卓話時間
第1636例会
2014年08月26日 (火曜日)
- タイトル :
- ガバナー公式訪問例会
- 卓話者 :
- 国際ロータリー第2710地区 金子克也ガバナー
私は、本年度当地区ガバナーの金子克也でございます。所属は福山南ロータリークラブです。本日は、当クラブの皆さまに温かくお迎え頂きまして、心から感謝申し上げます。私は、この1年間、皆さまと共にロータリーに邁進いたしますので、ご支援・ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
Ⅰ、 貴クラブの特色について述べます
Ⅱ、 RI会長のテーマと強調事項
さて、当地区で国際ロータリーの唯一の役員であるガバナーには、公式訪問の際に行うべき義務事項があります。その一つが国際ロータリー会長の掲げられたRIテーマおよび会長の強調事項の伝達とその解説で
◆2014-15年度 RIテーマ
“LIGHT UP ROTARY” 「ロータリーに輝きを」
ゲイリー・ホァンRI会長強調事項
1. クラブの強化とロータリーの認知度向上
2. 会員数130万人の達成(ロータリーデーの開催)
3. ポリオの撲滅
◆RI会長の戦略的優先項目
1. クラブサポートの強化・会員増強
2. 人道的奉仕
3. 公共イメージの向上
34,000を超えるクラブが、これら3つの戦略的優先項目を、世界の各地域で達成し、ロータリーを輝けるものにしましょう。
以上の、RIテーマおよびRI会長強調事項、戦略的優先項目を受けまして、
Ⅲ、 2710地区ガバナーの信条、重点方針、目標
◆ガバナー信条
「奉仕(Service)を学び、ロータリーを楽しもう」
◆重点方針
1. 職業奉仕の学習と実践(真のロータリアンの育成)
2. 会員増強(各クラブ純増1名以上、純増達成地区)
3. 積極的な奉仕活動
4. 学び楽しむ地区大会(国際奉仕の時間を作る)
5. 東日本大震災被災地への継続支援
6. 楽しいロータリーライフ(ロータリーデーへの参加・協力)
◆目標
1. 会員増強(純増1名) SAKUJI作戦の最終年度
2. RI会長賞へのチャレンジ
3部門(会員増強、積極的奉仕活動、ロータリーの公共イメージ向上・ロータリーデー)
3.ロータリー財団支援
⑴ポリオ・プラスへの支援 15ドル/人以上
⑵年次基金 150ドル/人以上
⑶恒久基金 ベネファクター 1人/クラブ以上
⑷ロータリーカードへの協力 各クラブ担当者の決定
4. 米山記念奨学会支援 16000円/人以上
5. RI人頭分担金 54ドル/人
6. 地区関係負担金 25700円/人
Ⅳ、 ロータリーデー
RI会長の強調事項に掲げられている“ロータリーデー”とは、
1. 地域の人々に楽しみながらロータリーのことを理解してもらい、入会への関心を高めて頂くような催しをしましょうということです。
2. 催しは
(1) 参加型の奉仕活動を開催し、地域の人と一緒に奉仕活動をしましょう
(2) 屋外でのピクニック、バーベキュー大会、スポーツ行事、コンサート
(3) 地元のお祭りやイベントに併せた催し
(4) チケット制のレセプションや夕食会など、なんでもありです
私は、福山南RC創立10周年記念誌を見ていましたら、“若人と共に”の記事が目に 入りました。今から45年前、昭和44年3月16日、福山市民会館で、中学生、高校生、25歳未満の青年男女による器楽演奏、演劇、コーラス、米国からの留学生を交えた座談会、写真、書道、絵画、彫刻などの展示・発表が行われました。当日の参加者は、来場者も含めて2,000名に達しました。
出演者と来場者全員への記念品として、北海道大学の校庭に立つ札幌農学校教授、クラーク博士の銅像に刻まれている有名な一行のフレイズ『Boys,be ambitious.』を含む全英文を刻んだ真鍮銘板2000枚を贈呈しました。この日本語訳は、「少年よ、大志を抱け。金銭あるいは個人的権力に対する大志ではない。名声と呼ばれる儚いものに対する大志でもない。人間としてなすべき ことのすべてを達成することに対して大志を抱け。」となっています。
この催しでは
1. 中学、高校、一般の青少年を対象とし
2. 地域の人が2000人も参加し
3. 翌日の山陽新聞には、「福山で若人らと語る会」の見出しで掲載されロータリーの広報にもなりました。
4. クラーク博士の掲げるフレイズ“人としてなすべきことのすべてに対して大志を抱け”は、ロータリーの理念とも合致し、参加者に深く強い感銘を与えました。
5. そして当年度には9名もの新入会員が生まれました。
この楽しい集いは、ゲイリー・ホアンRI会長の提唱するロータリーデーの原型の一つと言えましょう。
全世界で34,000を超えるクラブが、ロータリーでの楽しく、貴重な経験をそれぞれ地域社会の人々と分かち合えば、世界全体では、大きなインパクトになるでしょう。当然、ロータリーの認知度も上がり、会員は増加し、クラブ強化も可能でしょう。
開かれたロータリーを掲げ、皆さまの地域で、独自の“ロータリーデー”を開催し、成果を挙げられることを願っています。
Ⅴ、職業奉仕
次は、地区重点方針を補足説明します。
各クラブには、今年度特にこの職業奉仕に重点を置いたプログラムを立て、実行して下さるようお願いいたします。
ロータリークラブ定款第5条の2には、事業および専門職務の道徳的水準を高め、とあります。本年度は、“職業奉仕”の学習による人作り、クラブ作りを願っています。職業奉仕なる言葉は、他の団体にはみられない、ロータリーの先輩たちが作ったロータリー独自の言葉です。これは、1927年職業奉仕が社会奉仕、国際奉仕と分かれたときに出来た言葉で、職業を通じて役に立ちましょうという考えです。職業奉仕の主たる対象者が比較的狭い範囲の個人であるのに対し、社会・国際奉仕の対象者は日本国内、外国での広い地域に住む人々であります。国際奉仕は、世界の平和を目的にしています。
生活の糧を得る職業を通じて社会に、より役立つようにするにはどうしたらよいのか?具体策を考えましょう。
これにはまず第一に、職業奉仕を真剣に学習する場をクラブ内に作り、しっかり学習し、自分なりに職業奉仕を説明できるようになりましょう。
第2段階は、実例を見聞することです。
例えば、“経営者会議あるいは座談会”などを開き、“Ideal of service”を適用しながら、職業の倫理を高めるにはどうしたらよいのか? 皆で職場の悩み、成功例などを腹を割って話し合いましょう。必ず他の職場からの役に立つ事例がありましょう。
私の例を挙げて恐縮ですが、職務を規定する文言の中に、“利益を目的としてはいけない”とありました。私は、これを誤解して、仕事をしながら利益が上がることに、少し後ろめたい気分がしていました。あるロータリーの研修会で、高名な講師の方が、ロータリーでは、利益を禁じてはいません。むしろ“Ideal of service”の適用により、どんどん儲けて下さいとおっしゃいました。この一言で、長年の後ろめたい気分は吹っ飛びました。そうですね。よかれと思って行うことに、躊躇は、不要ですよね。
“ One profits most who serves best”
私は、これを錦の御旗に、日々の職務では、次のことを重視しています。
1. 職務に関連する法規等の順守
2. 職務の現代的レベルの把握と維持に努める
3. 新情報の伝達
4. 無料での健康相談、講話
5. 対象者に、いささかの不利益となる行為も、絶対に意図的にはしない誓いの順守
6. 公表通りの執務日、時間の順守
この他にも、各職場からたくさんのよい事例が発表されるでしょう。また、自分と同じ心配事を抱えておられる人も見つかりましょう。仲間から、励ましの言葉やアドバイスもいただけましょう。今日の集いでこんないいことがあった。あの人も同じ悩みを持っていたなど、いろいろな話題も出ることでしょう。さらには第3段階、自分の職業での実践に進みましょう。
こうして得られたよい方策を長年実行し続ければ、必ず顧客満足を得られ、自己の盛業に繋がると思います。これを長年行う人とそうでない人との間には大きな差が出てきます。ロータリアンの皆さまは、ぜひロータリーのこの優れた機能を育て、利用して下さい。
自己の盛業が達成できれば、その喜びを持って、他者への奉仕、社会・国際奉仕に邁進する事ができ、日本経済・世界経済への貢献にも繋がるものと考えます。
ここまで、RI会長のスローガンとそれに続くガバナー方針の補足説明を行いましたが、さらに会員の意欲を高めることも、ガバナーに課せられた任務の一つです。
Ⅵ、リーダーシップ
最近リーダーシップという言葉をよく耳にするようになりました。ここで、リーダーシップについて考えてみましょう。
1910年以来、RI理事会、RI国際大会、RI規定審議会の決定事項のうち、現在も有効とされているものを集めたものに、ロータリー章典があります。その中には、ロータリークラブが、インターアクト、ローターアクト、ロータリー指導者養成プログラムに、具体的な支援と指導を行うよう推奨されています。
インターアクトクラブは、学校や地域社会での課題に取り組むために結束する12-18歳の青少年のためのクラブです。
ローターアクトクラブは、18-30歳の大学生および若い成人のためのクラブです。
そして、ロータリー青少年指導者養成プログラム(RYLA)は、クラブ、地区、多地区合同で組織されるリーダーシップ養成プログラムです。これらには皆、リーダーシップの育成が求められています。
一方、国際ロータリーでは、創設百周年を経過したころから、リーダーシップが盛んに言われるようになりました。
ロータリーの先進国では、会員数が減少に転じ、途上国の会員増加で、辛うじて会員数を維持していることから、危機感を覚えました。RIは2004年以降長期計画を提唱し、CLP、DLP、長期計画などには、リーダーシップなる言葉が入ってきました。
本年度サンデイエゴで開催された国際協議会会場入り口には、“Enter to learn, go forth to serve”のスローガンに代わり、“ Join leaders,exchange ideas,actualaction ”のスローガンに替わっていました。
私なりに、リーダーシップについて考えてみました。リーダーシップの語源はリーダ
ーであります。リーダーの条件は、話すこと、書くこと、学ぶこと、法令を順守すること、行動すること、危機管理能力を備え説得力を持つことなどであると思います。
話すことは、ゆっくり、はっきり、会場の大きさを考えて、自分の声を、自分の耳で確かめながら話して下さい。世界で活躍するためには、外国語も必要になります。
書くことは、自分の考えていることを、たくさんの人に伝える手段として必要です。話していることを、そのまま文章にすればよいわけですから、パソコンのワード、オアシスなどで、練習すれば可能と思います。以上のスキルをマスターし、説得力を身につけましょう。
学ぶことは、非常に大切です。総てのことに興味を持ち、挑戦しましょう。何事も経験すれば、身につくものと思います。
法令順守は、指導者にとりまして、最重要課題だと思います。世の中での評価が高くなるほど、失敗は広く報道されます。
行動することは、これから生きていく中で、常に考える必要があります。失敗を恐れないで挑戦することです。部下が失敗しても、咎めないことも肝要です。ただ、注意しなければならないことは、乗るか反るかの冒険は避けるべきです。倒産も避けるべきです。これらの内で特に重要な事は、危機管理能力です。リーダーたるもの、権限が大きくなればなるほど、危機に対する対応策を事前に考慮し、準備しておかなければなりません。
我が国には、おもてなし、ゆずりあい、たすけあいという古来からの美徳と、高い技術力があります。これらによって、若い人達が世界に貢献する時代が必ず到来するものと確信しています。
クラブの例会では、若い会員のスピーチする機会を多くしましょう。若い会員には、出来るだけあらゆる事に挑戦して下さるようお願いします。クラブも会員個人も、リーダーシップの育成に努めましょう。
以上、RI会長のお願いと、それに沿った地区ガバナーのお願いを述べてまいりました。個人の連携の上に成り立つ組織は全て、個人の強化即組織の強化に繋がります。
Ⅶ、結び
RIは、ロータリークラブから成り、そしてクラブは会員から成り立っています。ロータリークラブの評価は、どんなロータリアンを育てたかによって決まると言われています。
ロータリーは人生道場とも言われています。個人強化、人間作りの場です。一人一人がロータリー的知・情・意(叡智、厚い情、強い意志)を体得し、真のロータリアンを目指しましょう。そういう人達の集まりは、友愛の精神に満ち、和して同せずの意識の強いクラブになりましょう。そのようなロータリアンやクラブは、思わず近づきたくなるような、温かみのある輝きを放つでしょう。
人は一人では生きていけません。他の人がいるから生きていけるのです。地域には、助けを必要とする人が大勢います。改善すべき事もたくさんあります。自分には到底何も出来ないと、座して静観していても、なにも変わりません。
人は全てのことは出来ないが、何かをする事ができます。身の回りにある自分の出来ることから行動を起こしましょう。あなたの内なる情熱に火をつけましょう。
一つ一つの灯火は繋がって線となり、一塊となり、やがて大きな炎となるでしょう。
これまでの研修で得た多くの知識・経験に加え、大勢の仲間の協力を得て、全員が一致団結し、嬉々として奉仕(service)の実践に邁進すれば、ロータリーを煌々と輝かせる事も可能です。
地区とクラブが協力し、価値ある楽しいロータリーライフの一年に致しましょう。
頑張ってください。