卓話時間
第1564例会
2012年11月19日 (月曜日)
- タイトル :
- 新会員卓話 「自己紹介」
- 卓話者 :
- 田中純子君
広島大学大学院 医歯薬保健学研究院 疫学・疾病制御学 田中純子
悪性新生物による部位別死因の第4位をしめる「肝」がんについては、近年の高齢化の影響を調整した肝がん死亡の全体リスクは減少傾向を示しているものの、肝がん死亡の実数は依然として3万人を超え、わが国の疾病対策上、重要な疾患のひとつです。
これまでの血清疫学的また病理学的研究の成果から、肝癌の原因の8割以上が肝炎ウイルスの持続感染を起因としたものであり、特にC型肝炎ウイルス(HCV)に起因するものが多いことが明らかとなっています。現時点のわが国の肝炎ウイルスの感染状況とその対策について疫学的視点からご紹介します。
悪性新生物による部位別死因の第3位をしめる「肝」がんについては、近年の高齢化の影響を調整した肝がん死亡の全体リスクは減少傾向を示しているものの、肝がん死亡の実数は依然として3万人を超え、わが国の疾病対策上、無視できない疾患のひとつである。また、その原因の8割以上が肝炎ウイルスの持続感染を起因とし、特にC型肝炎ウイルス(HCV)に起因するものが多いことが明らかとなっている。肝炎ウイルスの感染状況を疫学的視点から検討することは、現在および将来の感染予防対策のみならず、キャリア対策、治療戦略を含んだ医療政策を構築する上にも重要であると考えられる。2000年以後に得られた二つの大規模集団の成績を元にした、地域別出生年コホート別にみた肝炎ウイルス感染率の状況および社会に潜在するキャリアの推計数等を中心とした疫学的知見を紹介する。
10万人対肝がん死亡の年次推移は、全体では2002年にピークを迎え足踏み状態であるが、女性では依然として微増傾向がみられる。年齢調整死亡率では、1995年以後、男女とも減少傾向にある。