卓話時間
第1559例会
2012年10月15日 (月曜日)
- タイトル :
- クラブフォーラム(職業奉仕)
「私の職場からみた職業奉仕」
- 卓話者 :
- 職業奉仕委員長 村上恒二君
職業奉仕月間を迎えて、奉仕とは何かの理解のために、職業奉仕あるいは奉仕に関する記載を「クラブ会報」、「ロータリーの友」から抜粋致しました。奉仕活動を通して、標語が自分の言葉で話せるようになりたい、あるいは先輩の会員に一歩でも追いつきたいとの思いから勉強してみましたが、何事も当事者になってみないと身につかないことを実感致しました。
記事の中には、「奉仕委員会は、その活動が良く見えることから、ロータリーの花とも言われます。一輪の美しい花を咲かせられるように努力したい」との素晴らしいコメントもありました。その姿を、見えるようなかたち・活動にして実践する委員会だと考えて、何かしら一輪の美しい花を咲かせられるように頑張りたいと思います。以下、皆様の職業奉仕活動に何かお役に立てれば幸いです。
1.『超我の奉仕(Service Above Self) 』:ロータリーにおける第一の公式標語:
これは「ロータリーの奉仕哲学」であり、他人を思いやり、他人のために尽くすことで、誰の人生をもさらに豊かで有意義なものにする最高の生き方を示しています。ロータリーの基本理念 を示しています。
(2009-2010年度広島東ロータリークラブ会報、 2010,1月号、No.734,p3、国際ロータリーテーマ、第一回ロータリー情報委員会、informed meeting 資料)
2.「最も良く奉仕する者、最も多く報われる。(One Profits Most Who Serves Best.2010年規定審議会で主語をTheyからOneに変更)」:ロータリーにおける第二の公式標語:
利己的欲求と、義務およびこれに伴う他人の為に奉仕したいという感情との間に、常に存在する矛盾・葛藤を和らげようとする人生哲学です。 実践倫理の原則を示しています。
(2009-2010年度広島東ロータリークラブ会報、 2010,1月号、No.734,p3、国際ロータリーテーマ、第一回ロータリー情報委員会、informed meeting 資料)
3.職業奉仕とロータリーにおける五大奉仕部門
四大奉仕部門は、第一奉仕部門 クラブ奉仕、第二奉仕部門 職業奉仕、第三奉仕部門 社会奉仕、第四奉仕部門 国際奉仕です。 国際ロータリー2010年規定審議会(2010.4.25、シカゴ)において、標準ロータリークラブ定款の第五条に、第五奉仕部門 新世代奉仕が加わって五大奉仕部門となりました。
(ロータリー情報委員会、大本和則委員長、広島西ロータリークラブ会報、No.2013、2011,1.20.例会)
4.奉仕の理想と奉仕の哲学
親睦と友愛から(クラブ奉仕)、 職業奉仕が生まれ(職業奉仕)、 社会への奉仕へと拡大し(社会奉仕)、 それが広がって世界平和を目指す国際奉仕となり (国際奉仕)、次の世代を育てようと言う新世代奉仕が加わる (新世代奉仕)。 これらを貫く思想は、奉仕の理想と奉仕の哲学である。
(井原 俊彦、広島西ロータリークラブ会報、No2078、2012.6.21)
5.ロータリーの五大奉仕は活動を導く指針である。
①クラブ奉仕:会員が楽しみ、末長い友情を築くとともに、クラブのスムースな運営を促進する。
②職業奉仕:自分の職業スキルを奉仕に生かし、あらゆる 行動における高潔さを推進する。
③社会奉仕:地元地域のニーズに取り組み、長期的な改善をもたらすために地域の人々とともに活動する 。
④国際奉仕:世界中の人道的ニーズに取り組み、世界理解と平和を推進する。
⑤新世代奉仕:青少年や若者たちとの活動を行い、次世代のリーダー、時代の先駆者、平和構築者を育成する。
(ロータリーの基本知識、新会員のためのガイド、ロータリーの友、 8月号、Vol.60, No8, 2012年)
6.職業奉仕月間を覚えて―職業奉仕の歴史と意義
1)1905年:ロータリーが創設される。
2)1927年:職業奉仕(Vocational Service)が公式に標語となる。
職業が英語の occupation(職業、占有)や profession(専門職)ではなく、 vocation(特に人、社会に尽くす職業)が使われていることを重視すべきである。
3)1987年:職業奉仕に関する声明が発表された。
「職業奉仕とはあらゆる職業に携わる中で、奉仕の理想を活かしていくことを、ロータリーが育成支援していくことである。」
その中で職業奉仕の理想に込められていることを3点挙げている。
①あらゆる職業において最も高度な倫理・道徳水準を守り、推進すること
②あらゆる有用な職業を社会に対する価値あるものと認めること
③自己の職業上の手腕を社会問題やニーズに役立てること
4)1989年:ロータリアンの職業宣言が出された。
「職業は奉仕の一つの機会になると心に銘記せよ」、他11項目の要点整理がなされた。
①ロータリアンは個人としての自己の職業の中に、ロータリーの心を活かすように求められている。
②Vocationの語源はラテン語の vocare(呼びかける)である。
③キリスト教世界では職業は“神に呼ばれて就いている”ことであり、 日本語では“天職“にあたるのでしょう。
④私たち自身の職業を“呼ばれて就いている”、“天職”として誠心誠意努めることにより、家庭、職場、地域社会に奉仕し、最終的に世界平和に繋がるのでしょう。
(黒瀬 真一郎、職業奉仕月間を覚えてー職業奉仕の歴史と意義、広島中央ロータリークラブ会報、2009-2010、10月号、Vol.366)
7.ロータリアンの職業宣言(1989年)
1)職業は奉仕の一つの機会なりと銘せよ。
職業奉仕がロータリーの最大の特徴であることを自覚し、正しく理解して、実践せよ。昨今のロータリアンによる食品偽装など当たり前のことが当たり前に実践されていない。
2)職業の倫理的規範、国の法律、地域社会の道徳的基準に対し、名実ともに忠実であれ。
この条項は違反した場合に被る損失(犯罪、信用失墜)が大きいために自然と意識実践されているか。 人の目、他人に及ぼす迷惑という要因は、職業を正しく行う上で大きなモチベーションとなっている。
3)職業の品位を保ち、自ら選んだ職業において、最高度の倫理的水準を推進すべく全力を尽くせ。
4)雇い主、従業員、同僚、同業者、顧客、公衆、その他の専門職務上関係を持つ全ての人々に対し、等しく公正なるべし。
経済状況が厳しい昨今は、利己利他バランスをとるのが難しい場面も多くあるが、これらを真摯に実践することが必ず良い結果につながるとの強い信念を持つことが大切。
良い結果とは、具体的には「利己と利他の共存」、すなわち自らの事業の繁栄と、結果として地域社会の繁栄をも成し遂げるという、ロータリーの職業奉仕の理想とする結果のことを意味している。
5)社会に有用な全ての業務に対し、当然それに伴う名誉と敬意を表すべき事をしれ。
ロータリアンはロータリアンでない人と比べて格段に当たり前のことを当たり前に行うことができなくてはならない。ロータリアンの不祥事はあってはならない。
6)自己の職業上の手腕を捧げて、青少年に機会を開き、他人からの、格別の要請にも応え、地域社会の生活の質を高めよ。
7)広告に際し、また自己の事業または専門職務に関して、これを世に問うにあたっては、正直専一なるべし。
8)事業または専門職務上の関係において、普通には得られない便宜ないし特典を、同僚ロータリアンに求めず、また与うることなかれ。
(ロータリアンの職業宣言(1989年)、2009-2010 職業奉仕クラブフォーラム、広島西ロータリークラブ会報、No.1960)
8.職業奉仕とは
1)ロータリークラブは、企業経営者、専門職といった職業人の集まり。会員はそれぞれの職業を代表してクラブに入会する。
2)会員候補者は、その時点で既にその職業において高い見識と業績を積み上げてきた人ばかりである。
3)そういった人々が集まって、互いに切磋琢磨し、自らの人格と職業倫理の更なる向上に努める。(ロータリーにおける「職業奉仕」の基本)
4)自らの企業の倫理性を高め、従業員やその家族に対する責任や社会に対する責任を果たすこと
5)倫理にかなった事業を営むことが顧客の満足と感謝を生み、企業の信用性を高め、結果として自己の企業の安定的かつ永続的な利潤を確保していくことにつながる
6)職業奉仕には、自らの職業における専門的知識を通じて互いの知恵を交換し、同業者団体の発展に寄与していく
(ロータリーの基本知識 新会員のためのガイド、ロータリーの友 8月号、2012 )
9.「四つのテスト」とはロータリアンの道徳的指標である。
1)四つのテストは、職業奉仕の重要なポイントの一つであります。
シカゴロータリーのハーバート J. テーラーが、1932年に、39歳で、倒産寸前のアルミニュウーム製品工場を再建しました。彼は実業家であると共に、クリスチャンでもありました。四つのテストの原版は、聖書の中に書かれている、エレミア書の第9章23節から24節にある。知恵あるものはその知恵を誇ってはならない。力あるものは、その力を誇ってはならない。富めるものは、その富を誇ってはならない。誇って良いものは、神が慈しみと公平と正義を行っているものを良しとされているのを知っていることだけで良い。これを基に四つのテストを考えて、ハーバート・テイラーは会社を再建しました。再建を引き受けたときに考えた企業の倫理指針です。
2)ロータリアンたちの職業倫理の指針として広く愛されている。
3)高潔さを重んじる精神を良く表している
4)ロータリアンの道徳的指標である。
5)人生のあらゆる面で適応すべき、特に事業生活、職業生活の面で活用することが ふさわしい
(広島西ロータリークラブ会報、No.1967、2010、p4)
(大畑哲也、広島城南ロータリークラブ会報、2012年9月14日号、No.207-1)
10.週に一回の例会出席と職業奉仕
1)ロータリーメンバーとして、各々の専門分野で高い倫理基準を持ち、仕事に誇りを持っていこうではないか。
2)そうすれば、おのずと企業も発展し、社会の発展につながっていく。
3)あわただしい業務に追われ、もしかしたら倫理感・道徳観を低下させていることもあるかも知れない。
4)週に1回の例会の際に、このロータリーの綱領に従って行動できているかどうかを確認し、振り返り、もし少しでも齟齬があればすぐに反省し、修正する。
4)その行為の繰り返しがロータリー活動ではないか。
(プログラムRLIの実践、西南ロータリー例会、第1148例会、2010.9.9 )
11.ロータリーの綱領に示されている職業奉仕
第1 奉仕の機会として知り合いを広めること・・・クラブ奉仕
第2 事業および専門職務の道徳的水準を高めること。
あらゆる有用な業務は尊重されるべきであるという認識を深めること。
そしてロータリアン各自が業務を通じて社会に奉仕するために、その業務を品位あらしめること・・・職業奉仕
第3 ロータリアンすべてが、その個人生活、事業生活および社会生活につねに奉仕の理想を適用すること・・・社会奉仕
第4 奉仕の理想に結ばれた、事業と専門職に携わる人の世界的親交によって、国際間の理解と親善と平和を推進すること・・・国 際奉仕
(毎月の「ロータリーの友」、p4)
12.ロータリーの真の姿とは、“ESS”で表せる
E : Enjoy(楽しむ):毎週の例会で地区の職業を代表する。会員同士が信頼感を高めながら心から楽しむ。
S : Study(学ぶ):人生哲学、職業倫理を学び自己研鑽し人間性を高める。
S : Service(奉仕する):思いやりの心で人のお役に立つ行動というロータリーの奉仕をごく自然に自分の生活の中に活かし、人のために尽くす。
ロータリーの真の姿、ESSは、私達ロータリークラブ会員が、お互いに磨きあい、楽しみ、学び、奉仕することが、人間の真の満足を満たす道になる。
(田原栄一、会員卓話ロータリー情報セミナー、ロータリーの歴史から学ぶ、2010.9.13.第1471例会、広島中央ロータリー会報、」2010-2011、9月号、Vol.377)
13.ロータリーの十快における職業奉仕
クラブと会員との約束の喜び
1)ロータリー出席の快
2)会員増強の快
3)クラブ行事に参加の快
4)国際大会、地区大会、IMなどに参加の快
5)ロータリー財団に協力の快
6)米山記念奨学会支援の快
7)職業を通じて社会に貢献する快
8)新世代の若人と交流する快
9)地域社会、世界社会奉仕に携わる快
10)世界ロータリー家族と交流する快
(山崎清司、十戒と十快:ロータリーの友、3月号,p35,2011.)
14.ロータリーの魅力について
・私どもは縁あってロータリーの世界に入りました。ロータリーとは『一生もん』です。
・単なる昼食会ではさびしいではありませんか。
・感性的親睦のみでもさびしいではありませんか。
・ロータリーを知ることの楽しさ、自ら学ぶことの楽しさを感じましょう。
・ロータリー哲学(奉仕の理想)を実践することは、必ずや、他人を助け、ひいては自らの人生を照らし、いずれは自己の職業を隆々して栄かえさせるのです。
・ロータリアンとしての誇りを持って、ロータリー人生を楽しみましょう。
(鵜野 俊雄、ガバナー補佐、ロータリーの魅力について、国際ロータリー第2710地区グループ6、「あるパストガバナーの言葉」、広島陵北ロータリークラブ-The Weekly Report-、2012.9.5、No.1009号)
15.リーダーシップにとって、「有言実行」と「職業上」の「高潔性と卓越性」が重要なものである。
皆様には、常に正しい道を行くか、間違った道を行くかの選択肢があります。
正しい道とは、他者に与え、分かち合い、愛情を示す道であります。
一方、間違った道とは、他者から奪い、搾取し、ねたむ道です。
どちらを選択するかが、その人の人間性を決めるのだということを忘れてはなりません。
人は職業の尊厳と、誠意から生まれる透明性を通じて、自らの仕事に目的と充足と卓越性を求めるものです。
他者を思いやり、人のために役立ちたいという気持ちは、まさにロータリーの崇高な理想です。
この理想を成し遂げるのに、裕福である必要も、有名である必要もありません。
心の中を見つめなければなりません。
(心の中を見つめよう、博愛を広げるために、2011年国際協議会レポート、ロータリーの友、2011、vol.3:23-26)
16.自分の職業からみた職場奉仕として、私の40年間の職業のうち最初の10年の経験から、「忘己利他と利己」について分析を試み発表した(村上恒二)。