- 本日のプログラム
- ゲスト卓話
「日本神話に学ぶ くじけない生き方」 - 卓話者
- 広島経済大学 経済学部
メディアビジネス学科主任教授 北野尚人氏 - 担当
- プログラム
- 祝事等
- ・連続出席表彰(8名)
・結婚記念日(13名) - 会長時間
- ○表彰・・米山功労者(長場 誠会員)
○米山功労クラブ(第18回目)受賞
「ロータリー財団月間」に寄せて
米国大統領選は、9日共和党のドナルド・トランプ氏が、優勢が伝えられていた民主党のヒラリー・クリントン前国務長官を破り、当選しました。米国史上初の公職経験のない大統領が誕生し、新聞各紙は、既成政治批判、移民・格差、不満を吸収、反グローバル化、内向く米国、社会分断・危うい大衆迎合、米国再生を異端に託す・・・等とトランプショック、衝撃を報じました。
米国は、世界は、日本は、どの方向へむかって歩もうとしているのでしょうか?
このような時にこそ、この国の将来を見据えて、他人事ではなく、「私は」と一人称で考え、語る時ではないでしょうか。
さて、先週は長場委員長からロータリー財団設立100年に当たり、その趣旨とその後の経緯について、映像も交えて分かりやすく紹介してくださいました。
今月はロータリー財団月間となっていますので、再度、要点を抑えてご協力のお願いをさせていただきます。
1917年6代目RI会長のアーチ・クランフが、「世界でよいことをしよう」と呼びかけ、「ロータリー基金」が設立されました。
1928年「ロータリー財団」に改称され、クランフが初代管理委員長に就任しました。ロータリー財団の本格的な活動は、1947年、ポール・ハリスが逝去し、その死を悼んで、世界中から130万ドルの寄付が集まり、これを「ポール・ハリス記念基金」として、現在までも続く国際親善奨学金制度の実施からです。
その後いろいろなプログラムが開発され、1985年から始まった「ポリオプラス」プログラムは、大きな成果を上げていることは、ご存じの通りです。
世界でよいことをするために、そして、地域でよいことをするために、100周年のロータリー財団の寄付目標3億ドル支援のため、財団月間に当たり、「第5回ポール・ハリス・フェロー、マルチプル・ポール・ハリス・フェロー認証促進運動」を実施します。
先週ご紹介しましたように、地区大会では、皆様のご協力で「年次基金総額賞」1位を受賞いたしましたが、5年前は、広島地区14クラブ中13位、地区72クラブ中57位でした。2012年の「第1回認証促進運動」を契機に、皆様のご理解とご協力を得て、上位進出を果たすことができました。
1,000ドルで認証されますが、クラブの保有する認証ポイント500ドルを使えば、自己負担500ドルで認証が受けられます。初めての方、大歓迎です。この際に、ぜひよろしくお願いします。
また「100周年記念イベント」の計画を、田原ガバナーからも強く要請されていますのでご協力、重ねてよろしくお願いいたします。 - 幹事報告
- ◎BOX配布物の確認
①理事役員会議事録・12月例会プログラム
②年次総会案内
③G公式訪問例会及びフォーラム案内
④奥田元宋・小由女美術館 魔法の美術館案内
◎回覧物
G公式訪問例会及びフォーラム出欠回答
◎(姉妹地区)韓国3690地区 地区大会のご案内
開催日 2017年4月21日(金)・22日(土)
詳細は事務局まで
◎青少年育成広島県民会議創立50周年記念表彰状及び記念品披露 - 委員会報告等
- ◎職業奉仕 : 四つのテスト唱和
◎出 席 : 出席報告
卓話時間
ゲスト卓話「日本神話に学ぶ くじけない生き方」
広島経済大学 教授 北野 尚人氏
古事記から見る日本創生~イザナギとイザナミの国生み~
みなさん、こんにちは。広島経済大学の北野と申します。本日は、日本神話研究者で、
NPO法人 出雲学研究所 客員研究員の立場でお話をさせて頂きます。
広島中央ロータリー様で日本神話や古事記の話をさせていただくのは、実は2回目です。前回は、アマテラス、スサノオ、オオクニヌシのお話でしたが、今回は、もう少し古い神様のお話です。
古事記に登場する最も古い神様は、アメノミナカヌシ、タカミムスビ、カミムスビの造化三神と呼ばれる神様たちです。しかし、一般の人は、古い神様と言えばイザナギとイザナミを思い出す方が多いのではないかと思います。それは、この二柱が日本の国土を生み(国生み)、八百万の神々を生んだ(神生み)からです。
本日の卓話は、この二柱のエピソードをもとに「くじけない生き方」というテーマでお話をしたいと思います。
さて、古事記に登場する日本の神々は様々な事件に遭遇し、失敗したり、喧嘩したり、実に人間的な側面があるのが特徴です。また、神々がそれを乗り越え、くじけずに生きていく様子が古事記にはたくさん描かれています。
まず、第一の「くじけないエピソード」は、国生みの最初のシーンです。国を生むためにイザナミとイザナミは協力する訳ですが、最初に女神のイザナミが男神のイザナギに声を掛けて神や国を生んだところ、ヒルコと淡島という失敗作ができてしまいます。この失敗にくじけなかった二柱は、男神のイザナギから声を掛けて、再度、国生み・神生みにチャレンジされます。この結果、日本の国土と神々が誕生することになった訳です。日本最初の国土は、淡路島で、その次にできたのが伊予の二名の島(いよのふたなのしま)(四国)です。この、国生みや神生みの拠点となった場所がオノゴロ島という場所ですが、実際に淡路島の一角に小さな岩の島が存在しています。
さて、次は第二のエピソードです。次々と八百万の神々を生んでいったイザナミは、最後に火の神であるヒノカグツチという神様を生み、その時の大火傷がもとで亡くなってしまいます。奥様を亡くしたイザナギは嘆き悲しみますが、ここでもくじけずに、何とイザナミが眠る黄泉(よみ)の国を訪問し、連れ戻そうとされます。イザナギはパートナーの死にも決してくじけなかった訳です。
第三のくじけないエピソードは、イサナギの黄泉の国からの脱出の場面です。黄泉の国でイザナミとの再会を果たしたイザナギでしたが、イザナミからの振り返らないで欲しいという約束を破ってしまい、黄泉の国の軍勢に追われながら、命からがら脱出をすることになります。その時に、髪飾りを葡萄の木に変えたり、櫛を竹の子に変えたり、更には、黄泉の国の出口では、破邪の桃を投げて、黄泉の国からの追手を振り払います。この時に投げた桃が、節分の時に投げる豆の原型であると言われています。イザナギはピンチにくじけずに、黄泉の国からの脱出に成功しました。
第四のエピソードは、黄泉の国の出口でのイザナギとイザナミの別離のお話です。イザナギはイザナミとの別れを決心し、夫婦別離の呪文である「事戸(ことど)」を唱えます。
それに対し、怒ったイザナミは「これからはイザナギの国の人々を一日に1000人を殺す」と言い、イザナギは「ならば1500の産屋を立てる」と言って決別します。この出生と死亡の差が日本の人口が増え続けてきた理由であると言われています。イザナギはイザナミの呪いにくじけずに、国の繁栄を誓った訳です。
第五のくじけないエピソードは、古事記前半のハイライトとでもいうべき、イザナギの禊(みそぎ)による「三貴子」の誕生です。黄泉の国を訪問して、死者の国の穢れを身に受けたと感じたイザナギは、黄泉の国の穢れを落とすため、日向国の阿波岐原(ひむかのあわきのはら)で禊を行います。
この禊によって、左目からアマテラス、右目からツクヨミ、鼻からスサノオが生まれます。イザナギは、神生みの最後に「貴い三柱の子どもを得た」と言って喜んだといわれています。この禊が無ければ、天皇家の始祖と言われるアマテラスが生まれていない訳です。従って、イザナギが亡き妻を追って黄泉の国へ行き、その後、くじけずに様々な苦難を乗り越えたことによって、日本と言う国の現在があるとも考えることができます。
最後に、本日ご紹介したイザナギとイザナミを祀っている神社をいくつかご紹介いたします。まず、広島から近いところでは、松江の「神魂(かもす)神社」は、イザナギとイザナミの二柱が主祭神となっています。また、国生みの舞台でもある淡路島の多賀には、淡路国一宮である伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)があります。更に、滋賀県犬上群多賀町多賀では多賀大社がイザナギとイザナミの二柱を祀っています。
本日は、日本神話の古事記から、イザナギとイザナミをテーマにして、「くじけない生き方」をお話させて頂きました。ご清聴ありがとうございました。