- 本日のプログラム
- ゲスト卓話[伝統的工芸品-その1]熊野筆
- 卓話者
- 熊野筆事業協同組合 常務理事・事務局長 荒滝芳彦氏
- 担当
- プログラム
- 黙祷
- 広島東RC所属 柏村保男会員が9月5日(木)午前にご逝去されましたので、謹んでお知らせいたします。(享年83歳)
- 祝事等
- ・連続100%出席(1名)
・結婚記念日(4名)
・入会月(3名)
・創業月(5名) - 会長時間
- 本日は会長エレクトの交替の話と組織の話をさせて頂きます。
黒瀬会長エレクトからいろんな仕事の都合で、どうしても次年度会長というのが難しいという話がございました。黒瀬先生の事ですから、それで会をやめるとか会の活動をしないとかという事では決して無いけれど、次年度というのが困るという事で、会長も受けない訳では無いけれども、次年度だけは勘弁させてくれという話がございましたので、理事会で協議をした結果、黒瀬先生のお申し出を受け入れる事に致しました。
つきましては会長エレクトを選任しなければいけません。いろいろな方にご相談をしまして最終的には戸田副会長に、現在副会長でございますがエレクトになって頂くという事で一致しまして、ご本人も承諾されました。ただ戸田さんにはいろんな多くの役をお願いしておりますので、副会長という役はそのままでお受け頂く事になりました。
この状況では副会長の職が相当重くなってしまいますので、もう一人副会長を作ろうという話になりまして、そういう事が可能かどうか日本支部に問合せをしたところでございます。それをちょっとご披露させて頂きます。
「目指すところはクラブのスムーズな
黒瀬会長エレクト
土肥会長からご紹介を頂きましたが、ちょうど土肥会長年度の途中でこの様な大変なご迷惑をおかけします事を心苦しく心からお詫び申し上げます。
只今ご紹介頂きました様に、ロータリアンの方々それぞれが大変お忙しい中で、ロータリーの場合には例会の出席義務や特にいろいろな役については「NOはない」という状況の中であえてこの様な申し出をさせて頂きました。
いろいろ考えまして、学内外の事で急遽引受けなければならない事が起こったものですから、こういう中では次年度の皆様方にご迷惑をかけてはならないという判断のもとから、申し出をさせて頂きました。
土肥会長、又、歴代の会長の皆様方がいろいろとご協議頂きましてご理解頂きました事、心より感謝申し上げます。
この様な中で、戸田副会長には重要な役割を担っていらっしゃるにも関わらず、両方の役割を担って頂きます事、本当に心苦しく思っております。
土肥会長もおっしゃって下さいました様に、この様な状況ですが、又、時期がくれば私にもし何かあればやらせて頂きますし、この年度も自分の果たすべき事はしっかりと責任を持って担っていきたいと思っておりますので、よろしくお願い致します。誠にありがとうございました。
戸田副会長
雲ひとつない青空に突然、稲妻がぱぁっと走りまして遠くの方で雷鳴も聞こえておる様な状況です。青天の霹靂とは、何でだろう、驚いたなという驚愕という意味の言葉ですが、まさに今の私の心境でございます。
只今、土肥会長から会長エレクトへというご推挙を頂きました。ためらいがございます、正直。ただ弱冠70歳の青年戸田でございます。ちょっとはったりですけど。人生キャリアの中でも非常に名誉な事でございます。お引受けをさせて頂きたいと思います。とは申しましても寄る年波には勝てません。知力、体力の低下は如何ともし難いものがございます。思いだけで会長の職責が果たせるとも思っておりません。どうか皆さんのご支持、ご協力、ご指導をお願い致します。
ご承知の様に我がクラブは創立35周年、会員も大幅に増えております。そして又、ここ数年で国際ロータリー第2710地区のガバナーを輩出しようとしております。名実ともにグループ7の中核クラブになりつつあります。会員一同が一致団結して、より高みを目指してロータリー活動を続けていけたらいいなと思っております。
私の人生、ゴルフに例えますともう16番ホールです。残り3ホールしかございません。この残り3ホールでゴルフも人生も達成感が変わってくると思っております。
微力ながら皆さんのご協力を得ながら職責を全うしてまいります。どうか皆さん、ご指導、ご協力をよろしくお願い致します。ありがとうございました。
村上理事
急な話で大変びっくりしておりますが、集団で取囲まれてそして、考える時間を与えず、ああ、これが人をうまく使うテクニックかなという事をひしひしと実感しております。
私、身の程をわきまえない様な大出世という事で非常に短期間でここまで出世させて頂いて、本当に喜んでいいものかどうか。
戸田さんの足手まといにならない様に、見習いという事で副会長を務めさせて頂きたいと思います。何かございましたら叱咤激励をよろしくお願い致します。 - 幹事報告
- ●BOX配布物の確認
①理事役員会議事録・10月例会プログラム
●回覧物
①第2530地区「会津の里にこらんしょ!」プロジェクトについて
●例会について
9/16及び9/23は祝日の為、休会
9/30は故山村忠次会員の追悼例会 - 委員会報告等
- ・職業奉仕 : 禁煙例会・四つのテスト唱和
・出 席 : 出席報告
・R財団委員会 : 財団ニュース
卓話時間
伝統的工芸品 その1[熊野筆]
熊野筆事業協同組合 常務理事 荒滝芳彦氏
地元再発見!「伝統的工芸品の製造・販売」 その1「熊野筆」
1.「伝統工芸品」と「伝統的工芸品」は異なります!
経済産業大臣が指定する「伝統的工芸品」は、次のような要件に従って指定されます。
① 工芸品であること。
② 主として日常生活の用に供されているもの。
③ 製造過程の主要部分が手工業的であるもの。
④ 100年以上続いた伝統的技術または技法によって製造されるもの。
⑤ 伝統的に使用されてきた原材料を使用していること。
⑥ 一定の地域で産地形成されていること。
品目数は現在全国で215点を数え、広島県では熊野筆の他に、広島仏壇、宮島細工、福山琴、川尻筆が指定されています。
2.熊野筆の発祥と歴史
熊野町は、広島、呉、東広島の三つの市に囲まれるように位置し、四方を海抜500m前後の山々に囲まれた小さな高原盆地です。人口は約25,000人の小さな町で、その内約2,500人が筆つくりに従事しています。22名が伝統工芸士に認定された筆づくりの名人です。
筆の原料となる動物の毛はほとんど中国からの輸入ですし、軸の竹・木も中国、韓国からの輸入で、原材料は熊野には一切ありません。
このような条件の中でなぜ熊野町で筆作りが始まったのか?18世紀末(江戸時代末期)頃、平地の少ない熊野村では農業だけでは生活が苦しいため、農閑期を利用して若者達が近畿地方に出稼ぎに出て、近畿地方から筆や墨を仕入れて行商していたようです。その内一部の人間が、筆の作り方を習得して帰ってきました。広島藩の工芸の推奨により、全国に筆の販売先が広がり、本格的に筆づくりの技術習得を目指すことになりました。
明治5年には学校制度ができ、学校教育の中で筆記具として筆が大量に使われるようになりました。また、第一回内国勧業博覧会で熊野筆が入賞したことにより、全国から注文が入るようになりました。このように需要が伸びる中で大量生産が必要になり、熊野町では分業システムを確立させ、大量生産を成し得る体制をつくり、生産量が大きく増加しました。昭和10年には年間約7,000万本生産したという記録も残っています。
しかし、第二次大戦後に習字教育が廃止され、書道筆の生産量が落ち込みます。この頃から画筆と化粧筆の生産が始まりました。
昭和40~50年代には、画筆の輸出が盛んになり、昭和46年には習字教育も復活して書道筆の生産も回復しました。そして、昭和50年に通商産業大臣により熊野筆が伝統的工芸品の指定を受けました。
平成以降には、画筆の輸出が止まり、この頃から化粧筆の生産が本格化しました。現在では、熊野筆は書道筆、画筆、化粧筆の生産量で全国一の産地に発展し、2011年8月に「なでしこJAPAN」の国民栄誉賞の副賞に熊野筆が授与され、2013年2月には政府閣僚が閣議の署名に使う筆に熊野筆が採用されました。
3.熊野筆の特徴
熊野筆が大量生産できるようになったのは、町内に分業制を確立した為です。原毛、穂首、軸、ダルマ、鞘等の各部材の専門業者が町内に存在しますし、筆の各メーカーは社内に職人を抱えると共に町内に独自の内職職人を確保しています。それらの社内または内職の職人が作った穂首を、軸の専門業者から仕入れた軸に繰り込んで、完成品にして自社ブランド又はOEM製品として全国に出荷していきます。
4.熊野筆の市場
書道筆の市場は国内のみです。書道は中国、台湾、韓国でも行なわれていますが、日本の書道筆は一本の筆に様々な動物の毛を混ぜて作っており、基本的に単一の毛で作る中国製の筆とは異なります。画筆・化粧筆の市場は国内・海外両方です。
5.熊野筆の問題
他の伝統的工芸品の産地と同様に、職人の高齢化・減少及び後継者不足は問題です。その問題を解決する為に、熊野筆事業協同組合が行政の支援を受けながら「マイスタースクール制度」を導入して後継者育成を図っています。伝統工芸士の指導を受けながら、初級コース、中級コース、仕上げコース等を行って、職人を育成しています。
また、最近では原毛が入手困難になっているのも問題の一つです。国内はもとより、中国でも動物の猟をする人が少なくなり、動物の毛が入手し難くなっています。また筆に適した毛は基本的に寒い地域の野生の動物の毛であり、養殖等では対応し難い点もあります。
6.熊野筆の挑戦
①Jetro等公的機関の支援を利用して「ジャパン・ブランド」等で海外市場への販路拡大に努めています。熊野町商工会でパリ・ルーブル美術館での展示・商談に参加したり、NYギフトショーへ出展したりして、KUMANO FUDE ブランドの海外での普及に努めています。
②「筆の里工房」で国内外の書家・画家の作品展を開催したりして筆の文化の発信に努めています。
③広島県伝統的工芸品フェスタ等県内の他の伝統的工芸品生産業者との協働活動を行っています。
④筆まつり(9月23日秋分の日)は熊野筆と筆の文化を外部に発信する行事ですが、筆の日(3月20日春分の日)は町民が筆を使い書道や絵画を描いて内外の方々に鑑賞して頂く行事です。
筆まつりには是非熊野町にお越し下さい!