卓話時間
第1203例会
2004年04月30日 (金曜日)
- タイトル :
- 若きリーダー熱く語るVol.2
- 卓話者 :
- 広島商工会議所青年部会長 高田 秀穂氏
21世紀は観光産業の時代といわれております。ようやくここ広島においても 市・商工会議所・経済同友会と観光を重点施策にあげるようになって来ました。これは観光の経済波及効果が大変大きいためです。宿泊客一人当たりの経済効果は定住者の約13人分に当たるとされています。
3年前日経新聞に(財)日本交通公社の報告として広島は衰退型観光地の代表として掲載されました。札幌・仙台・福岡と比べてみても この3都市の観光客が年間1500万人前後であるのに対して広島のそれは500万人程度少なくなっています。平成14年の実績では930万人弱です。残念ながら 熱海市の800万人と大差ない数字です。
原因として 知名度の高さに胡坐をかき観光施策をないがしろにしてきたことがあげられます。観光客誘致は地域間競争ですから等閑にしておくと必然お客様は減っていきます。
しかし広島は無いものがない街です。都心から1時間でゴルフもスキーも釣りも楽しめる都市はここだけでしょう。カープを筆頭としたプロ球団や文化施設・競技施設なども充実しています。また瀬戸内海の多島美は ここを訪れる外国のお客様が異口同音にエーゲ海に劣らないと評価しておられるところです。
最近の傾向として 旅行形態が文字通りの観光から 体験型といわれるものへ変化しています。専門家のガイドによって自然を体験したり 高じてはヒマラヤのトレッキングなどまで旅行商品になっています。では広島のような都市型の観光地における体験とは一体何でしょう。観光客からの聞き取り調査によると 旅先で訪れたい町とは住む人々が生き生きと楽しそうに生活している町だと結果が出ています。広島を訪れる方が少ないということは 言葉を変えればここに暮らす我々に元気がないという事でしょう。来年秋 およそ20年ぶりにJRが広島をターゲットに大型の旅行キャンペーンをします。被爆と抗議の町のイメージから脱皮し、笑顔のあふれる町として全国から来るお客様をお迎えしたいものです。