- 本日のプログラム
- ゲスト卓話
「今我々に問われていること-中東情勢とイスラム」 - 卓話者
- 広島市立大学国際学部 宇野昌樹教授
- 担当
- プログラム・会長
- ゲスト
- 国際ロータリー第2710地区G7ガバナー補佐 中村哲朗氏
米山奨学生:李 在鉉君 - 祝事等
- ・会員誕生日(5名)
・配偶者誕生日(5名) - 会長時間
- ・【水と衛生月間】に因んで
・会長エレクト(pets出席報告・次年度所属委員会発表)
・神辺ガバナー補佐(IMの御礼)
シャープは台湾に売られていき、世の中はグローバル化がすすみ、EUでも中東でも国境が取りはらわれようとしています。日本にも多くの外国人が訪れ、観光が売り物となる時代となり、逆にビジネスもいろんな国に進出していかなくてはならない時代となりました。
これからのグローバル社会では、Glocalすなわち Global thinking + Local act が要求される時代となり、「先見性」が大事で常に2年先、5年先を考えていくことが必要となってきています。先見性を考える上では、雑学情報が大切であり、ビジネスにおいても、下請け根性だけではだめだと言われます。
ロータリークラブの良いところは、考え方の違う人が集まる異業種交流です。専門の人だけと交際すると、その他のことがわかりません。自分の専門でないところの見方、情報を聞くことが大切です。多様性についても考えていくことが大事となります。
海外でのビジネスでは、日本と海外での環境の違い、考え方の違いを良く知ってから行う事が大事で、そう言う環境の中でビジネスをせざるを得ないのが今の時代です。マツダにフォードから派遣されてきた、フィールズ前社長の“Change or Die”の言葉は、まさに今も我々に突き付けられて生きています。 - 幹事報告
- ◎BOX配布物の確認
①雑誌類=ロータリーの友誌・ガバナーズレター
②会報1月号
③「エコ・ドリーム運動」2月分取組表
④所属委員会表(案)
◎3月ロータリーレートのお知らせ1ドル116円 - 理事役員会
- ・例会終了後12F「ライラック」にて第9回理事役員会開催
- 委員会報告等
- ◎出 席 : 出席報告
◎広 報 : ロータリーの友紹介
◎人間尊重、社会奉仕 : 「エコ・ドリーム運動」
1月分取組結果報告及び2月取組表作成
卓話時間
今我々に問われていることー中東情勢とイスラーム主義勢力の隆盛
広島市立大学国際学部 宇野昌樹 教授
現在、中東世界は今まで経験したことのない未曾有の混乱状況を呈しています。シリア内戦は解決の糸口さえ見出せず、イラクやアフガニスタンもテロの止む気配がありません。リビア、イエメンもまた無政府状態が続いています。加えて、イスラーム圏における宗派対立(特にスンニー派とシーア派)も顕在化し、クルド人が多数暮らす地域(トルコ、シリア、イラク、イラン)では彼らが自決権を求めて、それぞれの国の軍隊と軍事衝突を繰り返しています。このような状況が生み出された背景についてシリア内戦を手掛かりに現在から過去へ遡って鳥瞰してみたい。
当該地域への理解のために
① 欧米的世界観(オリエンタリズム)
② イスラームに対する無知・偏見
③ 発展途上国に対する固定観念
シリア内戦の背景
① 2010年12月チュニジアで起こった民衆蜂起、いわゆる「アラブの春」
→エジプトでムスリム同胞団主体の政権成立 その後軍事クーデタによりシーシー政権成立 独裁体制の復活
→リビアではカッザーフィー政権崩壊後部族勢力の群雄割拠とイスラーム勢力隆盛
→イエメンではシーア派の一派フーシー派が独裁政権を打倒、フーシー派の勢力拡大を恐れるサウジアラビアが湾岸諸国を巻き込んで軍事介入
② 独裁体制と民衆の抵抗
東方問題→ヨーロッパ列強によるオスマン帝国への政治的介入
国境の非歴史性→脆弱な国家の枠組み
パレスチナ問題の発生
脆弱な経済基盤
⇒不安定な社会と警察力・軍事力の肥大化
③ 部族的・宗派的伝統社会
国家の利害関係が部族、宗派単位で働く
④ イスラーム勢力の隆盛
1920年代末にエジプトで生まれたムスリム同胞団の影響→1981年ハマ事件
1979年イラン・イスラーム革命の拡散と驚異→スンニー派とシーア派の対立
1979年ソ連のアフガニスタンへの軍事介入→米国によるイスラーム主義勢力支援
1989年ベルリンの壁崩壊 90年ソ連邦の崩壊→社会主義・共産主義思想への失望
⑤ 2003年イラク戦争とその後のスンニー派・シーア派対立の激化→ISの誕生とその隆盛
シリア内戦の現況
シリア内戦は、大きく分けて5つの勢力が互いに敵対して戦闘を展開、これに大国の米国や有志連合、ロシア、そして周辺諸国がそれぞれの利害関係から軍事介入している状況
米国や有志連合はアサド退陣を要求すると共にイスラーム主義勢力を拒否
ロシアは既得権を守るためアサド政権支持
イラン、ヒズブッラーはアサド政権(アラウィー派)支持
自由シリア軍は雑多な集団の集合体→反イスラーム主義
トルコは自国のクルド人勢力と繋がるシリア・クルド人勢力を敵視し、勢力拡大を危惧
→イラクのクルド自治権拡大を憂慮
持(支援) 対立
① シリア政府 ロシア、イラン、 米国、英、仏、トルコなど
ヒズブッラー(レバノン) サウジなど湾岸諸国
② 自由シリア軍 米国、英、仏など ロシア、イラン
ヒズブッラー(レバノン)
③ イスラーム勢力 ISとは対立
(アル・カーイダ系ヌスラ戦線)トルコは消極的支持
④ IS(イスラーム国) トルコは消極的支持 ヌスラ戦線とは対立
⑤ クルド人勢力 米国、英、仏など トルコ
内戦が生み出す危機
① 周辺諸国への内戦波及
② ヨーロッパにもたらす難民問題
③ イスラーム主義勢力の隆盛
内戦収束のために
① 政治的・軍事的介入が内戦終結に役立たないことを理解
② 当事者間の直接交渉へ導く