卓話時間
第1217例会
2004年08月30日 (月曜日)
- タイトル :
- 山一証券の教訓とゆめカード経営
- 卓話者 :
- イズミグループ(株)ゆめカード 代表取締役社長 滝本 繁氏
山一は実は二度破綻しているのです。1964年に経営危機に陥りましたが、この時は「日銀特融」で危機を免れました。そのときの教訓が生かされていれば、1997年の自主廃業は回避できたのではないかと思います。
教訓は「原価意識をもって、数量よりも利潤を追求すること」。しかし、四大証券の一角を死守することに一生懸命になり、法人の山一の名を汚さぬよう、主幹事になることに血道をあげ、そしてなにより、そのうち、そのうちと損失を隠し、安易に問題を先送りしてきた、その結果が破綻に繋がりました。
2度の破綻の教訓は思い込みは会社を誤らせる、そうならないため組織的、合理的経営に務める。短期ではなく、中長期で利益を生み続ける地力をつけること。そして、言い放し、やり放しにならぬよう結果が出るまでフォローする、施策のフォロー、この三点ではないかと思います。
経済の高度成長期は「経営不在」で上手くいった。マイナス成長の時代は「経営改革」で経営資源の選択と集中、企業統治の時代であったが、これからは「経営競争」、経営者自身が厳しく問われる時代になる。