- 本日のプログラム
- ゲスト卓話「木の話」
- 卓話者
- (株)スガノ会長[広島東南RC会員]菅野清一氏
- 担当
- 出席委員会
- ゲスト
- 米山奨学生 鄭 譚 進君
- 会長時間
- ・先週のガバナー公式訪問出席御礼
・サンタローザ友好協会からの礼状紹介 - 理事役員会
- ・例会終了後12階「ライラック」にて定例理事役員会開催
- 委員会報告等
- ・社会奉仕委員会:愛のコイン箱
・出席委員会:出席報告
卓話時間
木に緑りて魚を求む
広島東RC会員 ・スガノ会長 菅野清一氏
1.この文は13年前に新聞記事を基に書いたものですが、この傾向はそのごも加速されて継続しておりまする読んで頂ければよく分かる内容ですが、補足してお話ししたいと思っています。
2.本題に入りますまでに、木に関することで皆様がお聞きになって決して損のない話を二、三して見たいと思います。
3.こぶしの花は北を向いて咲きます。桜の花はどちらを向いて咲きますか。下を向いて咲きます。だから桜の花の下で花見をするのです。下を向いて咲くのは桜だけだと思っています。
4.コーヒーには原産地の名がつけられていますが、ブルーマウンテンには産地名がありません。原産地は中米のジャマイカですがここの千メートル高度の山にあるコーヒーの木がいっせいに出す揮発性のテルペン類と呼ばれる化学物質によって、太陽光線が屈折して山を青い山にしてしまうのです。青い山のコーヒーでブルーマウンテンとして最高級のコーヒーになっているわけです。
5.さくらの開花前線はいつかとよく話題になります。あれは桜がアルペン類の物質を出してお互いに連絡をとりいっせいに開花するのです。それによって害虫にやられても残ることが出来る身を守る知恵を出しているわけです。
6.襟裳岬の昆布は長年の積もったヘドロの為、植林した木が生長して。養分のある水が流れてもなかなか生育しなかったのです。五十年に一度のオオック海の流氷がえりも岬まで来て、此が去る時にヘドロを全部持ち去って、奇麗な海底にしたことかが大きな原因になっています。NHKテレビでこのことは放映していました。
7.杉山は何故間伐しなければならないのですか。
8.木には陽樹と陰樹があります。杉は陽樹ですから太陽を求めて他の樹に負けないようにどんどん伸びていきます。伸び負けると弱い細い木になって残ります。切ってやらないと林間が暗くなって日光が入らなくなり他の木にも害を与えます。又すくすく伸びさせる為には植林のとき密稙して伸びる競走をさせる必要があります。
9.吉野の林業は第一回目の間伐材は足場丸太に、二回目は柱材にね三回目は電信柱に、四回目は板材にしていました。そして最後に残った優良材を・材にしていました。酒樽、醤油樽、味噌樽、・材が一番高く売れたのです。
10.今では間伐材も・材も殆ど需要がありません。杉の木を切っても需要が少なくなりました。杉材の山地は大打撃です。
11.宮城県の気仙沼湾の畠山漁業組合長は欧州を廻って、牡蠣の美味しいところは上流に森林があって河口が豊かなところが多いのに気が付いて、気仙沼市を流れる大川の上流に毎年漁業組合で大漁旗を立てて広葉樹の植林をされます。
12.畠山さんが廣島に来られて背後の山林と広島湾を見られて、この地の牡蠣に気仙沼の牡蠣は絶対勝つと云われて、廣島の業者も危機感を持ち今では広島県の漁業組合も太田川の上流で植林をしています。
13.杉材は根が細く土中に浅く小さい範囲にしか根を張りませんそのため大雨が降ると土石流を興すことが多いです。
14.その点広葉樹は枝ほど根を張るので広く土中に深く根を張りますので、大雨が降っても保水力があるので地下水として貯水します。又実がなりますので動物のえさになります。人工林が多くなると動物は食料に困って里に出て農作物を荒らすようになります。
15.このように漁業組合が百年前の浜を取り返すために地道な努力を続けているのに農林当局は知らぬ顔です。鈴木宗男に賄賂を持っていけば国有林の盗伐が出来るのと矛盾しております。
16.「木に拠りて魚を求む」間違った手段では目的は達せられないと言う諺ですが今では此の諺が当たり前なっていることが多いと思います。時代はどんどん我々の知らない方向に変わっていく一つの例としてお話ししました。