2016-2017年度 5月期

第1206例会記録

2004年05月31日 (月曜日)
【場所】 リーガロイヤルホテル広島  【ロータリーソング】 われらの生業

本日のプログラム
ゲスト卓話 
「2004年度のトレンド」
卓話者
中国博報堂マーケッティング部長 北野尚人氏
担当
出席委員会
会長時間
国際大会出席報告
幹事報告
・ロータリーレート変更のお知らせ
 6月1日より1$112円に変更されます。(原稿106円)
・回覧:台中西区RC会報
・BOX配布物:ロータリー手帳(注文者のみ)
理事役員会
・例会終了後ロビーにて臨時理事役員会開催
委員会報告等
・職業奉仕委員会:禁煙例会
・国際奉仕委員会:使用済み未使用テレカ及び書き損じハガキ古切手収集
・社会仕委員会:愛のコイン箱
・出席委員会:出席報告

卓話時間

2004年度のトレンド

(株)中国博報堂 マーケティング部 北野尚人氏

 今日の卓話のテーマは「2004年のトレンド」ということで、昨年から今年にかけての生活者の消費動向に関してご報告したいと思います。
 本日のキーワードは、次の5つです。「進化する定番」「男の消費の復権」「純愛もの」「自分探し/生きがい追求」「売り切れが話題の商品」というテーマでお話を進めてまいります。
 まず、第一のキーワードは「進化する定番」。これは、今まで変わらないことが大きな価値であった「定番」が実は独自の進化を遂げていたというお話です。従来は、不変の価値を守り抜いてきた定番たちも、新しい時代の技術進化や生活者のライフスタイル変化に合わせた独自の進化を遂げつつあります。
 具体例を挙げますと、「定番ブランドの進化」としては、「ボンカレーの35年ぶりの完全リニューアル」「サッポロ一番の健康指向商品の登場」「おかめ納豆のナットウキナーゼのパワーアップ」「明治ミルクチョコレートの77年ぶりのリニューアル」「進化を続けるプラレール」「原点に立ち返ったトヨタクラウン」などがあります。
 また、「定番商品の進化」としては、「カドがたくさんある消しゴムのカドケシ」「パンクしない自転車」「時刻を自動補正する電波時計」「骨伝導で聞く携帯電話」があります。
 更に、「定番エンターテイメントの進化」としては、リメイクものとしての「奥様は魔女」「砂の器」「白い巨塔」、人気アニメの実写化の「エースをねらえ!」「鉄人28号」「キューティハニー」。往年の名曲のカバーソングブームとしては、山口百恵のカバー「イミテーションゴールド」「いい日旅立ち・西へ」「秋桜」、故・坂本九のカバー曲「見上げてごらん夜の星を」「上を向いて歩こう」などがあります。
 第二のキーワードは「男の消費の復権」。今までは、女性の元気な消費行動に押され気味だった男性の消費も回復の兆しが見えてきたというお話です。
 具体例としては、中年男性にも人気のゲームソフト「みんなのゴルフ4」、独身男性向けのホテル宿泊プラン「俺の時間」、「男の資生堂」キャンペーン、男性向けネット通販サイト「バイズ」、35年ぶりの「新宿伊勢丹メンズ館」の改装、当初は女性向けだった「トヨタ イスト」の男性客へのヒット、などが挙げられます。
 第三のキーワードは「純愛もの」。若い女性に限らず女性全般で「純愛もの」がブームになっているようです。
 具体例としては、韓国のメロドラマ「冬のソナタ」の大ヒット。純愛小説「世界の中心で愛をさけぶ」の2年越しのヒット化。「感涙保証100%」のベストセラー小説、市川拓司の「いま会いにゆきます」、白石一文の「僕のなかの壊れていない部分」などが挙げられます。
 第四のキーワードは「自分探し/生きがい追求」。エルダー層を中心にして、自分を見つめ直したり、生きがいを模索する気運が盛りあがっています。
 具体例としては、「エルダーの生きがい探し一人旅」の旅行ツアーのブーム、韓国の「海兵隊式の猛訓練タイプの研修」の人気、JTBの体験型ツアー「ファーブル」の売れ行き好調、東京青梅市の「定年塾」の実現、などが挙げられます。
 第五のキーワードは、「売り切れが話題の商品」。不況不況と言われる中でも爆発的な売れ行きの商品は存在し、その人気商品は「売り切れ」が話題になり、更に人気が高まる好循環となっています。
 具体例としては、「ハーゲンダッツのカスタードプディング」、「ハウスの黒豆ココア」、「ネスレジャパングループのエアロ」、「15年ぶりのブームとなっている調整豆乳」、予定より早く完売した新人アイドルに投資する「アイドルファンド」、ラーメン店を集めた商業施設に投資する「ラーメンファンド」のヒット、などが挙げられます。
 本日のまとめですが、最近の消費動向としては、以下のポイントが挙げられると思います。
1. 時代変化の中でも安定的な地位を維持 し続ける「進化する定番」が存在する。
2. 失われたり、過剰になっていたものの反動として、「男の消費の復権」「純愛もの」「自分探し/生きがい追求」といった消費が注目されている。
3. 新しい工夫や、今までなかったものがヒットした「売り切れが話題の商品」はいつの時代にも存在する。
ご静聴ありがとうございました。

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