への支援 16,000円/1人
これはあくまでも目標です。各クラブはクラブの事情に合わせて目標を設置していただけば幸甚です。
◎ロータリーの戦略計画
・価値観を行動に
私たちは親睦を通じて生涯にわたる友情をはぐくみ、国や文化を超えた理解を促します。
私たちは高潔性をもって約束を守り抜き倫理を守ります。
多様性を誇るロータリーはさまざまな考え方をつなぎ、多角的なアプローチで問題に取り組みます。
私たちは奉仕を通じてリーダーシップと職業のスキルを生かし、地域社会の問題に取り組みます(中核的価値観 ①親睦 ②高潔性 ③多様性 ④奉仕 ⑤リーダーシップ)
・戦略的目標
①クラブのサポート強化 ②人道的奉仕の重点化と増加 ③公共イメージと認知度の向上
◎各クラブの戦略計画
①各クラブに戦略計画委員会を立ち上げる
②戦略計画の立案を立てる
③将来への数値目標を立てる
④将来にわたり持続可能なプロジェクトを立案する
◎2015-16年度ロータリー財団の優先項目と具体的目標
優先項目1:永久にポリオを撲滅する
優先項目2:ロータリー財団に対するロータリアンの知識、参加、寄付を向上させる
優先項目3:財団の補助金と6つの重点分野を通じて、ロータリーの人道的奉仕の質と影響を高める
優先項目4: ポリオプラスにおける成果と「世界で良いこと」をしてきた100年の歴史に特に注目し、財団によるこれまでの実績に対するイメージと認識を高める
◎RI会長賞への挑戦
①必須項目
・少なくとも15のクラブ目標をロータリークラブセントラルに入力する。
・7月の半期人頭分担金を、期限までに支払う
②会員の増強と維持(4項目から3項目達成)
③財団への寄付(4項目から2項目達成)
④ オンラインツールの利用(4項目から2項目達成)
⑤人道的奉仕(7項目から3項目達成)
⑤ 新世代(4項目から2項目達成)
⑥ 公共イメージ(2項目から1項目達成)
○そのほかの地区、クラブに課せられている当面の課題
①東日本大災害への支援活動
②ロータリー平和センターへの支援
・ロータリー平和センターへの寄付
・ロータリー平和フェローの育成(第2710地区での人材探し)
◎地区大会への参加のお願い
・10月24日(土)大会諸委員会 歓迎昼食会 ANAクラウンプラザホテル宇部
・10月25日(日)本会議 渡辺翁記念会館
・10月26日(月)記念ゴルフ 宇部72カントリークラブ 東コース
結語
ロータリークラブとは、ロータリーの奉仕哲学を実践する代表的な職業人の集まりです。
良質な職業人で構成されており、1業種1会員を原則としております。ロータリーの奉仕哲学とはそれぞれの職業を通じて、奉仕の理想の追求と実践を目的とするものです。そのために各ロータリアンはそれぞれで職業倫理の確立に努力しなければなりません。(ロータリーの目的、ロータリアンの行動規範)
第7代RI会長のレスリー・ビジョン氏はロータリーの第1の目標は各個人をその日々の仕事にロータリーの哲学を関連させることにある。そのため、ロータリークラブはその会員をしてそれぞれの日々の仕事に奉仕の理念を体得するよう教育しなければならないと同時に他方においては組織としての各ロータリークラブの力を強めるためにそれと違う異質の奉仕が必要だということを見逃してはならないと説かれ、キップリングの「ジャングルの法則」の中の「群れの力は狼の力である。そして、狼の力は群れの力である」を引用されて、ロータリアンならびに各ロータリークラブの力の結集を強調されています。
私は今年度、各ロータリアンがそれぞれの職業を通じて、奉仕の理念を追求、実践されるともに各クラブはそれぞれのロータリアンの力を結集させ、また、新たに素晴らしい大型のプロジェクトに挑戦され、第2710地区のすべてのロータリークラブがより力強く発展されることを願っております。これを現実のものにするには、まずは会員増強と出席率の向上です。ご健闘をお祈りいたします。