卓話時間
第1510例会
2011年08月22日 (月曜日)
- タイトル :
- ガバナー公式訪問
- 卓話者 :
- 国際ロータリー第2710地区 田村泰三ガバナー
2011-2012年度公式訪問 卓話
2011-12年度の地区ガバナーを務めさせていただきます柳井ロータリー・クラブの田村泰三です。本日は皆様にあたたかく迎えていただき感謝しております。
ガバナーの卓話に当たり、まずお話しさせていただきたいことは、今年度国際ロータリーのカルヤン・バネルジー会長のRIテーマです。すでにご承知のように「こころの中を見つめよう 博愛を広げるために」です。このテーマをロータリー活動あるいは実生活にどのように生かせばよいのかを考えてみたいと思います。
バネルジー会長は「こころの中を見つめよう」を「深く自らを省みること」と説明しています。反省をすることが必要だといっているのだと思います。反省には一日に三回の反省をすることまたは、論語にある三つの反省、さらには江田島の海軍兵学校では五つの反省などがあり、学生に教育勅語とともに教育されていたといわれます。
1、至誠に悖る勿りしか。1、言行に恥づる勿りしか。1、気力に欠くる勿りしか。
1、努力に憾み勿りしか。1、不精に亘る勿りしか。というものです。このような精神教育によって海軍の教育が行われたようです。
反省は自分を育てるうえで大変重要な手段です。しかし、一人では効果をあげにくいものでもあります。他人から指摘されたり、仲間とともに反省をすることで効果は大きくなるように思います。ロータリーが親睦によって仲間をつくり、例会によって仲間と集うことは自分を育てるためにも欠かすことのできない条件であるといえるでしょう。こうして考えてみますと、自分を育て自己改革をすることは決して容易ではなく、時には痛みや苦しみを伴うこともあるように思われます。また、精神力だけで物事が解決できるわけでもありません。
RIテーマはまず自己を高めることを求めています。そして「博愛を広げるために」と続きます。ロータリーでいう「人道的支援」を推奨しています。他の人のために役に立とうというものです。すなわち、自分を磨いて、人のためになろうということで、これはロータリーの目的そのものであると思います。
次にガバナーの信条として「ロータリーで楽しむこころを学ぶ」を掲げました。私たちのロータリー活動は楽しくなければならないと思います。そのためにはどのようにすればよいかを学ぶことが必要です。楽しいという感情は自然にわいてくるもので、自分ではコントロールできないと思われます。しかし、女子サッカーの世界選手権で優勝した“なでしこジャパン”の選手たちは、決勝でアメリカと対戦した時に実力では劣勢に思えましたが、楽しんで試合に臨むといって戦いました。結果は劣勢に立ちながら最後に勝つことができました。人は楽しむことで最大限の力を発揮するといわれます。実力では劣ると思われた相手に勝てたのは“なでしこジャパン”が実力のすべてを発揮したからだと思います。また、楽しむことも自分が意図することで作り出すことができるものだといえるでしょう。厳しい訓練を重ねてきた“なでしこジャパン”の選手だからなしえたと言えるのかもしれません。このように私たちはロータリーで楽しむためにはどのようにすればよいかを、ロータリー活動を通して学んでいきたいと思います。
次に本年度の社会奉仕活動として「認知症の人と家族を 社会として支援する」ことを奉仕活動の一つとして考えてみてくださいとお願いしました。認知症の人を診断し治療するのは専門の医療施設が担当しており、介護支援には介護福祉施設があります。このような専門家になっていただくのではなく、サッカーのサポーターのように医療福祉の専門家や家族を温かく見守り、外から支援する気持ちを持っていただきたいということです。たとえば介護に疲れた家族を慰めたり、孤独感から解放する方法を考えることも有効です。このような社会をつくるためにロータリアンの皆さんが率先していただければ幸いです。
最後に東北の地震、津波および原子力発電所の事故からの復興に私たちは何が出来るかを考え、行動に移していきたいと思います。
直前ガバナー年度に拠出していただいた義援金により、災害により遺児となった学生の育英資金とファイブ・フォー・ワンという制度を作り、被災したロータリー・クラブ1つと被災していない5つあるいはそれ以上のロータリー・クラブとの組み合わせで、物心両面で支援していくという準備が進められています。被災して職業の基盤を失ったロータリアンおよびロータリアン以外の全ての人が生活の基盤を再建するために、全国の非被災地域の同業または同業関連のロータリアンが職業を通じて知恵と力を出すことは今まで学んできた職業奉仕そのものであると思います。
その他にロータリー財団による東日本大震災復興基金が立ちあげられています。非常に広範囲で高度な災害であり、復興には長い時間を必要とします。ロータリー活動として継続した支援をしていくよう心を合わせていきたいと思います。
皆さまとともに楽しく有益なロータリー活動ができますことを願っております。