- 本日のプログラム
- ゲスト卓話「私がみた中国人と日本人の違い」
- 卓話者
- 米山奨学生 鄭 譚 進君
- 担当
- 親睦活動委員会
- 祝事等
- ・会員誕生日祝(8名)
・夫人誕生日祝(6名) - 会長時間
- ・地区大会参加報告
- 幹事報告
- 次週は祝日のため例会は休会です。
・BOX配布物:ガバナーズレター・ロータリーの友・米山奨学会リーフレット・臨時理事役員会議事録
・他クラブ例会変更は掲示板およびホームページをご参照下さい。 - 理事役員会
- ・本日例会終了後12階「ライラック」にて定例理事役員会開催。
- 委員会報告等
- ・親睦活動委員会:10/25・3Rソフトボール大会案内について
・田原榮一会員:10/25・がんセミナー県民公開講座の紹介と案内
・出席委員会:出席報告
卓話時間
中国人と日本人の相違
中国人と日本人の相違米山奨学生 鄭 譚 進君
私は日本に来てもう10年になった。今日はこの10年間に日本で生活して自分の目でみた日本人と中国人の相違についてお話したいと思う。
(1)日本人と中国人の組織意識の違い。
私が一番感心したのは日本人の組織意識である。組織にいる人々は組織利益を優先的に考える。組織の利益は自分の利益と矛盾する時に、まず組織の利益を優先する。日本人は集団的組織の力を評価し、自己の集団的利益に反すると罪悪を感じる。また、日本人は組織に対して、奉仕の意識が強い。例えば、私が属している「留学生と友達の和」というボランティア組織は設立した当時、資金がまったくなかったが、日本人メンバーたちは自分のお金を出し合って、組織を作った。そして毎年、メンバーの人々は家に使わないものをバザーに出して運営費用を作りながら、ボランティアの活動を続けている。日本人は組織のために、自分の金銭や時間を犠牲にし、社会のため、有意義の仕事をなされている。この強い組織意識は日本戦後の奇跡的な経済発展の最大な理由の一つではないかと思う。このような組織意識があるからこそ、今日のトヨタ、ソニー、三井、三菱などの近代化された大きな組織が生まれてきたと思う。ところが、中国人は個人の力を評価し、個人の利益がマイナスなることをいみきらうと言う習性がある。自分の利益のため、組織の利益を犠牲してもかまわないという意識が存在している。組織に入っても、自分の利益を優先する。自分の利益にならないとその組織をやめてしまう。その故、今まで日本みたいな大きな近代化企業組織はなかなか出現しなかった。ところで、近年、日本などの外国の企業が中国へ進出することによって、日本の先進の技術、管理方法だけではなく、その労働観念、組織のあり方などは中国企業に大きな影響を与えている。最近、「海尓」という中国の電気製品の大きな企業組織は世界市場の舞台で活躍し始めている。これも日本などの外国企業の影響によって、「海尓」のような大きな近代化企業組織が生まれてくると思う。
(2)日本人と中国人の責任感の相違。
日本人は責任感が強い。日本人は責任を持って一生懸命に仕事を行なう。これは日本の製品の品質にも表われている。日本の自動車、電気製品などが世界中に人気がある原因は日本の製品の故障は少ないからである。つまり、日本は優れている製品の品質を世界中に出している。その優れた製品の品質は日本人の仕事に対する責任感だと思う。私は私費留学生であるが、いろいろなアルバイトをした経験がある。どこに行っても、日本人の仕事に対する責任感の強さをしみじみと感じられる。会社の社員は言うまでも無く、その会社のパートやアルバイトでも責任を持って一生懸命に働く。ところが中国人の仕事に対する責任感は日本人と比べると遥かに欠けている。仕事は自分の生きていくための稼ぐ手段しか過ぎないと思っている人が多いので、日本人ほどまじめに働かない。また、日本の社会では、企業や組織が大きな失敗、あるいは、部下が何か破廉恥なことをした時には、その企業や組織の責任者は責任をとって辞職する。このことが日本のテレビニュースで時々放送される。企業や組織のトップは辞職することによってこのような過ちが二度と起こらないように組織に警鐘を鳴らす。このような責任感は日本社会を支える重要な要素の一つだと思う。かえって、中国では企業や組織が全く違う。不祥事は発生する時、まず、部下の首が切られる。いくら企業や組織のトップの責任であっても、そのトップは絶対に辞職しない。このような責任的感覚はとっても無責任なので、企業や組織には大変危険だと思う。組織に対する責任感においては中国人は日本人を学ぶべきだと思う。
(3)政府に対する信頼感。
日本人は政府を信用しているが中国人は政府を信用しない。日本人は根本的に日本政府を信頼している。日常生活の中で何かが起きると日本人はすぐに市役所、区役所などの政府機関に行き、相談したりするように政府に頼っている。それに応じて、市役所、区役所などは国民のために最大限努力をする。これについて日本人は違う意見があるかもしれないが、「公務員は毎日何をしているかが分からない、給料の泥棒だ」という話はよく耳にする。しかし、他の国に比べると、日本政府機関は効率よい機能を果たしている。このような国は世界でも数少ないと思う。ところが中国は違う。中国人は根本的に政府を信用していない。中国人にとっては、政府は官であり、官は金、人脈で動かすものである。金や人脈が無い者にとって官は自分との関係ない存在であるが、お金持ちにとっては自分の思う通りにお金で動かす者である。そのため、中国人の心の中には日本人ような政府に対する信頼感は存在しない。中国の官の汚職や賄賂などの不祥事は想像以上に多い。
最後、日本の言葉の曖昧さについて。
私は日本に来て3ヶ月頃に夏休みに入り、アルバイトを探そうとしていた。アルバイトの募集のチラシを見てアルバイトの募集先に電話を掛け、そして面接に行った。面接の方はすごくやさしい方で、「留学生は大変だね」などをいろいろに話してくれた。最後に「ちょっと難しいね。検討させください」と言われた。この言葉を聞いて、今なら、断る言葉だとすぐ分かるが、その時、日本来てまもない私はかなり期待していた。結局、一週間がたっても、返事がなかったので、電話をしてみたら、もう他のアルバイトが決まったと言われた。私はがっかりした。ちょっと難しいという言葉は中国では、断る言葉ではない。難しいけれど、努力すれば、出来るものであることを意味する。当時の私は日本人がなぜはっきり言えないかなと思ったが。日本で生活する時間がたつにつれ、だんだん日本人心が分かってきた。日本人は常に相手立場を考え、相手に対する心遣いがあることが分かった。とにかく、異文化の交流は相手の言葉が分かるだけではなく、その言葉の背景にある文化や習慣を深く理解する事がとても大事だと思う。そして相手の良いところを吸収し、自分の長所は相手に伝え、互いによい物を吸収しあってさらに良い文化が生まれてくる。そうすれば、文化の衝突は自然に避けることができ、世界の平和に繋がるではないかと思う。