卓話時間
第1370例会
2008年04月07日 (月曜日)
- タイトル :
- 新会員卓話
「環境分析業界の現状とわが社の紹介」
- 卓話者 :
- 吉川 惠君
1.私たちの会社はこのようなことを行っています
労働安全法に基づく作業環境
粉塵作業場、特定化学物質の製造又は取扱う作業場、鉛業務作業場、有機溶剤の製造又は取扱う作業場、騒音、暑熱作業場など
大気汚染
「大気汚染防止法」「騒音、振動規正法」「悪臭防止法」に基づく測定
水質調査
「水質汚濁防止法」(生活環境項目、健康項目)に基づく水質分析
土壌汚染調査
「土壌汚染対策法」に基づく土壌分析
固形物質調査
「廃棄物の処理および清掃に関する法律」に基づく試験
特殊分析
特殊分析&その他
鉄鋼関係(鋼材組成・スラグ組成・降下ばいじん等)
研究支援(ボイラー脱硫性能試験・脱硝性能試験等)
開発共同研究(ガスアンモニア濃度測定等)
LAセンター
環境分析センター(同業者)向けの自動分析装置を開発、製造、販売しています。
・環境計量用自動分析装置開発、製造
・飲料水自動分析装置開発、製造
・製造プラント用各種モニター開発、製造
・化学分析特注品装置開発、製造
2. 環境分析はなぜ必要?
工場から排出する排気ガスや工場排水には大気汚染防止法や水質汚濁防止法という法律で排出基準という規制がかけられています。
事業主はこれらの規制基準を絶えずクリアしている義務があります。規制を守るためには定期的に排ガスや排水が基準をクリアしているかどうかを測定、分析して監視する必要があります。
事業者が自ら分析測定して監視すればいいのですが、それには分析技術者と分析装置が必要です。事業者にそれらが備わっていない場合は、分析できる試験所へ委託することになります。
このような環境分析の委託を受けておこなう機関は、あらかじめ県から計量証明事業の登録を得て行う必要があります。
わたしたちはこの計量証明事業の登録をいただいてお客様である事業所から環境分析の委託を受け、分析測定をして計量証明書を発行しています。
事業登録するためには、環境計量士の資格と、分析計測のための設備が必要です。
また、頻繁に新しい物質が規制項目に追加されますので、その分析技術の確立と必要な設備導入をしています。
3. 環境分析業界の現状
10人以下の事業所数が58%を占め、50人以上の事業所が4%と中小零細規模の多い企業の業界です。売上規模は、1社当たり平均で1.3億円。50人以上の規模で8億円です。
広島県は会社数30社あり、1000人規模の会社、100人規模の会社と、全国的にも規模の大きい分析センターがあります。
4.経営理念
私たちの使命は、科学者としての本分に徹し化学分析、計測、分析装置開発を通して、あらゆる物象を解明し、その価値を創造し高めることによって、人に、社会に、地球に貢献することです
私たちは分析、計測という業務の中で、科学をしています。科学をしているということは科学者です。私たちは、科学者として、進んですべきこと、絶対してはいけないことをしっかりと踏まえて事に当たることが必要です。
また、私たちは日々、仕事、業務を通してあらゆるもの物事、現象を解明することをしています。そのことは価値を創造したり、高めたりすることに通じそれを通して人、社会、地球環境に対して貢献することが私たちが集まって会社を組織し業務を行ってゆくことの使命だと考えています。
5.ラボテック株式会社の今とこれから
私たちの会社は、創業18年を迎えました。平成2年の発足の時期にはすでに県内には多くの同業の企業がありましたが、「自動分析装置を作る会社」ということで、同業他社との摩擦を最小限に保って生き延びてくることができたと考えています。
社内制度では、誕生日休暇制、フレックスタイム制、育児休暇制、継続雇用制、パートの人も含む雇用保険や社会保険などの各種制度を導入しています。
行事としては、創立記念式、社員旅行、秋のラボテック祭り、スポーツ大会など楽しい行事を行っています。
社員の活動では、「社員会」、「マナー向上委員会」、「交通安全推進委員会」又、最近では「社内美化委員会」、「図書委員会」、「感謝推進委員会」、「エコ委員会」が発足しました。
これまで業務に追われてできてきていなかった従業員への教育や、社風改善、そのことを通して顧客へのサービス向上を目的に2年前から教育コンサルタントの導入もしています。
本社を現在の位置に移した秋に、第一回ラボテック感謝祭というイベントを会社の裏庭で開催しました。その時、「うるさい。迷惑だ」という近所からのクレームが入ったことがありました。その時私たちはこのようなクレームに対してどのように対処したらいいか悩みました。
その結論は、地域から愛される社員や会社となれたらこのようなクレームは少なくなるのではないかと考え、「地域貢献」ということに微力ながらも行動を始めようということになりました。
現在はLAセンターは毎週水曜日に、本社は毎月最初の月曜日に全社員で会社の周りの清掃をしています。
将来はこれまで培ってきた分析技術をもとに、これから環境問題が起こるであろう国に、分析センターを作ることを考え始めています。まだ調査段階ですが、その国の技術者をラボテックに招いてしばらく分析技術を習得してもらい、ゆくゆくは共同で分析センターを開業したいと考えています。