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第1747例会
2017年04月17日 (月曜日) 12:30
広島原爆障害対策協議会 平松恵一会長(RC会員)
同協議会健康管理・増進センター 藤原佐枝子所長(RC会員)
広島市医師会臨床検査センター  谷敷圭美センター長
第1746例会
2017年04月10日 (月曜日) 12:30
アメリカンドリーム代表 吉川浩司氏
第1745例会
2017年04月03日 (月曜日) 12:30
脚本家 鴨 義信氏

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第1520例会

2011年11月14日 (月曜日)

タイトル :
広島市の特別支援教育について
卓話者 :
広島市教育委員会学校教育部
特別支援教育課長 島筒 篤氏

特別支援教育課長 島筒 篤氏

「広島市の特別支援教育について」のお話の前に、全国における特別支援教育に至る経緯や特別支援教育の理念について、お話しさせていただきます。
 平成18年度までは、障害のある児童生徒への教育は特殊教育または障害児教育と呼ばれ、盲・聾・養護学校や特殊(障害児)学級や通級による指導による特別の場で行われてきました。
 平成19年4月から特別支援教育が法的にされ、平成19年4月1日付けの文部科学省の通知文「特別支援教育の推進について」によると、「特別支援教育は、障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、幼児児童生徒の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うものである。」とされました。また、特別支援教育は幼稚園、小学校、中学校、高等学校においては、教育上特別な支援を必要とする幼児、児童及び生徒に対し、特別支援学校、特別支援学級、通級による指導、通常の学級において、全ての学校で実施するものとされました。
 こうした経緯を踏まえ、特別支援教育の理解・啓発を進めてきており、特別支援学校や特別支援学級の児童生徒数は年々増加している現状があります。

広島市における特別支援教育については、市内唯一の特別支援学校である、広島市立広島特別支援学校について主にお話をさせていただきます。
 県立の特別支援学校は、視覚障害の特別支援学校が1校、聴覚障害の特別支援学校が2校、肢体不自由の特別支援学校が3校、知的障害の特別支援学校が8校で、県内においては、市立特別支援学校と合わせ、全体で16校設置されています。
 知的障害の特別支援学校は、それぞれ就学する区域が分けられており、広島市内においては中・東・南・西・安芸区が広島市立広島特別支援学校、佐伯区は廿日市特別支援学校、安佐南区・安佐北区は広島北特別支援学校とされており、安芸区は呉特別支援学校にも通学できるようになっています。
ほとんどの児童生徒はスクールバスで通学しており、広島市立広島特別支援学校においては17路線を設けています。
広島特別支援学校は、平成58年、現在の大手町に小学部・中学部を開校しました。平成63年、児童生徒の増加により、安佐南区と安佐北区を就学区域とする県立広島北特別支援学校が開設されました。また、平成5年に新たに高等部を開設し、現在に至っています。児童生徒数について平成18年度は全体で248名でしたが、平成23年度には
322名と1.5倍に増加しています。これは全国的においても増加傾向にあり、特別支援学校を新たに設置している現状があります。
 広島特別支援学校は児童生徒の増加に対し、教室を分割したりグランドにプレハブ校舎を建てて対応してきましたが、それでも対応できない現状があり、平成15年3月に広島市特別支援教育基本構想策定委員会で、施設設備の老朽化、児童生徒の増加による過密化、児童生徒の障害の重度・重複化、多様化による建替の必要性が提言されました。
 それから建替候補地の選定に時間がかかりましたが、出島4丁目に2.5haの用地を購入し、平成22年2月に着工しました。現在建設工事は順調に行われており、来年7月には完成し、9月に開校予定の運びとなっています。
 施設の概要としては、児童生徒が生活する校舎棟は地上2階として障害者にやさしいバリアフリーの作りとなっており、全館空調設備を整備しています。また、屋内運動場を設けて、屋根には太陽光発電を整備し、空調設備も整備しています。また、水治訓練機能を兼ねる温水プールを屋内に設置しています。またグランドのトラック内に芝を植えており、敷地内に農園も整備しています。
 広島特別支援学校の学校目標は、「児童生徒の自立と社会参加を目指し、一人一人の力を伸ばして、主体性をもって豊かに生きる人間を育てる。」としています。目指す学校像として、「家庭や地域社会から信頼され、本市の特別支援教育のセンターとしての役割を果たす学校」としており、個々の生徒の進路先を想定し、細分化した教育課程を編成し、教育を行っています。
 卒業生の進路としては、企業、作業所、介護サービス等となっています。
 近年、軽度の知的障害のある入学者が増加し、これらの生徒の多くが企業への就労を希望しており、その生徒の教育的ニーズに対応した教育課程の編成が必要となっています。さらに、近年の雇用情勢の悪化により、障害のある生徒の企業就労率も伸び悩んできており、企業就労率の向上を図るための取組が必要になっています。
 そこで、軽度の知的障害のある生徒のニーズに対応するため、高等部に普通科職業コースを平成24年4月から設置することとしました。普通科職業コースは定員を2学級16名とし、入学者の選考試験を実施することとしています。また、目指す生徒像を「企業就労に向け、必要な知識・技能・態度を身に付ける生徒」「生き生きと働き、社会参加する生徒」としています。
 
次に特別支援学級在籍児童生徒数の推移についてですが、平成13年度に772名でしたが、平成22年度には1,369名と10年までに比べ、約2倍へと急増している現状があり、一人一人児童生徒の障害の状態等に応じたきめ細かな指導を充実する必要があります。
また、通常学級に籍をおいて、週に1~2時間程度学習指導を行う「通級指導教室」を小学校では15校27教室、中学校では2校2教室設置しており、平成22年度には346名の児童生徒が教室に通ってきています。
また、小・中学校の通常の学級においては発達障害などの教育上特別な支援を必要とする児童生徒が、全体で2,017名という報告を学校から受けており、個別のニーズに丁寧に対応していく必要があります。
以上で、「広島市の特別支援教育について」の発表を終わります。

Posted by IT at 12時30分

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