卓話時間
第1402例会
2009年01月26日 (月曜日)
- タイトル :
- 子供たちの祈り 「I PRAY 」
- 卓話者 :
- 構成、演出 木原世宥子氏
昨年8月21日アステールプラザにて「I PRAY 」公演にご支援ご協力いただき誠にありがとうございました。1時期は公演を断念しなくてはならないかと思いましたが、お陰様で無事成功に終わることができました。心より感謝申しあげます。また今日はこのようにお話をさせていただける機会まで頂きありがとうございます。
今から12年前、厚生年金ホールでの8月5日の平和集会で平和をテーマに何かできないかと言われたのがきっかけで子供たちと平和を願って平和創作劇「I PRAY」を13回公演して参りました。道端の花を見て、空の星を見て「綺麗だなあ」と素直に感じられる、素直な感受性の高い子供たちでいて欲しい!感受性や体力など段々スケールが小さくなっていってる子供たちに音楽・ダンスを通じて元気と笑顔をあげること、人として忘れかけている大切な事を伝えるのが私の仕事だと思っています。「I PRAY」の練習を重ねるうちに子供たちはドンドン変わっていきます。「一寸の火傷で痛いでしょう、体中が火傷してそれでもお母さんや兄弟を探して回る、痛さ忘れるほど怖い、喉が渇いて焼けてて死にそう、それってどんなだと思う?」そんな問いかけから稽古を始めて行きます。「何の為に演じるの?」「どうしたら皆に思いが伝わるの?」「みんなの笑顔でどれだけの人が救われるかわかる?」 稽古が進むにつれ、子供たちは本気で怖いと泣きながら演じ、笑顔ができなかった子供もキラキラした笑顔で心込めて歌って踊れるように、、そして質問しても黙り込んでしまってた子供たちがはっきりと答えられて自分の思いを伝えられるようになって行きます。この子たちがきっと平和な世界を作ってくれる、、明るい未来が、、。子供たちのメッセージI PRAY「この地広島からあの夏の出来事とともに、再び核の被害をくりかえしてはならないと全世界に伝えていかなければなりません。それが私達にできることであり、私達の使命だと思います。原爆犠牲者のご冥福を祈り、平和への祈りを込めて大切なあなたに伝えます。」この輪が広がっていけば、皆が手をとれあえば、いじめのない戦いのない平和な世界に一歩でも近づくと子供たちも信じて、願って演じています。
本番を終えた日には反抗的だった子供がお母さんに「お母さん生んでくれてありがとう」と言ってくれたと感謝のメールをいただきました。子供たちそして一緒に参加したお母さん方にとってI PRAY は平和について戦争について、またいつもの生活がいかに平和で幸せなことか考えることのできる公演となったと思います。「一人で死んで行ってどんなに寂しく怖かっただろう。」「被爆シーンの練習の後、家に帰ったらお母さんがいてよかったと思って安心して涙が出た。」「毎日学校に行って、友達と遊んで、寝ておきてなんかいつも繰り返しでつまらないと思ってたことが幸せのことなんだなーと思った。」「このI PRAYを皆に見てもらって戦争のない平和な世界にして欲しい。」「絶対戦争も、いじめもいけないことだと思います。」質問しても何も言えなかった子供たちがこんなことを言ってくれました。
子供たちが願うように沢山の人々に見てもらい、沢山の人に出演してもらえたら平和の大切さ、戦争の怖さを伝えていけます。あの夏の悲惨な出来事に目をそむけるのではなく、忘れないように伝えて行かなければならないと思います。いつか海外の人にも一緒に演じて見てもらいたいと願い、きっといつか実現できると信じています。1人でも多くの人に平和について考えてもらうために続けることを子供たちと約束をしました。
昨年の公演のDVDを見てくださったドイツの侯爵からのお話で、今年はハンガリーのブタッペストでの公演を予定しており、念願の海外公演が実現しそうです。ヨーロッパでは戦争は日本と違ってまだ昨日のことのように考えられている、と聞きました。是非ハンガリーの方たちに「I PRAY」を見ていただけたらと思います。昨年以上の良い作品になるように1月11日より稽古を始めました。8月2日(日)はアステールプラザにてゲストにオペラユニット{レジェンド}の皆様をお迎えして14回目の公演をいたします。どうかこれからもご支援とご協力のほどよろしくお願いいたします。
今回お話をさせていただいたことに心より感謝いたします。ありがとうございました。