卓話時間
第1291例会
2006年05月15日 (月曜日)
- タイトル :
- クラブフォーラム(クラブ奉仕B部門)
- 卓話者 :
- B部門理事、委員長 まとめ:親睦活動・ロータリー家族員会 三宅恭次君
2005-6年度も後、一ヶ月余りとなりました。
私、親睦活動・ロータリー家族委員会委員長を拝命し、当初、あれもやろう、これもやろう、と思っておりましたが、リーダーシップがなく、力不足と最後は熱意にも欠け、十分なことが出来なかったことをまずもって、お詫び致します。
本日はクラブ奉仕B部門のクラブフォーラムですが、プログラム委員会、出席委員会は全く問題なく、特に出席委員会は吉川委員長の元気あふれる報告、先生方の健康一口メモなど新機軸で、100%出席が連続する等、大きな成果を上げてこられました。
一方、親睦は先ほど言いましたように、十分な成果を上げ得ませんでした。
これを受けて、赤羽理事・委員長の意向で、本日のフォーラムは家族の参加問題も含め「親睦」について、今後に展望が開けるような話が出来たらということで、皆様のご意見を伺う機会として、設定されました。
まず、この一年を振り返ってみますと、年度計画は大きく2つに分かれます。ひとつは例年通りの外すことの出来ない行事計画、例えば夏とクリスマスの家族例会、創立記念例会などの計画立案、実施です。これについては不十分ではありますが、一定のことが成し得たのでは、と思っております。
今ひとつが、新しい試みとして、国際奉仕の観点から、広島留学生会館との連携による留学生との交流、これは三月に退職されましたが荒木館長を存じ上げており、館長の「是非、会館を有効利用して欲しい。留学生による料理教室など如何ですか」といった話を受け、取り組もうとしたものです。この留学生会館との交流は安芸RCが毎年行っておられます。しかし、このプロジェクトは実現に至りませんでした。
さらに広島の三大プロである、カープ、サンフレッチェ、広響の観戦、観賞や小人数の会員、家族による「趣味講座」のようなものは出来ないか、勿論、現在ある同好会とバッティングしないものでとの前提で、ですが…。
そこで、特に「趣味講座」については、皆様にアンケートを行いました。その結果6名の方からご回答を頂きました。
いずれも、この試みには賛成頂き、3名はぜひ参加したい、他の3名は趣旨には賛成だが、時間的な問題等で参加できないだろう、ということでした。
この時点で、再度、アンケートのお願いをすればよかったのですが、回答数が少なかったことで、皆様方に賛同いただけなかったと判断、今日に至っております。
この試みの趣旨、といっても実際は実行していないのですが…、これは少人数で、会員相互のコミュニケーションを図る機会を数多く持つこと、さらに、家族、配偶者のみならず、お子さん、お孫さんをはじめ幅広い方々に参加をしていただくということで、これがロータリー家族の理念にも合致すると考えたからです。
話は変わりますが、昨年11月14日の例会で「会員満足度アンケート」が行われました。
これは、会員にクラブに対する満足度を聞き、その結果を踏まえ、クラブの魅力を高めることで、会員の増強、退会防止につなげて行こうという趣旨で行われたものです。例会出席者36人中23人の回答でした。
その中で、親睦に関するものを拾ってみますと
まず中央RCにおいて親睦活動への参加度合について、9割近い人が適度と答えています。
次に参加の状況について
参加している、参加したいをあわせると約6割となっています。
親睦活動を今後増やすかどうかについて
大多数の方が現状維持で良いと答えています。
一方で、クラブ活動の中での改善要望としては
卓話に次いで、親睦の充実強化があがっております。
以上がご報告ですが、私がこういう機会でお話をさせていただくことは今後ないと思いますので、私なりに親睦活動・ロータリー家族について述べさせていただきます。
皆様にとっては釈迦に説法かもしれませんが、ロータリーの歴史を辿っていきますと、その原点は「親睦」にあります。
ロータリーの創始者、当時、ニューイングランド出身の若き弁護士、ポール・ハリスは「風の強い町」そして経済発展とともに都市規模が急拡大し、労働争議が絶えない、殺伐とした、猥雑とした町「シカゴ」、そこにやって来て、彼を襲ったものは「孤独」でした。
「どこにも人はいる。しかし、友達はいない」と、嘆く日々でした。
彼はその疎外感を克服する為、3人の知人、鉱山技師、石炭商、仕立商と相集い、輪番で会合を開くことにしました。1905年のことです。その時彼らには「社会への奉仕」という考えは全くといっていいほどありませんでした。その会合は互いの孤独を癒す「親睦」であり、今でいう異業種の集まりによる相互の利益を分かち合うことでした。
しかし、それだけでは多忙な職業人が毎週、会合を開き続けることは出来ないことに気づき、会員のモチベーションを高める為には弱者へ手を差し伸べること、すなわち「社会への奉仕」が自分たちの関係を継続する上で必要だということを理解したのです。
1907年、シカゴRCは最初の社会奉仕プロジェクトを実施したのち、RCの奉仕活動は広く知られるところとなり、RCはカナダに出来、そして世界中へ広がり、現在120万人を超える会員を擁するまでになっております。
しかし、その会員数も日本の場合、1997年をピークに減り続けており、会員増強が叫ばれています。
退会の理由としては○経済的理由(会社経営が厳しい等)○健康、年齢(高齢化)○家庭の事情(家族の介護)などがまず上がっています。これらはある意味では時代を反映した止むを得ない事由によるものです。その次に挙げられているのが、・会員同士の親睦の欠如、クラブ例会の魅力の低下です。
RCへの入退会は基本的には個々人の自由な意志によってなされるべきで、強制されるものでもなく、そうあらねばなりません。
そう考えると、親睦の欠如、例会の魅力低下は由々しき問題です。
そのために如何にすべきか?
親睦活動をクラブ内に止めず、家族も含め対外的に拡げていくこと、そして何より必要なことは会員の職業、年齢、性別、個性、考え方、価値観など個々人が持つ多様性をお互い尊重するということではないでしょうか。
ポール・ハリスは「ロータリーは世界平和のミニチュア」と述べたそうですが、それは世界のロータリアンがお互いの立場を尊重し、趣味や共通の関心事を楽しんできた「親睦活動」が礎になっているからこそではないでしょうか。
最後に家族の参加ついてです。
「満足度アンケート」でも、家族の方々からの「時間をかけ過ぎている」「費用が掛かりすぎている」という意見も少なくありません。
ロータリーの友12月号に、配偶者からみたロータリー「もっと家族が参加する機会を」とのタイトルで、会員の配偶者による座談会が載っています。
2,3挙げてみますと
Inner Wheel Clubの試みについて、これはロータリアンの夫人による組織で、日本には札幌にあり、月一回例会を持ち、チャリティバザーなどの活動をおこなっているそうです。こうしたクラブが各地にでき、そのネットワークができればとの意見です。
このほか、出てきた話の中に、私たちのクラブでも指摘されているように、どこのクラブも家族会に出てくる人は決まっているようで、その理由の一つとして、会員が行事案内等を家に持って帰らないことが挙げられています。奥様へ「案内」を送るのも一つの方法ではないでしょうか。
そのほか、クラブの枠を超えて趣味を通じての奥様同士の交流、ロータリアンだけでなく家族も含めた活動を増やすことなども意見として出されています。
そして、会員がロータリーの友、ガバナー月信、会報を家に持ち帰り、配偶者や家族にみせることで、ロータリーへの理解も深まり、パワーも倍増するのではとの提言もありました。
私たちが家族の参加を考える場合のひとつの示唆に富んだ意見ではないかと思います。
最初に言いましたように、RCは親睦と相互利益でスタートし、奉仕活動に取り組むことで全世界にその組織が、活動が広まりました。
奉仕活動と親睦活動は表裏一体です。どちらかが活性化すれば一方も活性化し、逆になると、また然りです。
その意味で、本日は親睦を考えるわけですが、一方、奉仕活動についても検証が必要ではないでしょうか。例えば、その活動が形式化、形骸化していないかどうかについてなどです。
ロバート・R・バース元RI会長は、ロータリーバッヂを着けることは
・ 私を信頼することができます
・ 私を頼りにすることができます
・ 私は信用に値します
・ 私は受け取るよりも多くを与えます
・私はいつでもお手伝いします
との、メッセージを送っているのだと述べています。
このような自己に対する自信、高潔な倫理観、高い社会的評価のあるロータリアンは確固たる個、自我を持つ存在です。
その集合体であるロータリークラブは互いの個と立場を認める、懐の深い組織でなければいけません。
そのことが実現できれば、そのクラブはきっと発展していくことは間違いないでしょう。
以上