- 本日のプログラム
- ゲスト卓話
「観光振興による地域の活性化と『日本の元気』の発信」 - 卓話者
- 国土交通省中国運輸局企画観光部 次長 松山 生馬様
- 担当
- プログラム
- ゲスト
- グループ7ガバナー補佐 久笠 信雄(くがさ のぶお)様
- 黙祷
- 広島RC所属 山本 忠義(やまもと ただよし)会員が8月4日 午前10時30分にご逝去されましたので謹んでお知らせいたします。(73歳)
- 祝事等
- ・会員誕生日(7名
・配偶者誕生日(4名)
・連続出席表彰(9名)
・結婚記念日(1名)
・連続出席10年間表彰(村本憲康)
・古希の祝い(神保 紘) - 会長時間
- ・久笠ガバナー補佐の紹介とクラブアッセンブリーについて
・砂田龍吾会員葬儀に対しての広島城南RC会員のご会葬及び生花お供えの御礼
・ 広報委員会理事後任報告(冨里良一会員兼務)
本日はお誕生日、結婚記念日、連続出席、さらには古希のお祝いと非常に多くのお祝い行事が重なり誠におめでたい例会となりました。
さて本日はグループ7ガバナー補佐を務めておられます城南ロータリークラブの久笠 信雄様をお迎えしております。
後程、本クラブの第1回目のクラブアッセンブリーにご参加いただき色々とガバナー訪問に向けての御助言を頂くことにしておりますのでよろしくお願いいたします。
ガバナー補佐並びに城南ロータリークラブの方々におかれましてはこのたびの私共の会員、砂田龍吾さんの葬儀に際しまして、ご弔問いただくとともに生花を賜り誠にありがとうございました。
砂田さんもさぞかし喜んでいることと思うとともに、幹事時代に貴クラブと密に交流を深めたことを懐かしく思っていることと思います。ここに広島中央ロータリークラブを代表して改めて御礼申し上げます。
さて砂田広報委員会理事の後任については先般の理事会で、広報委員会に属しクラブ会報・資料保存委員会委員長に就任頂いている冨里 良一会員に兼務をしていただくことになり、ご本人からも快諾を得ました。会員に皆様におかれましてはご了解よろしくお願いいたします。改めて冨里会員には、誠に急なことで、その上ご多用とは存じますがよろしくお願いいたします。 - 幹事報告
- ・本日の座席指定(名前アルファベット別)
・禁煙例会
・BOX配布物の確認
(1)理事役員会議事録・9月例会プログラム
(2)地区大会本登録のご案内
(3)在広RC名簿
・回覧
(1)地区大会本登録表
お手元のご案内と配布資料をご確認の上、回覧の回答用紙に出欠を記入して下さい。(各位仮登録状況を表示しております)
・次週例会について
8/15例会は定款による指定休会日(メークアップ不要)
・次回例会はガバナー公式訪問
準備の都合上、出欠変更は8/18迄に通知
・9/28野球観戦(家族人数制限あり)
・合同事務局盆休暇のお知らせ
8/13(土)~8/16(火)閉局 - 理事役員会
- ・本日例会終了後4F「竹の間」にてクラブアッセンブリー開催
- 委員会報告等
- ・職業奉仕 : 四つのテスト唱和
・出 席 : 出席報告 - その他
- 座席指定「アルファベット」
卓話時間
観光振興による地域の活性化と「日本の元気」の発信
国土交通省中国運輸局企画観光部次長 松山生馬様
「がんばろう!日本」
1. 我が国の観光動向と対策
観光立国の実現に向けた観光政策の二つの大きな軸として、「日本ブランドの海外への戦略的発信」と「国際競争力の高い魅力ある観光地づくり」が位置づけられます。具体的な事業として前者はビジット・ジャパン事業、後者は観光圏整備事業や訪日外国人受入れ環境整備などが取り組まれています。
ビジット・ジャパン事業として取り組まれているところの我が国のインバウンド観光の現状は、訪日外国人旅行者数は861万人に対し、日本人海外旅行者数は1,664万人です。インバウンド観光を振興し、このインバランスを改善することが、観光立国の実現を目指すに当たっての一つの大きな課題です。
こうした背景を少し振り返ってみますと、1964年に海外渡航の自由化が認められて以降、1971年には、初めて日本人海外旅行者数が訪日外国人数を上回りました。
1985年頃から日本の貿易収支の黒字幅が拡大し、主として米国との貿易摩擦問題が発生するなどにより、旅行収支(貿易外収支)を赤字にすることで国際収支の黒字幅を減らすことが国策となりました。
これは、我が国の国際観光政策にとって大きな転換となりました。
1987年に、当時の海外旅行者数500万人を、概ね5年間で倍増の1千万人にする「海外旅行倍増計画(テン・ミリオン計画)」を策定しましたが、計画より1年早い1990年に1千万人を超えました。
その当時、訪日外国人数は日本人海外旅行者数の3割程度で、その後、若干の変動はあるものの現在、5割程度まで増加したもののインバランスの解消にはまだ時間がかかりそうです。
現在、我が国では訪日外国人旅行者数の拡大を図る取り組みとして世界15市場(国・地域)を重点市場とし、ビジット・ジャパン事業を展開しています。現在の国・地域別の訪日外国人旅行者の割合は、アジアが72.1%を占めており、その内、韓国と中国だけで44.7%の割合となっております。
また、訪日外国人の延べ宿泊者数の国籍・地域別シェアをみますと、全国ではアジアが約6割、欧米が約2割となっていますが、中国地方ではアジアが36.9%、欧米が37.9%となっており全国に比べ欧米の比率が高くなっております。さらに、広島県ではアジアが26.9%、欧米が44%と欧米比率がかなり高いことがうかがわれます。
しかし、中国地方の外国人延べ宿泊者数の全国ブロック別シェアは1.7%で中国地方の人口(6.0%)、面積(8.4%)、GDP(5.7%)などの主要指標と比べ相当下回っており、ビジット・ジャパン事業を始めとした取り組みの強化が求められるところです。
我が国の観光政策のもう一つの大きな軸である「国際競争力の高い魅力ある観光地づくり」の具体的な取り組みの一つとして、2泊3日以上の滞在型観光地の整備を地域主体で目指す観光圏整備事業は、全国で48地域が認定されています。中国地方では3地域が認定され、ここ広島では、広島・宮島・岩国地域観光圏で滞在型旅行商品の販売促進に関するPRツールの作成や滞在型の魅力向上メニューとして広島ドリミネーションやナイトクルージングなど、取り組みの強化が図られています。
もう一つの取り組みである訪日外国人受入れ環境整備事業では、多言語による情報提供により外国人の移動の容易化を図り、訪日外国人客の満足度を高め、リピーターの増加を図っていくなどの取り組みが全国的に展開されています。中国地方では外国人旅行者の比率が高い広島・呉・岩国地域において、昨年度、広島駅新幹線口や宇品港旅客ターミナルなどの交通結節点で二次交通や主要観光地の情報提供を行うデジタルサイネージ(電子掲示板)の設置をはじめ言語バリアフリー化に向けた様々な取り組みを実施しております。
2. 震災後の中国地方の観光行政
東日本大震災によって被災地のみならず日本全域への旅行が大幅に手控えられました。その後、緩やかではありますが徐々に回復に向かい5月のゴールデンウィーク期間中の主要観光施設の入り込み客数についてみると西日本では比較的好調といえる回復ぶりとなっています。
インバウンド観光では震災後、国全体で対前年比62.5%減と大幅な落ち込みでしたが徐々に回復し、6月には36%減まで改善しました。
中国地方の主要観光施設における外国人の入り込み客数でみると、いずれも4月に約8割減と大幅な落ち込みでしたが、5月には約20%改善されており、入り込み客全体の回復傾向には及ばないものの今後の回復が期待されるところとなっています。
こうした状況を受け、4月上旬には観光庁長官による「観光で日本を元気に」というメッセージの発信やトップセールスを含む海外へのメッセージの発信、中旬には「がんばろう!日本」というフレーズで官民合同による「国内旅行振興キャンペーン」の取り組みなどなされてきたところです。また、7月には「日本の夏を元気に。旅で笑顔に。」とうフレーズで国内旅行振興キャンペーン第2弾が取り組まれています。
大震災後、特に落ち込みの大きかったインバウンド観光に関しては、通常、国と自治体等との連携(国費上限1/2)により実施する地方連携事業のうち、海外メディア・旅行会社等の招請は全額国費で実施する風評被害対策緊急事業として位置づけ、加速度的に訪日外国人旅行の促進を図っているところです。中国運輸局も東アジア3市場(韓国、中国、台湾)を最重点市場として位置づけ、スピード感をもって積極的に取り組んでいるところです。また、本年6月には最重点市場の一つである韓国に関して、駐広島大韓民国総領事館と中国運輸局との間で中国地方と韓国の観光交流の増進を図っていくための相互協力の覚書を締結しました。
3.中国運輸局の主要観光施策
ビジット・ジャパン事業としては、風評被害対策緊急事業を重点的に取り組み、1日も早いインバウンド観光の回復を図っていきます。取り組みの特徴としては、従来からの海外メディアや旅行エージェントに加え、中国地方の平常性を広く世界に知っていただくためにメディアやブロガーなどの招請にも取り組んでいきます。
また、中国地方における最大規模の旅行商談会である中国地方国際観光ビジネスフォーラムを本年は11月に下関市で開催します。昨年はこの商談会の結果、旅行商品造成等によりで約6,300人の外国人の送客実績を得ました。
国内旅行振興では、瀬戸内海ブランドの認知度向上や誘客の促進策として、クルーズ客船の誘致を支援する取り組みの他、既存の小型客船を活用し、陸上泊を含めた滞在型のクルーズ振興が図れるよう取り組んでいきます。これについては、海外マーケットも視野に入れ海外へのPRツールも作成し、プロモートしていきます。
来年、1月には大河ドラマ「平清盛」の放送が開始されることから、各地で取り組まれる事業に対する広域的なサポートや瀬戸内広域連携施策の推進を図っていくため、瀬戸内海を取り囲む中国運輸局、神戸運輸監理部、四国運輸局の3部局長で構成する「平清盛」瀬戸内連携推進会議を7月に設立しました。今後、瀬戸内広域クルーズやクルーズとサイクリングをセットで楽しめる施策の具体化に向けて取り組んでいきます。昨年のNHKのドラマ「ゲゲゲの女房」や「てっぱん」のロケ地や舞台となった地域では、入り込み客数が前年比でそれぞれ230%や130%にまで大幅に増加しました。大河ドラマ「平清盛」の効果がこの瀬戸内地域観光に波及することが期待されます。
本年3月の九州新幹線全線開業を契機として九州中南部や関西から中国地方への誘客を促進する取り組みを進めているところです。開業前の2月には中国運輸局長が熊本県知事、6月には鹿児島県知事への表敬訪問を含めた観光PRを実施しました。さらに、関西からの誘客については、広島・岡山とも兵庫県、大阪府が発地エリアとして1位、2位であることから、関西~九州間旅行者についてもストップオーバー客(乗り継ぎのための24時間以上の滞在)をターゲットとして誘致促進に取り組んでいきます。
山陰観光に関しては、今後、尾道松江線の道路整備が進み、平成24年度に三次~松江間、平成26年度に三次~世羅間が開通予定となっており、特に総延長の約8割が無料区間となることから、山陰観光や周辺地域の観光に与える影響は大きいものと期待されることから、アクセスの改善効果を全面的に打ち出す広域周遊商品の造成支援や着地型観光商品の流通促進支援などに取り組んでいきます。
ニューツーリズムやスローツーリズムと言った旅行形態の変化(物見遊山型から体験型・滞在型や団体旅行から個人旅行)に対応した取り組みとして「中国地方とっておきの景色と食」(地域ごとに82地域を選定)などに取り組みました。これは季節ごとに中国地方各地の景色と食に関する観光素材を洗い出し、活用される資源となるよう観光資源化していくための取り組みです。今後、地域で愛された景色とその地域に足を運ばなければ食べられない食を組み合わせ、地域が提供してくれた素材と観光客が求める地域の魅力をどう合致させていくかといった取り組みを進めていきます。
4.産学官連携による人材の育成と活用
観光立国を実現する上で人材育成は重要です。観光はサービスの提供を受ける各段階(運輸・宿泊・飲食・案内など)で人が関与します。観光する人も今や国や人種等の多様化、旅行目的の多様化、新しい観光資源の発掘など観光需要(供給)の多様性や新規性に対応できる人材の育成が今日的課題として重要となっています。
こうした中、観光庁においても我が国のこれからの観光分野を担う人材の育成を推進していくために「観光立国人材育成推進会議」を開催し、検討が行われているところです。
中国地方では観光に関する学部・学科等を持つ大学は3大学で、九州や関西に比べ観光分野の人材育成・教育や研究などへの取り組みが十分とはいえない状況にあります。広島県にはこのような大学もない状況にあり、先ず、観光関係の講座を立ち上げる取り組みの一つとして、本年4月に中国運輸局と広島経済大学が観光振興を柱とした連携協力協定を締結しました。お互い、大学や国の機関とこのような協定を結ぶのは初めてです。当面の取り組みとして中国運輸局からの講師の派遣をはじめ、若者の旅行離れを研究する学官共同研究会の発足、観光地の外国人受入れ環境整備状況を大学の留学生がチェックするなどの取り得組みを実施しています。その他、他の大学からのインターンシップの受入れや講師の派遣等も行っており、今後とも観光分野の人材育成に少しでも役にたてるよう取り組んでいきます。
5.観光立国推進基本計画の見直しについて
現在の基本計画は平成19年に策定されたもので、観光の情勢変化等を踏まえて、概ね3年後を目途に見直しを行うこととなっていますが、3.11東日本大震災後、計画見直し作業は中断し、震災後の影響について正確な調査と情報収集を行った上で目標値の検証を行い、スケジュールも再検討していくこととなっております。
この基本計画で設定された、観光立国の実現のための基本的な目標として5項目掲げられていますが、いずれの目標も未達成となっています。中でも、「日本人の海外旅行者数」と「日本人の国内観光旅行による1人当たりの宿泊数」については、目標設定当時の基準数値よりも低い数値となっています。
6.今後の展望(訪日外国人3000万人プログラム)
2003年度から始まったビジット・ジャパン・キャンペーンの取り組みでは、2010年までに訪日外国人を1,000万人にし、将来的には日本人の海外旅行者数と同程度にする目標でしたが、「訪日外国人3,000万人プログラム」では、2013年までに訪日外国人旅行者数を1,500万人にすることを第1期目標とし、第2期(2016年)では2,000万人、第3期(2019年)では2,500万人、そして将来的には3,000万人達成を目標とする取り組みです。これは、異なる条件にはあるものの同じ島国である英国(入国者数:2,803万人)を一応の目標として設定されたものです。
我が国の人口減少の動向を考慮した場合、今後とも経済の活性化と地域の活性化を図っていくためには観光交流人口の増大が重要なカギとなるといわれています。
我が国の人口は、現在、約1億2,800万人ですが、人口動向推計では2045年に1億人を割り、さらに減少傾向が続くと見られています。ちなみに、経済成長が加速すると言われている人口ボーナス期(生産年齢人口:15才から65才をその他の人口:14才以下と65才以上で割って算出)を、主要関係国・周辺国でみると米国が2010年、韓国が2020年、中国が2030年、インドが2050年といわれております。日本は20世紀で既に終わっています。
こうした、日本の状況を踏まえると観光交流人口の増大を図っていくことの重要性を痛感するところです。
3,000万人プログラムの実現に向けた取り組みをはじめ、官民一体となった観光振興の取り組みが益々重要といえます。