卓話時間
第1731例会
2016年12月05日 (月曜日)
- タイトル :
- ゲスト卓話「リオパラリンピックの報告」
- 卓話者 :
- 一般社団法人センターボール代表理事 田中時宗 様
ウィルチェアーラグビー リオパラリンピック銅メダリスト官野一彦選手
官野一彦(かんのかずひこ)選手は2016年ブラジルリオデジャネイロパラリンピック、ウィルチェアーラグビー種目にて日本チーム初となる銅メダルを獲得したアスリート。
官野選手の出身は千葉県木更津市。
幼い頃からスポーツに親しみ高校までは野球、社会人になってからはサーフィンに没頭しスポンサーが付くほど。
業務後にサーフィンを楽しんでいたところ、波に撒かれ海底と頭部を強打と同時に手足に激痛と痺れが走り、ただの打撲かと思ったが痛みや痺れは止まることなく助けを予防にも声が出ない状況でパニック状態であった。何とか救助され、一命は取り留めたもの担当医からは「もう歩くことは出来ない」と、受け入れることの出来ない事実を通行された。
しかし、自暴自棄になっていた官野選手を気丈に励ます母親が夜中病室ですすり泣く声を聞き、『強く生きよう』と車椅子になった自分を受け入れ第二の人生をスタートする。
現在は日本代表の中心メンバーとしてロンドンパラリンピックに引き続きリオパラリンピックメダル獲得に至るまで決して平坦な道ではなかった。
初めてパラリンピックに出場したロンドンパラリンピックでは3位決定戦でアメリカに破れ4位。帰国してメダルを獲得した選手が様々なメディアに取り上げられるのを横目にメダルの重さと、4年後は必ず自分たちがメダルを持って帰ると決意し帰国した日からトレーニングをスタートした。
過去最強のメンバーで望んだブラジル、リオパラリンピック。準決勝でオーストラリアに敗戦し全員が金メダルの獲得を信じていただけに、気持ちの糸が切れ掛かったが、官野選手が涙しながら『4年前のように悔しい想いをしたくない、この4年間死に物狂いでやってきた。どうしてもメダルを持って帰りたい』とチームに呼びかけ、10時間後に控えたブロンズメダルゲームに挑み見事悲願のメダルを掴み取った。
チーム、スタッフ全員で掴み取ったメダルは想像以上に重く、今までの挫折や、事故で車椅子になったことを思い出すと目頭が熱くなった。
車椅子になって不便なことは確かに増えましたが、決して私たちは不幸ではありません。
自分たちで掴み取れるし、夢を実現させる為に応援してくれる仲間がいる。
2020年には東京オリンピックパラリンピックで世界中から多くの方か一同に集まる機会。
ブームではなく文化にしていく為、2020年に向け、金メダルの獲得と、スポーツを通じて得た経験を発信している。