卓話時間

第1747例会
2017年04月17日 (月曜日) 12:30
広島原爆障害対策協議会 平松恵一会長(RC会員)
同協議会健康管理・増進センター 藤原佐枝子所長(RC会員)
広島市医師会臨床検査センター  谷敷圭美センター長
第1746例会
2017年04月10日 (月曜日) 12:30
アメリカンドリーム代表 吉川浩司氏
第1745例会
2017年04月03日 (月曜日) 12:30
脚本家 鴨 義信氏

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第1320例会

2007年01月29日 (月曜日)

タイトル :
「広島水道物語」
卓話者 :
広島市水道事業管理者 水道局長  江郷道生 様

広島市水道局長 江郷 道生様

 広島市の水道は、明治31年(1898年)に、横浜、函館、長崎、大阪に次いで、全国5番目の近代水道として創設され、今年の8月で109周年を迎えます。
 水道が創設されるまで、市内ではコレラや赤痢、腸チフスが多発し、多くの死者を出しておりましたが、明治27年(1894年)9月に本市に大本営が設置されたことや、山陽鉄道が広島まで開通したこと、また、宇品港(現:広島港)が陸軍の軍用港に指定され、我が国唯一の兵站基地となったことになど伴い、我が国の水道史上他に例を見ない「水道布設のための緊急勅令」が公布され、軍用水道とこれに接続する「市民用水道」として創設されました。
 昭和20年(1945年)8月6日には、広島市に人類史上初めて原子爆弾が投下され、水道局職員186名のうち、83名が殉職するという悲惨な状況に加え、水道施設も壊滅的な打撃を受けましたが、非番の職員が傷つきながらも浄水場のポンプを復旧、運転し、断水することなく廃墟の街に水を送り続けました。このことが、現在まで断水のない広島水道の歴史を支える礎となっています。
 広島市の水道事業は、創設から現在まで、近隣町村との行政区域合併や人口増加に伴う水需要に対応するため7期にわたり拡張事業を実施しており、この結果、平成17年度(2005年度)の年間給水量は1億4,680万立方メートルで、給水人口は約118万人(安芸郡府中町及び坂町を含む)給水普及率は97.4パーセントとなりました。
 また、広島市の水道事業は、給水区域が北部、東部、西部の山地に囲まれ、低地に隣接する丘陵地や太田川を始めとする河川沿いに樹枝状に広がっており、浄水場から末端まで給水するためには、ポンプ所や配水池など、多くの配水施設が必要であるという特徴があります。
 これらの給水区域には、牛田浄水場、緑井浄水場、高陽浄水場の3つの主要浄水場と安芸郡府中町を主な給水区域とする府中浄水場等により給水を行っており、一日当たりの給水能力は約63万立方メートルを保有しております。
 このように、高普及時代を迎えた水道事業においては、災害等による断水が市民生活や社会経済活動に与える影響が極めて深刻であることから、水道施設の耐震化や老朽施設の更新を主要施策に位置付けて計画的に実施しており、平成17年度末(2005年度末)には、本市の主要浄水場である高陽浄水場と緑井浄水場を結ぶ連絡管(口径1,000mm)を整備したことにより、災害時等におけるバックアップ機能が大幅に強化され、より安定した給水が可能となりました。

 広島市の主要水源である太田川は、広島県北西部の西中国山地を源に約103キロメートル、大小72の河川を合流し広島湾に注いでおります。この太田川の流域は、豊かな自然に恵まれ、昭和60年(1985年)に中流域が環境庁(現:環境省)が全国から選定した「名水百選」に選ばれており、現在でも良好な水質を保っております。このため、広島市では、この豊かな清流太田川を守り、育むため、広島水道創設百周年にあたる平成10年度(1998年度)に、太田川の源流域である廿日市市吉和東に「太田川源流の森」355ヘクタールを取得し、この森を水源かん養に対する意識啓発の場として位置づけて、お客さま参加による植林活動や林業体験活動などを定期的に実施しており、平成17年度末(2005年度末)までに延べ6,663名のご参加をいただいております。
 また、水源の保全は上下流一体となって進めていく必要があることから、「広島市・廿日市市源流の森保全協議会」の設置や、太田川を水源とする5市5町及び広島県で組織する「太田川流域水源涵養推進協議会」を設置し、水源涵養意識の醸成を図るための取組も実施しています。
 近年における水需要の動向は、節水機器の普及等に伴い減少傾向にあるなかで、我が国の総人口は、2050年には総人口が約1億人に減少することも予測されており、長期的な水需要の減少も見込まれています。
 こうした中で、水道のライバルと言われているミネラルウォーター業界では、2005年の出荷量が183万トンに達し、金額ベースで1,400億円市場にまで拡大しています。
 需要が増加している理由につきましては、
1 健康志向
2 ペットボトルは持ち運びやすく、再封ができる
3 水道水が実際に美味しくないと感じた経験があった 等が考えられますが、果たして水道水は美味しくないのでしょうか。
 大都市圏と広島市について検証して見ると、東京や大阪などの大都市圏では、水源流域の急速な都市化や産業の発展等により水源の水質汚濁が進行し、一般的な浄水処理では満足できる水質が得られなくなる恐れが生じたことなどから、大阪市では、総事業費約753億円を投入し、平成12年度(2000年度)から市内全域へ高度処理水を給水しており、東京都においても、平成25年度(2013年度)までに、利根川水系の浄水場へ順次、高度浄水処理を導入する予定としています。
 次に、広島市の水道水ですが、広島市の主要水源である太田川は現在でも良好な水質を保っており、一般的な浄水処理で、安全で美味しい水道水を供給しています。
 水道局では、本年度から、お客さまに広島市のおいしい水を実体験として再認識していただくための取り組みとして、ボトルドウォーター「飲んでみんさい!広島の水」を1万本製作し、水道局が実施する各種イベント等で、「水道水をよりおいしく飲む方法」を記載したチラシとともに配布しております。
 こうした取り組みを地道に実施することにより、お客さまの蛇口回帰を図るとともに、水道事業者の責務として、将来にわたり安全でおいしい水を供給するための施設整備を着実に実施したいと考えております。

Posted by 事務局 at 12時30分

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