卓話時間

柚木宏君

昨年4月より約3ヶ月にわたり飛鳥に乗船し、27カ国を観光して帰国いたしました。さて現在は数多くの外国方面向けの旅行プランが出ておりますが、老齢になりますと航空機で目的地に向かい、連日各地を観光することには体力的に無理があり、断念せざるをえないことになります。その点客船であれば自宅にいると同じような条件で観光が出来ますのが利点だと思います。
　船内の生活については今までの経験で楽しく過ごしましたが、観光ではやはりエーゲ海やカリブ海の島々、さらに私の未知の国々については興味津々でありました。
　当時はソマリア沖には海賊が出現しており緊張に包まれましたが、自衛艦の警護で無事通過し、エーゲ海に入りましたが、海の色が美しく驚きの一言でした。
　さてマルタ島の遺跡は予想に反して見事なものであり、さらにクサダシ、ピレウスやバレッタ等数カ所を観光しながらフランス、イギリス、ドイツなど西洋諸国の観光に向かいましたが、以前訪れた時とあまり変わりなく美しい風景をみせてくれました。ノールウエイのフィヨールドは素晴らしく、両岸の家々は絵画を見るように美しく楽しいひと時でありました。その後アイスランドやコスタリカに寄港して地球の割れ目を見たり、米ソの核兵器削減を最初に討議した建物を見て当時の世界情勢を思い出し感慨を覚えました。その後は米国本土とハワイを観光して帰国の途につきましたが、丁度皆既日食にあたり太平洋上にて素晴らしい状態での観測が出来まして、船客からは勿論乗務員も大興奮状態でした。今からかえりみても本当に楽しい旅行であったと思っています。

飛鳥