- 本日のプログラム
- ゲスト卓話 「県の国際平和貢献について」
- 卓話者
- 広島県国際企画室主任企画員 後藤 昇氏
- 担当
- 出席委員会
- 会長時間
- ・入会式/小佐古哲哉君
・職業トピックス紹介
緒方俊平君:弁護士をかたる詐欺・非弁行為 激増・中国地方の架空請求詐欺
・島本憲吉紺:TVドラマ「白い巨塔」好視聴率について - 幹事報告
- ・最近ロータリーを語るウィルスメールが広がっていますのでご注意下さい。(添付ファイルはむやみに開かないように!)
- 理事役員会
- ・本日例会終了後4階「竹の間」にて次年度第1回クラブアッセンブリー開催
- 委員会報告等
- ・社会奉仕委員会:愛のコイン箱
・野球同好会:週末4/3はガバナー杯野球大会が開催されます。準備の都合上当日応援に来られる方はご一報下さい。試合時間は4/2前夜祭で決定。
・出席委員会:出席報告
卓話時間
広島県の国際平和貢献
広島県国際企画室事業調整監 後藤 昇氏
はじめに
カンボディアに出張し、一昨日帰ってきた。ベトナムのホーチミン市経由で首都のプノンペンに入り、シエムリアップ、ポイペト、シソフォンを訪問した。
平和政策、保健医療の専門家、NGOの方々に同行していただき、40℃を超える猛暑の中、赤土の道を数百キロ走破した。
広島県の平和貢献
広島県では、「ひろしま平和貢献構想」に基づき、NGO、大学、国際機関などとネットワークを図り、より積極的、具体的な形で、世界平和の実現を進めようとしている。
昨年開設したユニタール(国連訓練調査研究所)への助成、緊急人道支援を行う組織である“ジャパン・プラットフォーム”への参画もこの構想によるものだ。
被爆による苦しみを克服し、憎しみの連鎖を断ち切って、目覚しい復興を遂げた広島の経験は、武力紛争や大規模災害で荒廃した国や地域の人々に希望と目標を与えうる。
広島からの支援は、内戦による国土の破壊、ポル・ポト時代の大虐殺などを経験したカンボジアの人たちに、共感を持って受け入れていただけるであろう。
今回の調査は、カンボディアでの復興支援プロジェクトに向けて、最終調整を図ることが目的だった。
現地調査の概要
プノンペンでは、中央官庁、日本大使館、JICA、教育省、保健省などと協議し、本県に自動車整備の研修員を受け入れている公共事業運輸省技術学校も訪れた。
広島のNGOがプノンペンの寺院内に建設中の「ひろしまハウス」を、将来、支援活動の拠点として整備する構想も検討した。
ユネスコの世界遺産に登録されたアンコール遺跡群に程近いシェムリアップでは、NGOが経営する病院を訪れ、シソフォンでは、州の教育・保健関係の事務所を訪問して、支援の可能性と具体的な方法を協議した。
タイ国境に面した町ポイペトは、内戦終結後、内外から難民が流入して、著しく人口が増加し、売春、エイズ、人身売買などの深刻な社会問題を抱えている。
ここでは、郡の保健センターや小学校で、現場の教師の方々と協議し、郊外の農村で貧困家庭の就学支援、孤児の養育などの活動を行う日本のNGOとの連携も協議した。
カンボジアが抱える復興課題
1993年に国連暫定統治機構(UNTAC)が設置されて10年が経過し、内戦状態からほぼ脱したが、紛争の傷跡はいまだに残り、経済社会の課題が山積している。
法制度の多くは未整備で、インフラも行政サービスも満足でない。産業は再建途上だし、国家経済は、国際機関、NGOなどの支援でかろうじて成り立っているのが実状だ。
広島発の復興支援の方向
カンボジアの復興においては、民生の広範なニーズを満たし、かつ新生国家の自立を長期的視野で促進する必要がある。
広島発の支援活動は、自治体のノウハウを効果的に活用する観点から、人材育成や保健医療の分野が、最も重要だと考えられる。
現地に専門家を派遣し、小中学校での教師の研修や農村における巡回検診、保健・栄養の住民教育などの支活動が想定できよう。
終わりに
私たちは、広島県の中だけで完結して生きている訳ではない。「富める者が貧しいものを助ける」といった一方的行為ではなく、私達の平和で豊かな暮らしは、国際的な相互依存と共生の上に成り立っていることを学びながら、相手地域の自立を促し、支援する側と支援される側が、共に高め合えるような活動を目指すべきではないだろうか。